Stivaleria Mercurio in Roma(ローマのスティヴァレリア・メルクーリオ)
CATEGORY靴・服飾

【Stivaleria Mercurio(スティヴァレリア・メルクーリオ)】
住所:Viale Tor di Quinto, 119–00191 Roma
via G. L. Lagrange, 10 – 00197 Roma
5カ月で完成。仮縫い時はトライアルシューズを作成。
メルクーリオの工房は、ブーツ製作が最初の一歩だった、創業者のマルティーノ・メルクーリオ氏によって1932年に設立。乗馬するCarabinieri(カラビニエリ、イタリア国家憲兵隊)や、イタリア大統領警備隊のためのブーツを作り、その製造技術は息子であるアントニオさんとジュゼッペさんに受け継がれています。そして、この工房ではガット最後の職人で、イタリアや海外でも著名なガエターノ・ヴァストラ氏もアントニオ・メルクーリオさんとともに働いていました。
ローマには工房兼店舗とショールームの二店舗があり、記事はViale Tor di Quinto, 119–00191 Romaの工房の様子です。工房は国防警察の施設内にあるため要アポイントメントで、入る際はパスポートの提出も求められます。英語可。

二代目当主のAntonio Mercurio(アントニオ・メルクーリオ)さんと、マネジメントを務める娘さんのMartina(マルティーナ)さん。

初代であるMartino(マルティーノ)さんの写真です。

そして、30歳頃のアントニオさんの写真です。アントニオさんが初めて靴を作ったのは14歳の時だとか。

現在のアントニオさんの作業の様子です。

アントニオさんの弟さんで、製甲担当のGiuseppe(ジュゼッペ)さん。

さらにもうお一人、製甲担当の職人さんがいらっしゃいました。

長年、工房で働いていおり、アントニオさんの下で成長したと言う職人さんです。

そしてこちらは、ルーマニア出身の職人さんです。

こちらのお二人もルーマニア出身の職人さんで、ウィーンのマフテイさんやバーリントさん、ハンガリーのコヴァーチさんもルーマニア出身ですし、ルーマニアの靴職人さんは海外での活躍も目立ちますね。

ラストは全て木製を使用です。

アッパー革はデュプイなどのフレンチカーフが主で、中にはヴィンテージ素材もあるとの事。底材はロッカを使用です。

そして、ホーウィンコードヴァンもあります。

仮縫い用のトライアルシューズ。トライアルシューズはセメント製法で作るメイカーも多いですが、メルクーリオはマッケイ製法でして、芯も入っております。

ご覧のとおり、トライアルシューズには仮縫いでチェックした箇所が書かれています。

さすがにブーツが得意のメイカーだけあって、工房併設のショールームはブーツのサンプルが多いです。ただ、ブーツ専業と言うわけではなく、短靴も作っております。


足の甲、足首、そしてふくらはぎと続く流麗なラインはロングブーツならではですね。

メルクーリオのハウススタイルと言う、4つのトウライン。スクエア、ラウンド、ラウンドスクエアとありますが、いずれもショートノーズでトウに幅があるのが特徴ですね。

「トニ(ガエターノ・ヴァストラ氏の愛称)に教えてもらったスタイルだ」
アントニオさんがそう話すこのローファーは、飾らない落ち着いたデザインで、まさにガットの雰囲気が漂います!

こちらのサンプルシューズも、旧き良き時代のイタリアンビスポーク・シューズらしいデザインですね。ただ、僕が伺った当時、アントニオさんの息子さんであるLorenzo(ロレンツォ)さん(当時17歳)が靴学校にて靴デザインを学んでおり、そのロレンツォさんがメルクーリオに入った際は、若者向けのモダンスタイルも展開していく予定と話しておりました。

スロートラインに飾りキルトを付けた、変則的なデザインもありました。

ベルトもあり、バックルはブラスで、ゴールドかシルヴァーでメッキしております。中にはヴィンテージのバックルもあるそうです。

さらに、メルクリーオ独自のレシピで作られている、オリジナル靴クリームもあります。
※情報はいずれも、僕が訪問した2015年6月9日時点のものです。
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