Jesper Ingevaldsson who is the great shoes blogger of the world from Sweden try-on MAIN D’OR bespoke shoes(スウェーデンの世界的著名靴ブロガー、イェスペル・インゲヴァルソンさん、マンドールのビスポーク・シューズを仮縫い)
CATEGORY靴・服飾

去年の秋に来日されて、マンドールのビスポーク・シューズをご注文されたイェスペル・インゲヴァルソンさんが、先週、再び来日。マンドールでの仮縫いも来日の理由の一つでして、5月27日に、僭越ながら僕も再び同行しました。
ただ、この日、僕は不覚にもカメラを忘れてしまいまして、今回の記事にある画像および動画は、全て僕のiPhone5sによる撮影です。画質がイマイチなのが、我ながら残念です……。
なお、以前にも書きましたが、イェスペルさんはスウェーデン在住で、著名靴Blog「Shoegazing(シューゲイズィング)」の主宰者。毎年ストックホルムにて、「Super Trunk Show(スーパー・トランクショー)」と銘打って世界各国から靴職人さん、靴メイカーさんを招いてトランクショーを行っており、今年5月13日には、ロンドンにて、英国の著名靴Blog「The Shoe Snob(ザ・シュースノッブ)」と「Super Trunk Show」を共催。1日で800名の来場者を集める成功を収めました。
そのロンドンの「Super Trunk Show」では、ヒロ・ヤナギマチワークショップさんと福田洋平さんが参加しており、さらにこのトランクショー内で行われた靴磨きコンテスト(ストックホルムのSuper Trunk Showでも、靴磨きコンテストが毎回行われている)、「World Championship in Shoe Shining(ワールドチャンピオンシップ・イン・シューシャイニング)」では、Brift H(ブリフト・アッシュ)の長谷川裕也さんが参加。見事、長谷川さんは優勝しております。

さて、こちらがマンドールのトライアルシューズです。なんと!アッパー革にはペリンガーを使用と、贅沢ですね。

アウトソールはイタリア製。

仮縫い用と言う事もあって、セメント製法です。

そして履いて頂いて……。

村田さん、フィットで気になる箇所をチェックしております。

さらに屋外で歩いて頂き、フィットの具合を確認しておりました。

気になる点を申告するイェスペルさん。とは言え、これまで履いた靴と比べてフィットの問題点が少なく、おおむね良好なのに驚き、そして笑顔を見せて喜んでおりました。あと、フィットだけでなく、アウトソール側面のディテイルなどについても、ご自身の要望を話しておりました。

そして村田さん、再び修正箇所を書き入れます。
仮縫いの様子のYouTube動画です。ご覧のとおり、村田さんはご指摘を受けて、靴だけでなくラストにも書き入れをしておりました。

店内に戻ると、村田さんは複数の角度から写真撮影を行い、フィットの状態を記録しておりました。

そして再び、ラストに書き入れておりました。

仮縫いは30分強で終了です。そして、上画像は仮縫い終了後のイェスペルさんのラストです。

やはりところどころに書き込みがされていますね。ちなみにマンドールでは仮縫いは二回ありまして、今回のチェックを基に再びセメント製法でトライアルシューズを作成。この二足目のトライアルシューズは、イェスペルさんに郵送で送られまして、メールのやり取りで不具合を確認。その後、本番の靴製作になります。

村田さんがご自身用に作った、ハンドソーン・ウェルテッド製法のビスポーク・シューズ。オーセンティックながらもどことも似てない、村田英治さんスタイルですね。そして6アイレットは、僕が個人的に好きなデザインでもあります(笑)。
黒の内羽根キャップトウと言った普遍的なスタイルは、ややもすれば地味でつまらない存在になる可能性もはらんでいますが、村田さんの場合は、その立体成型技術とトウラインやキャップの配置などのデザイン力、そして村田さんの魂のためでしょうか、圧倒する気品があるのはさすがです。

底付けも感嘆する素晴らしさです……。ちなみに、アッパーもソールも綺麗に磨かれておりますが、この磨き作業はアッパーで30分、ソールで30分、合計1時間ほどだそうで、僕が思っていたよりも速い作業時間にびっくりしました。

ピンボケしてしまいましたが……、アウトソール前面に入れた飾りゴテで、日本の物です。これはあくまでも飾りでして、滑り止めとかの機能的な意味はないそうです。

アウトソールのウエスト部を湾曲させつつも、スムースに底付けされているのが分かりますね。

そして、この素晴らしい出来栄えに、もちろんイェスペルさんも撮影です☆。

今回、イェスペルさんは撮影用にミニ三脚も持参しての来日でして、より美しく靴を撮影しようと言う、靴への愛が伝わって来ますね。

ちなみにこちらは、この日、村田さんが履いていた自作のビスポーク・シューズ。村田さんらしいトウラインで、やはり存在感ありますね。これはセメント製法でして、そのためソールも大分薄いです。
仮縫いを終えた後は秋葉原に向かい、僕はイェスペルさんをシューシャイン・ワルツにお連れしました。ご存知のとおり、シューシャイン・ワルツは固形ワックスを使わずにハイシャインする珍しい技法でして、これを是非イェスペルさんに見て頂きたかったのです。
そして、この靴磨きの様子が、その翌日に、早速イェスペルさんのBlogにて記事となりました!英語版とスウェーデン語版、両方とも!記事が公開となったのは、まだイェスペルさんは東京に滞在中です。イェスペルさんのこの仕事の早さとパワー!さすがっす!
上はイェスペルさんが撮影と公開をして下さった、シューシャイン・ワルツにて僕の靴が磨かれているYouTube動画です。磨いて下さった川口拓人さん、「君もWorld Championship in Shoe Shining(ワールドチャンピオンシップ・イン・シューシャイニング)に参加しなよ」とイェスペルさんから声をかけられていました(笑)。

シューシャイン・ワルツに後に向かったのが、大喜靴店です。長年続く日本の個人商店らしい趣、接客、雰囲気、そして北城店長さんたちのお人柄をイェスペルさんに見て頂きたかったのですね。

大喜靴店では欧州では見られない靴も多いので、イェスペルさん、ここでも靴を撮影です。

そして最後に、焼肉を食べに行きました☆。食事しながら、「日本でも靴磨きコンテストをやるべきだよ」とのお話を頂いたりもしました。確かに、日本ほど靴磨き屋さんがたくさんある国はなく、販売されている靴クリームがこれだけ多種多様に渡っている国も他にありません。コンテストを開催したら、面白そうなんですけどね~。
イェスペルさんが主催するスーパー・トランクショーだけでなく、モスクワでも、ビスポーク・テイラーのオストジェンカ・ビスポーク・アトリエと、靴・鞄修理と靴磨きのお店、Shoesing(シューズィング)が組んで、今年の4月20日に靴磨きコンテストが開催されているんですよね。そしてこちらも、来年も開催予定とか……。
靴磨き、高級靴、ビスポーク・シューズ、今、世界的に熱いです。
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