電子書籍「ヨーロッパ日本ビスポークシューズ見聞考」発行

僭越ですが、お知らせでございます。先日、Kindleストアにて、電子書籍、「ヨーロッパ日本ビスポークシューズ見聞考」を出版致しました。一言で言うと、ビスポークシューズについての本ですね……。
上画像か、下の商品ページをクリックして頂けると、Amazonの販売ページに飛べます。
どんな内容かは、以下からの拙著前書きの抜粋をお読み下さい。
ビスポークシューズは注文主の足に合わせて作り、デザインも基本的に自由(ある程度の制約はあったりしますが)な一点物だけあって、一足を作るのに手間がかかります。とは言え、その手間のかけ方は工房や職人さんによって様々で、手間が多ければ必ずしも良い、手間を省いていたら必ずしも悪いと言うわけではないのが、靴の面白いところでもあります。
分かりやすい例が、ハンドソーン・ウェルテッド製法とセメンテッド製法の比較でしょうか。これら二種の製法を比べると、ハンドソーン・ウェルテッド製法の方がずっと手間がかかりますが、手間がかかる分、完成まで時間がかかりますし、高額にもなります。そしてセメンテッド製法やマッケイ製法と比べて、重く、ソールの返りも固くなりがちです。その一方で、修理可能回数が多いので、長く使える利点があります。
セメンテッド製法は手間が少ない分、速く安く提供できますし、製法上、軽く柔らかく仕上げやすい利点があります。一方で、修理面で難点があります。
拙著では、上記のように「ビスポークシューズ」と言っても色々と違いがあり、その違いによってどんな特徴があるかを主に書いて行きます。
ただ、僕は2002年からウェブサイト、Weblog、Twitter、Instagramなどで靴について情報発信をしており、これらで僕が書いて来た内容と、拙著は重複する箇所も多い事をご了承下さい。と言いますか、僕がこれらウェブ上で書いて来た内容からビスポークシューズについての記述を抜粋し、さらに情報を追加したのが拙著になります。
そして、以下からが拙著の目次です。
【拙著目次】
前書き_ 3
特徴が地域で三分割される欧州のビスポークシューズ_ 4
西欧_ 4
中欧_ 11
東欧_ 15
LAST ラスト_ 19
ラストの素材と国ごとの使用傾向_ 20
木製ラストと樹脂製ラストの違い_ 21
成形の利便性_ 21
ハンドメイドシューメイキングとの相性_ 24
補修の利便性_ 25
費用対効果_ 26
ラストメイクの方法_ 27
削り出し_ 27
既存ラストの修正_ 30
Shoe Tree シューツリー_ 31
Measuring 採寸_ 34
3Dスキャン採寸_ 38
Try-on 仮縫い_ 39
仮縫い専用靴_ 40
透明プラスティック製仮縫い専用靴_ 40
作成途中の靴_ 41
Leather 革_ 42
アッパー革_ 43
ライニング_ 44
ビーディング_ 45
底材_ 46
Parts 部材_ 47
Filler フィラー 中物_ 48
Shank シャンク 踏まず芯_ 50
Stiffener 芯材_ 53
Thread 糸_ 54
Making 製靴_ 56
ハンドメイドシューズにおける作業の細かな違い_ 57
ハンドメイドにおける機械使用_ 57
インソールのくせ付け方法_ 60
部材を自作するか出来合いを使うか_ 63
どのくらい釘を打つか_ 66
ソールの厚さと出し縫いのピッチ_ 67
手縫いの優位点_ 72
製甲の手縫い_ 75
手縫いのマッケイ製法_ 76
ハンドメイドのセメンテッド製法_ 79
中東欧らしい手法_ 81
木釘_ 81
ヒドゥンチャネルの革をめくる位置_ 84
履き口_ 85
掬い縫いが表出する製法_ 85
インソールへの仕込み_ 86
出し縫いと接着剤併用のダブルソール_ 86
釣り込み前の下拵え_ 87
二重のトウと踵_ 88
シームレスヒールとシームレスホールカット_ 92
靴関連随筆_ 94
質と速度と費用の職人技_ 95
難しいラストメイクの巧拙判断_ 98
日本ならではの英語_ 100
左利きの靴職人_ 103
不器用と器用_ 106
靴関連独白_ 108
ご教示ご協力下さった皆様_ 115
ちなみに表紙画像は、整形靴マイスターである四之宮玄騎さんの、2015年時のアトリエです。
皆様、もしご興味ございましたら、是非ご購入下さい。そして、大変恐縮でございますが、SNSなどにて、拙著「ヨーロッパ日本ビスポークシューズ見聞考」を広めて頂ければ幸いでございます。
どうぞよろしくお願い致します。
ちなみに先日の6月29日に、僕がウェブサイトを開設して20周年となりました。全然更新してない時期もありますが、まさか20年も開設を続けるとは思ってなかったですね……。
そして20年経っても、靴も服も分からない事ばかりと言うか、年月が経てば経つほど、分からない事が増えて行きます……。
- 関連記事
-
-
Matti Hampaala and A.V.Aalto in Helsinki(ヘルシンキのマッティ・ハンパーラとA.V.アールト) 2015/12/15
-
Greve workshop in Brașov(ブラショフのグレイヴのワークショップ) 2016/01/15
-
Genki Shinomiya of workshop head at Türk in Freudenstadt(フロイデンシュタットのテュルクの工房長、四之宮玄騎) 2016/11/28
-
N.H Sartoria and Tartaglia Sartoria in Milano(ミラノのN.Hサルトリアとタルタリア・サルトリア) 2016/12/18
-
フォスター&サン日本トランクショー延期のお知らせ 2011/03/17
-
Daniel Wegan of Gaziano & Girling bespoke department head(ガジアーノ&ガーリングのビスポーク部門長、ダニエル・ヴィガン) 2016/04/09
-