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Patrick Frei and Jesper Ingevaldsson went on a tour around the shoes area of Asakusa(パトリック・フライさんとイェスペル・インゲヴァルソンさんの浅草靴界隈巡り)

10月に訪日した第1回ワールド・チャンピオンシップ・イン・シューメイキング優勝者、Patrick Frei(パトリック・フライ)さんと、世界的に著名な靴ブロガー、Jesper Ingevaldsson(イェスペル・インゲヴァルソン)さんが、10月9日には浅草の靴界隈巡り。僕はこちらにも、(超拙いけど)通訳と言う事で同行しました。

まずは自転車を借りまして、最初に伺ったのは、製靴用資材卸のマモルです。パトリックさんは早速夢中になって、良さそうな道具や資材を探しておりました。ただ、マモルでは写真撮影NGのため、こちらでの画像はないのですが……。


ジョー・ワークス訪問中

次に伺ったのは、JOE WORKS(ジョー・ワークス)。よく知られているとおり、ビスポーク・シューメイカー、クレマチス銀座の既製靴ラインの製造元ですね。イェスペルさんは以前にもジョー・ワークスに来た事があるため、自転車で向かう際、「こっちだ」と、僕よりも道に慣れていました(笑)。


ジョー・ワークス訪問中

二階のショー・ルームにて、サンプルを鑑賞するお二人。


ジョー・ワークスのサンプルシューズ

僕が初めてジョー・ワークスを知ったのはインスタグラムを通じてなのですが、「グッドイヤー・ウェルテッド製法とは思えない綺麗なライン!(つまりハンドソーン・ウェルテッド製法ではないのに)」が第一印象でした。それについて代表の駒澤崇行さんにお話を伺うと、ジョー・ワークスでは、最初にマシンで釣り込みをした後に、さらにハンドでの釣り込みも行っているとの事。

グッドイヤー・ウェルテッド製法の場合、マシンで革を引っ張って立体成形を行いますが、マシンだとハンドと比べて、引っ張る方向がどうしても限定されます。
しかし、ハンドだとマシンと違って革を引っ張る方向が自在のため、ハンドでしか成し得ない立体性とラインを産み出せるわけです。それは踏まずをはじめとした、曲線の強い箇所だとより顕著になります。そして、立体性に優れた靴が、履き心地が良いのは言うまでもなく、見た目も美しいです。

ジョー・ワークスのラインの美しさは、英国風のカッコ良いラスト形状はもちろん、この一手間あっての事かと納得しました。ジョー・ワークスのウェブサイトに、当社では各工程の随所に 「もうひと手間」 手の作業を挟み、と書かれておりますが、このハンドでの釣り込みも、その 「もうひと手間」 手の作業の一つなのだなと思いました。このクォリティで、価格は税込7万円台~とは、素晴らしいです!

あと、ジョー・ワークスのサンプルの中には、ライニングおよびインソックスにゴートスキンを使用しているモデルもありました。ゴートスキンは柔らかくて摩擦に強い特徴があるため、確かにライニングに向いた素材でして、欧州のビスポーク・シューズや、高級既製靴ではイタリアンブランドで使用されているのがたまに見られます。しかし、日本製高級靴ではあまり見られないので驚きました。




ジョー・ワークスの職人さん

ジョー・ワークスにてパターンと釣り込みを担当する職人の遠藤和敏さん。ジョー・ワークスならではの、"グッドイヤー・ウェルテッド製法とは思えぬ美しいライン"の生みの親です!ハンドでの釣り込みも、職人さんに確かな腕前があってこそ活きますが、ジョー・ワークスの出来栄えを見れば、遠藤さんが高い技量の持ち主であるのは分かりますね。


ジョー・ワークスのフィット確認

サンプルシューズを試し履きするイェスペルさんと、フィットの具合を確認する駒澤さん。駒澤さんは英語がまずまず可能でして、超拙い通訳の僕としては助かりました(笑)。

なお、現在、ジョー・ワークスはスウェーデンの高級靴オンラインショップ、「THE SABOT(ザ・サボット)」でも取り扱われており、それについて、イェスペルさんはご自身のBlogでも紹介しております。


ジョー・ワークスの工房

ジョー・ワークス訪問中のパトリックさん。


ジョー・ワークスの工房

マシンでの工程が多いジョー・ワークスですが、前述のとおり、ハンドの仕事もあるため、そのハンドでの仕事を行うためのデスクです。


Tateshoes訪問

ジョー・ワークスの次に向かったのが、近い場所にあるTate Shoes(タテ・シューズ)です。こちらはハンドソーン・ウェルテッド製法がメインの工房で、これまで多くのブランドのOEM生産を手がけております。代表の舘篤史さんは、巻田工房にて手製靴の修行をしたそうです。


Tateshoesのサンプルシューズ

そして、今年3月より始動した、タテ・シューズのオリジナルブランド、SANTARI(サンタリ)のサンプル。九分仕立てながら、価格は税込9万円台前半とリーズナブル!現在はオーダーも多数入り、順調な滑り出しとの事でした。


