山下大輔 Weblog Version

… 山下大輔 web versionのサイト更新報告 山下大輔の日記 …
2017年06月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年08月
TOP靴・服飾 ≫ Mario Bemer in Firenze(フィレンツェのマリオ・ベーメル)

Mario Bemer in Firenze(フィレンツェのマリオ・ベーメル)

マリオ・ベーメルの店内

【Mario Bemer(マリオ・ベーメル)】
住所:Via Maggio, 68 50125 Firenze
価格:ビスポーク・シューズ、2,650ユーロ~。初回注文時のみ、ラスト代350ユーロ増。
既製靴は760~820ユーロ。MTOもあり、既製靴と同価格です。

ビスポーク・シューズは4カ月で完成。仮縫い時はトライアルシューズを作成。MTOは45-60日で完成。MTOでのハンドペイントの料金は無料。英語可。


マリオ・ベーメルさん

代表のMario Bemer(マリオ・ベーメル)さんはステファノ・ベーメル氏のお兄様。ステファノ氏がご逝去されるまで、14年間ともにお仕事をされており、そのステファノ氏のフィロソフィーを受け継ぐべく、14年5月10日にオープンしたお店です。マリオさんは靴作りにおいて、クリッキングとハンドペイントを担当しております。

ちなみにマリオさん、靴ビジネスに携わる前は車のレストア業を行っており、やはり物作りが好きな方だそうです。


マリオ・ベーメルのサンプル

既製靴及びMTOのサンプルで、いずれも出し縫いだけマシンのハンドソーン・ウェルテッド製法。いわゆる、九分仕立てですね。60代半ば~70歳ほどの老職人さん二人だけの工房で作られており、仕上げが綺麗なのはもちろん、小さい工房なだけに、細かい注文にも融通が利くのが良いとの事です。

MTOはラストがラウンドかスクエアの2タイプあり、いずれかを選択。フィッティングについても、多少のラスト調整は可能だそうです。もちろん、革やミシンスティッチの色も選択可能です。
マリオさんは長年ステファノ氏とともにお仕事をされていただけあって、素材調達や工場選択などにかなりコネクションがあり、既製とMTOの材料や工房は、全てトスカーナ製にこだわっているとの事。


マリオ・ベーメルのアウトソール

マリオ・ベーメルオリジナルのアウトソール。ラバーを埋め込んで、レザーソールながらグリップ力を持たせた仕様です。


マリオ・ベーメルのアウトソール裏

アウトソールの裏側では、黄矢印のように、ラバーが外れないように窪みにはめ込まれているのが分かりますね。



マリオ・ベーメルのイントレチャートコンビシューズ

イントレチャートによるコンビシューズ。このイントレチャートは手作業で編み込んでいるそうです。


マリオ・ベーメルのイントレチャート

そして、イントレチャートは編目が異なるタイプを複数揃えており、目が粗ければカジュアル感も増し、表情の違いが楽しめますね。イントレチャートをMTOで使用した場合、価格は70-80ユーロ増。


マリオ・ベーメルのサンプル

左と中央の靴はコーデュロイのような素材を用いており、縦のラインが他にはない表情ですね。


マリオ・ベーメルのサンプルスリップォン

これらも全て、既製靴とMTOのサンプルで、ハンドペイントも、もちろんマリオさんが行っております。


マリオ・ベーメルのサンプル

カラーヴァリエイションが豊富なのも、かつてのステファノ・ベーメルらしいです。


マリオ・ベーメルのディスプレイ



マリオ・ベーメルの工房

ビスポーク・シューズの製作が行われている、店舗奥の工房。ビスポーク責任者は元ステファノ・ベーメルの宮川靖二(Seiji Miyagawa)さんで、あともうお一人、アシスタントの職人さんで、エスペランサ靴学院出身の玉岡沙希子(Sakiko Tamaoka)さんがおります。


マリオ・ベーメルの工房

宮川さんの製作ベンチ。ご本人の写真は不可でした(笑)。僕が訪問時、宮川さんは43歳。エスペランサ靴学院出身で、かつては同校の講師も務めており、マンドールの村田英治さんとも親しい間柄。そして、ステファノ・ベーメル氏が東京出店にあたり、エスペランサ靴学院の職人さんを一人、自分の工房に連れて行きたい意向があり、ステファノ氏は職人さんたちと面接。その結果、採用となったのが宮川さんだそうです。宮川さんは02年10月よりステファノ・ベーメルに加入し、その後、一時はバルセロナにてノルマン・ヴィラルタさんともお仕事をされていたそうです。


マリオ・ベーメルのインソール作成方法

ビスポークは全て木製ラストを使用。そして、マリオ・ベーメルのインソールのくせ付け方法は、ラストとインソールを貼り合わせてゴムチューブで巻き上げる方法です。これは宮川さんが日本時代から行っており、ステファノ・ベーメル時代、その仕事を見たかつての同社の技術部長、ステファン・ジムネズさんはそれを採り入れ、ノルマン・ヴィラルタさんは、これをアレンジして包帯で巻き上げる方法を採っております。もちろん、現在のステファノ・ベーメルもこの方法を採用しており、宮川さんの影響力が分かりますね。


マリオ・ベーメルのビスポーク・シューズ

宮川さん製のビスポーク・シューズ。この一足を見る限りでは、日本人らしい真面目な雰囲気、そして中庸の美を感じますね。ビスポークの底材はレンデンバッハかガラ&フィスを使用。シャンクは天然素材にこだわりたい意向と、レザーだとアーチが落ちてくるため、木製を使用。フィラーは薄く仕上げる事が可能のため、レザーを使用です。昔のステファノ・ベーメルも、フィラーはレザーですね(現在はコルク)。


マリオ・ベーメルの店舗

店舗の外観です。



※情報はいずれも、僕が訪問した2015年5月31日時点のものです。
※17年1月4日18時45分、記事を一部修正しました。
※17年1月5日12時05分、記事を一部修正しました。

Comment













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL