Sartoria Celentano and Sartoria MacArthur in Roma(ローマのサルトリア・チェレンターノとサルトリア・マッカーサー)
CATEGORY靴・服飾

【Sartoria Celentano(サルトリア・チェレンターノ)】
住所:Via Vallarsa, 13, 00141, Roma
価格:ビスポーク・スーツ、2,000ユーロ~。
仮縫い2回かそれ以上、1ヶ月半で完成。使用生地はほぼ英国製で、たまにイタリア製。英語不可。
【Sartoria MacArthur(サルトリア・マッカーサー)】
住所:Via Stesicoro 8, 00125, Roma
価格:ビスポーク・スーツ、1,600ユーロ~。
仮縫い1回、1ヶ月で完成。海外のお客さんの場合は3か月後に仮縫いし、さらに3か月後に完成。ただし、これらは参考程度でお願い致します。英語可。
冒頭画像右が、1942年生まれのGiovanni Celentano(ジョヴァンニ・チェレンターノ)さん。ナポリのVico Equense(ヴィーコ・エクエンセ)出身で、13歳から19歳までナポリのNicola Blasi(ニコラ・ブラージ)にて修行し、19歳から25歳まではローマのサルトリア、Paolo di Caro(パオロ・ディ・カーロ)で修行、そして1967年に独立開業されました。
左がお弟子さんのMiekka MacArthur(ミエカ・マッカーサー)さんで、僕が訪問時は26歳。ローマサルトリア界の重鎮、Luigi Gallo(ルイージ・ガッロ)氏に学んだ後、チェレンターノさんに師事し、現在は独立開業しております。
ミエカさんはアメリカのボストン出身で、なんと、かのダグラス・マッカーサー元帥の従弟筋の子孫!15歳頃には10カ月ほど、日本の佐野市に住んでいた事もあるそうです。そしてミエカさんは、もし日本に注文希望のお客さんが十分数いれば、今年(2017年)6月に来日したいそうです。

チェレンターノさんのサンプルスーツ。チェレンターノさんはナポリで修行したため、お店はローマにありながらもスーツはナポリ仕様です。そしてそれはミエカさんも同様でして、ただミエカさんの場合、細かいディテイルはチェレンターノさんとは変えているとの事。

ご覧のとおり、典型的なナポリスーツのディテイル、雨降り袖。

ダーツ取りもナポリのスーツと同様でして、もちろんミエカさんもこの方法を採用しております。

トラウザースのダブルの裾はボタン止め。

芯地についても、チェレンターノさんもミエカさんも、台芯にバス毛芯を重ねただけの二重仕様と、ナポリのスーツ同様に薄く軽く仕上げております。

そして、サルトリア・ピロッツィと同様に腕の付け根辺りにはあえてハ刺しを入れず、切込みを入れておりますね。さらに、ショルダーパッドも入れないそうです。
チェレンターノさんもミエカさんも、目に見える箇所だけ真似て"ナポリのスーツ"を称しているのではなく、作り込みまでナポリ同様なのがお分かり頂けると思います。

ただ、ナポリの多くのサルトリアと違い、チェレンターノさんもミエカさんもパターンは作るそうです。

チェレンターノさんの作業の様子です。トラウザースの直線縫い以外はほぼ手縫いで、縫製とボタンホールだけでなく、ボタン付にもシルク糸を使うのもナポリのサルトリアと同様です。

こちらもチェレンターノさんのサンプルスーツです。

そして、ミエカさんのサンプルスーツです。ナポリのスーツ同様のダーツ取りが分かりますね。ミエカさんのスーツは、真の古く伝統的ながら、よりモダンに、との事でした。

こちらもミエカさんのサンプルスーツです。

ミエカさんのサンプルスーツを斜めから。

チェレンターノさんの工房の様子です。

そして、接客スペースです。
※情報はいずれも、僕が訪問した2015年6月10日時点のものです。
17年2月26日19時50分、記事に追記を行いました。
- 関連記事
-
-
Meyer & Mortimer and Davies & Son in London(ロンドンのメイヤー&モーティマーとデイヴィス&サン) 2016/07/05
-
Sartoria Daddio and Sartoria Saturno in Napoli(ナポリのサルトリア・ダッディオとサルトリア・サトゥールノ) 2017/02/02
-
ニュートラルの靴クリーム 2013/01/03
-
ビスポーク・シュー・メイカーに陽が沈み、そして新たな陽が昇る 2010/07/14
-
Wien Bespoke Shoe Maker(ウィーンのビスポーク・シュー・メイカー) 2015/08/25
-
竹下英雄さんの採寸、キルガー,フレンチ&スタンバレーの採寸 2011/05/16
-