Tateshoesのラスト

オリジナルブランドだけあって、もちろんラストも舘さんが手がけております。黄矢印のように、甲が高角度で立ち上がっているのが特徴で、これにより、足が靴内部に深く入るため、甲を広範囲でフィットさせる狙いなのだそうです。


Tateshoes訪問

もちろんお二人も、サンタリのサンプルシューズを鑑賞です。イェスペルさんは昨年10月の来日時にもタテ・シューズに来ておりまして、パトリックさんも、既に6日にお会いしているだけあって、皆様慣れた感じでの談笑となりました。


Tateshoes訪問

上画像でパトリックさんとお話ししているのは、タテシューズ所属の靴職人で、エスペランサ靴学院で製靴を学んだ、平松卓さん。平松さんもまずまず英語が可能なため、こちらでも超拙い通訳の僕としては助かりました(笑)。


マモル訪問

タテシューズを後すると、近くのセブンイレブンでパトリックさんとイェスペルさんは軽く食事をして休憩。そして向かったのは、大谷商店。ここでもパトリックさんは製靴の道具を買い物です♪パトリックさんに限らず、大谷商店では海外からの来客も珍しくなく、以前に僕はフィレンツェ在住の某日本人靴職人さんを見かけた事がございます。


RENDO訪問中

続いてRENDO(レンド)です。代表でラストメイカー兼パタンナーの吉見鉄平さんは、かつてセントラル靴で要職を担った実績。そして現在は、RENDOの運営はもちろん、エスペランサ靴学院にてパターンの講師も務めております。

吉見さんはコードウェイナーズ・カレッジに在学歴もあるため英語も上手で、超拙い通訳の僕の出番はなく(笑)、お二人と問題なく会話しておりました。パトリックさんはこの工具はどこで買えるのか、吉見さんに質問しており、吉見さんも丁寧にお答えしておりました。


RENDOのサンプルシューズ

RENDOのサンプルシューズです。よく知られているとおり、RENDOはセントラル靴製でして、グッドイヤー・ウェルテッド製法の確かな作りで、仕事自体も丁寧、それでいて税込48,600円ですから、こちらも優れたコストパフォーマンス!RENDOと言い、ジョー・ワークスと言い、サンタリと言い、日本製高級靴は本当にリーズナブルです!


RENDOのサンプルシューズ


RENDOのサンプルシューズ

クセのないラウンドトウで、正統派のデザインは、ビジネスシューズに最適ですね。


そしてRENDOの後に、再びマモルに行ったのですが、なんとマモルのスタッフさんによると、数時間前にパトリックさん、イェスペルさんがマモルに来ていると聞きつけた、浅草の靴学校の学生さんが、お二人に会おうとマモルに来ていたそうです!あえなくすれ違いで、その学生さんはお二人とお会いできませんでしたが、その学生さんから、お二人が凄い方だとマモルのスタッフさんは聞いたそうです。そして、パトリックさんとイェスペルさん、マモルのスタッフさんからサインと写真を求められていました☆。靴の町・浅草ならではだなー、と思わされた出来事でした。


康製甲所訪問中

マモルで再度の買い物を終えると、最後に康製甲所を訪問です。

ちなみにこの画像もそうですが、パトリックさんにカメラを向けると、僕から何も言わずとも、よくカメラ目線を下さいます(笑)。パトリックさんは陽気で人懐っこい、お茶目なお人柄で、それもそのはず、靴職人以前はジャグリングなどを行うパフォーマンスアーティストとして活動していたそうです。パトリックさんは、「渋谷で、ジャグリングしている人を見かけたよ~」とも話しておりました♪


康製甲所撮影中

さて、康製甲所主宰の康澤民さんは、エスペランサ靴学院にて長年製甲の講師を務めており、それは学院の生徒さんだけでなく、既にプロとして活動している職人さん向けにも講義も行う凄腕!

フィレンツェのマンニーナの職人さんは、「康さんの技術は神業」と言い、某日本人製甲師さんは、「同じ製甲でも、私の製甲と康さんの製甲は違うから……(康さんの方が上と言う意味)」ともお話しておりました。
さらに、康さんのインスタグラムにおけるこの動画について、「康さんのあの早業見た?」と、以前に何度か、僕が日本の職人さんと話していて話題になった事がございます。プロの職人さんが見ても驚嘆する康さんの技術ですが、その仕事の様子を、お二人も撮影です☆。

ちなみに、康さんはビスポーク・シューズだけでなく、メンズ既製靴、レディース既製靴などなど、仕事内容が多岐にわたっているのも特徴です。

この康さん訪問で時間切れとなり、浅草靴巡りは終了となりました。他にも、JAPAN SHOES TECHNICAL FACTORY(J.S.T.F、ジャパン・シューズ・テクニカル・ファクトリー)や、ひうちや燧商店など、お連れしたいお店はまだありましたが、時間が足りませんでした(笑)。とは言え、多くの学びと発見、そして楽しい会話があり、今回も有意義な日でした。

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