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If holding a shoe shine contest in Japan,,,,,,(もし、日本で靴磨きコンテストを開催するなら……)

CATEGORY靴・服飾


前回の記事でも書きましたが、Brift H(ブリフト・アッシュ)の長谷川裕也さんが、5月13日にロンドンで行われた靴磨きコンテスト、「World Championship in Shoe Shining(ワールドチャンピオンシップ・イン・シューシャイニング)」で優勝しております。
このイヴェントはポーランドのビスポーク社交クラブ、"BUT W BUTONIERCE(ブート・ウ・ブートニエルツェ)"代表のDamian Kot(ダミアン・コット)さんも、遠いワルシャワから来場、撮影しておりまして、その注目度の高さが伺えました。

上画像は、そのコンテストにて長谷川さんが磨いた靴。イヴェント主催者であるイェスペル・インゲヴァルソンさんのインスタグラムからの引用です。




そしてこれも前回書きましたが、4月20日にはモスクワにて、「Shoesing Awards(シューズィング・アウォーズ)」と銘打っての靴磨きコンテストが開かれておりました。これはロシア国内から7名が参加しております。
上画像は、そのシューズィング・アウォーズの優勝者であるДмитрий Сидоренко(ドミトリー・シドレンコ)さんと、その磨いた靴でして、イヴェント主催者の一人である、Shoesing(シューズィング)のインスタグラムからの引用です。このシューズィング・アウォーズも今回が初でして、来年も開催予定だそうです。

ドミトリー・シドレンコさんはロシアのサマーラにある、床屋兼靴磨き屋さんの、「BARBER OTTO(バーバー・オットー)」で働いている方のようです。このお店では、ビールやコーヒー、レモネードと言った飲み物も提供もしているみたいで、どんなお店なのか行ってみたくもありますね……。

ちなみに、モスクワのシューズィングにおける靴磨き料金は500ルーブル(約1,000円)~。靴のドライクリーニングもしており、価格は2,000ルーブル(約4,000円)~。

サマーラのバーバー・オットーでの靴磨き料金は、10分で仕上げる場合は250ルーブル(約500円)、クリーニングは500ルーブル(約1,000円)~、クリーニング+磨きで1,000ルーブル(約2,000円)~。もちろん両店とも、他にもコースがあります。

さて、他国でこれほど靴磨きが盛り上がっているのだから、イェスペルさんにも言われたように、日本でも靴磨きコンテストを行ったら良いよなあ~と思うわけですが、その際は公正なルールと審査体制が絶対不可欠。

ルールについては、靴クリームや磨くための布など、使う道具は全て同じにして、同条件で競うのが公平なのでしょうけど、磨き方にも人それぞれに流派があるから、それもそれで尊重したい……。

なので、同条件で磨くケースと、自己流で磨くケース、二通りに分けても良さそうです。もちろん、いずれの場合でも、磨く靴は全て同じ靴。

そして審査方法ですが、光沢だけでなく、保革についても審査して欲しいなあ~、と思います。と言いますか、僕個人としては、光沢よりも、いかにしっかり保革されているかの方に興味があります。光沢があれば、保革されていると言うわけではないし、いくら光沢があっても、革を傷めていたら褒められたものではありません。そして何より、靴磨きの第一目的は保革ですからね。

つまり審査対象は、「保革部門」とか「光沢部門」とかに分けるのも良さそう……それならば、保革状態を見るための器具や専門家が必要ですね。磨いて頂いた後の靴を履いてみて、屈曲部など、革に負担がかかったりしていないか顕微鏡で見たりとか。そして光沢を見るために、光沢計も用意した方が良いですね。
とは言え、科学的な審査だけでは面白みに欠けるかもだから、仕上がりの美しさ、つまり「芸術部門」とかがあっても良いかも。そして、それらの総合力を審査する、「総合部門」があれば良いかなと。

磨いて頂く靴も、同じ革と言うだけでなく、鞣された後にまだ仕上げが施されていない状態で磨いて頂くのが(市場に出回る靴は、鞣された後に各メイカーによる仕上げがされています)、より靴磨きの実力が分かりやすくて良いのかな?と考えたりもします。

そして審査員は、もちろん、誰か特定の参加者を贔屓する可能性のない人。

参加資格もプロの方に限らず、アマチュアの方に参加して頂いても良いと思います。プロの靴磨き屋さんだからと言って、必ずしも"正しい方法"でやっているとは限りませんし、インスタグラムなどのSNSを見ていると、アマチュアの方でも靴磨きにこだわり、一家言ある方は多いです。それに、アマチュアの方がプロに交じって健闘すれば、場も盛り上がると思うんですよね(笑)。

さらに言えば、カーフはもちろん、コードヴァン、リャマ、インパーラなど、素材別に審査しても面白そうです。

また、せっかくの機会ですから、会場内で靴磨き屋さんの方々に靴磨き講座とかをやって頂いても良いのかもしれません。あとは靴クリーム会社の方々も呼んで、靴磨き屋さんたちとのパネルディスカッションとか。来場者の方々との質疑応答時間とか。

日本で靴磨きコンテストが行われるならば、こう開催されれば良いなあ~、コンテストを通じて正しい靴磨きが分かって来て、それが世に広まれば良いなあ~、と勝手な夢想をしております……。



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