Jesper Ingevaldsson, Daniel Wegan, and Neus Benavent visited "MAIN D’OR"(イェスペル・インゲヴァルソンさん、ダニエル・ヴィガンさん、ネウス・ベナヴェントさん、マンドールを訪問)
CATEGORY靴・服飾

10月7日、マンドールにて靴を注文中のイェスペル・インゲヴァルソンさんが、2回目の仮縫いチェックのために再び来日。そして今回は、ガジアーノ&ガーリングのビスポーク部門長、ダニエル・ヴィガンさんと、同じくガジアーノ&ガーリングのサヴィル・ロウ店店長のネウス・ベナヴェントさんもともにいらっしゃいました。ダニエルさんとネウスさんは、僕にとって2年前に英国でお会いして以来です。ネウスさんは2年前時点ではパティーヌと販売担当でしたが、現在は店長との事。
外国人さんが三人いらっしゃったため、英語がド下手な僕では通訳しきれないと思い、今回は僕が以前働いていた会社の上司で、英語堪能な浅井弘幸さんにお越し頂きました。浅井さん、どうもありがとうございました!

マンドールのサンプルシューズを見ながら談笑する、イェスペルさん、ダニエルさん、ネウスさん。ダニエルさんとネウスさん、当初、僕は仕事で来日されたのかと思っていたのですが、なんとプライヴェートの休暇との事。休暇を利用して、マンドールをはじめ、日本のビスポーク関連のお店を周っているのですから、お二人の靴好き度、研究熱心度は凄いです!
そして僕としては、スウェーデン在住の靴好きの方(イェスペルさん)が靴を注文するために何度も来日し、さらに英国在住のビスポークシューズ職人さん(ダニエルさん)とスタッフさん(ネウスさん)が、日本のビスポークシューズを見るために来日している事実に驚嘆します!

さて、仮縫いの確認開始です。マンドールでは仮縫いが二回行われ、二回目の仮縫いでは、トライアルシューズを1~2カ月ほど履いて頂いてフィットの問題点を出し、修正を行います。この二回目のトライアルシューズは、既にスウェーデン在住のイェスペルさんの下に届いており、イェスペルさんもフィットは確認済です。ちなみにイェスペルさん、このトライアルシューズを履いてマンドールまでも来ていました(笑)。

フィット具合を確認中の村田さん。そして修正箇所を、銀ペンで書き入れていました。

ご自身のBlogやSNS用に、仮縫いの様子を写真に収めるイェスペルさん。

続いて村田さん、フィットの様子を記録撮影しておりました。

さらに、靴内部の様子を確認するため、トライアルシューズをカットする村田さん。村田さんは普段、トライアルシューズのカットはしないそうですが、今回は当たっている箇所が明確のため、カットするとのお話でした。

カット後に再び履いて頂いて、フィットの確認です。ご覧のとおり、記録撮影も行っていました。

仮縫いを終えた、二回目のトライアルシューズ。それにしても、トライアルシューズにしてはもったいないほどの出来栄えに驚かされます!アッパー素材は、初回のトライアルシューズと同様に、贅沢にペリンガーを使用。そしてアッパーはもちろんの事、ライニングも綺麗に釣り込まれ、トップライン(履き口周り)もしっかりとしたラインを描いています。さらに製甲も、手抜かりありません。

トライアルシューズと言う事もあってセメント製法ですが、ヒールも一枚一枚積み上げて作っています。

釣り込みがハンドなのはもちろんの事、インソールも立体的に作られ、手間をかけているのが分かりますね。本番同様の立体性を追求しているのが分かります。

アウトソールはメキシコ産を使用。ご覧のとおり、フィドル気味に作られ、本番同様の接地を感じてもらおうと言う意図が見えますね。

さらに!まだ仮縫い段階ながら、イェスペルさんはマンドールでの二足目の注文も決定!二足目の革選びのため、革を持ち出して来る村田さん。

パティーヌ担当でもあるネウスさん、やはり革が気になるのか、まじまじとご覧になられていました。

二足目のデザイン参考のために、並べられたサンプルシューズ。やはり美しい!

注文を終えたイェスペルさんは、今回もサンプルシューズを撮影。太陽光の下の方が良く撮れると屋外に出ての撮影で、できるだけ綺麗に撮ろうと言う、イェスペルさんの靴の愛を感じますね。
ちなみに、イェスペルさんがマンドールのトライアルシューズを脱いだ後に履いていたのは、柳町さんの靴です。上質なベビー・カーフを使用しており、「まるでコードヴァンみたいなんだよ」とお話されていて、言葉どおりの眩い光沢を放っていました。

僕は撮影をするイェスペルさんを撮影していたわけですが、店舗奥から、ネウスさんがその様子をスマフォで撮影していました(笑)。

こちらはお客さんの注文品でして、アダレイドのデザインがオリジナリティありますね。気品のある出来栄えはさすが!です。
こちらが、その時のYouTube動画です。

その後、店舗奥にある工房を見学するダニエルさんとネウスさん。

ダニエルさんは村田さんが所有する工具が少なく、その少ない工具数で作っているのに驚いておりました。そして最近、ダニエルさんは日本製であるニッピーの漉き機を購入しており、村田さんもニッピーの漉き機を使用。ニッピーの漉き機は欧州製と比べて小さく、余計なスペースを取らないのが良いと、ダニエルさんは話しておりました。

マンドールにて用件を終えた後は、松戸駅近くのお好み焼き屋さんで食事しました。お好み焼きは外国にない食べ物ですが、外国人のお三方にも好評だったので良かったです♪もっとも、ダニエルさんはこれまで仕事で大阪にも来ているため、お好み焼きやハイボールもご存知でした(笑)。ダニエルさんは日本は5回目、ネウスさんは初めてとの事でした。
もちろん靴談義もしまして、ビーディングの使用素材や、インソールの厚さとかも話題になり、靴オタクの僕としては、とても楽しく聞きました(笑)。
あと、ダニエルさんはボトムメイキングの際、スウェーデンの麻糸とともに(ダニエルさんもスウェーデン出身)、日本製である橋印の麻糸も強靭なため使っているそうです。以前にも書きましたが、橋印の麻糸はマンニーナやステファノ・ベーメルと言ったイタリアをはじめ、他の欧州のビスポーク・シュー・メイカーでも使用されており、改めて、橋印の麻糸が高評価である事が分かりました。そしてもちろん、村田さんも橋印の麻糸を使用しており、糸の撚りの太さによって、キング(メイカー名)の麻糸と使い分けしているそうです。

最後にお二人にお願いして、この写真を撮りました。これを撮影時、ネウスさんが大爆笑していて、日本だけでなく、海外でも通用するネタだと分かりました。村田さんもかなり笑っていました。シャイで物静かな村田さんが、あんなに笑ったのは初めて見たかもしれません。想像以上に笑いが取れて、嬉しかったです!♪
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