Longhitano Alfio and Turi in Milano(ミラノのロンギッターノ・アルフィオとトゥーリ)
CATEGORY靴・服飾

【Longhitano Alfio(ロンギッターノ・アルフィオ)】
住所:Via Antonio Tantardini, 8, 20136 Milano
価格:ビスポーク・シューズ、1,300ユーロ~。コードヴァンの場合は2,000ユーロ~。
4週間で完成。コードヴァンはホーウィンを使用です。英語不可。

僕が伺った当時は60歳、店主のLonghitano Alfio(ロンギッターノ・アルフィオ)さん。

サンプルシューズの棚で、ご覧のとおりレディースも手がけており、僕が伺った際も、女性客が来店してフィッティングチェックを行っておりました。

サンプルシューズの一つで、ショートノーズでラウンドスクエアなトウラインは、クラシックなイタリアのビスポーク・シューメイカーでよく見られます。

側面からだと、ベヴェルト・ウェイストで作られているのが分かりますね。そして、白矢印で示したように、シームをヒール脇に持って行くのは、イタリアらしいパターンどりです(他国はヒール中央にシームが入る)。


これらのビスポーク・サンプルも、フォルム、トウラインともにイタリアのクラシックな雰囲気が漂います。

ロンギッターノさんの作業机。僕がイタリア語を話せないので、あまりお話しできませんでしたが、工房内に製甲ミシンはないものの、他の工具類やラストは揃っていたので、おそらく製甲以外はロンギッターノさんご自身で行えるのだと思います。なお、全て木製ラストを使用です。

店舗の外観です。

【Turi(トゥーリ)】
住所:Via Cerva 19, 20122 Milano
靴修理店ながら、シューケッアグッズも非常に充実しており、他店ではあまり見られない靴クリームもあって、シューケア大好きな靴マニアさんならきっと楽しめます。英語可。

例えば、このMovi(モヴィ)と言う靴クリーム、僕は日本はおろか、ヨーロッパでもこのお店でしか見た事がありません(ヨーロッパなら、どこかでは売られているのでしょうけど)。イタリアのジェノヴァにある会社で、Made in EU表記でした。価格は3ユーロ。

英国のライサムにある、Carr&Day&Martin(カー&デイ&マーティン)の靴クリームも、僕は初めて見ました(これもヨーロッパなら、どこかでは売られているのでしょうけど)。会社のウェブサイトによると、1765年創業の英国で最も古い馬のケア製品会社だそうで、英国王室御用達のマークもありますね。

カー&デイ&マーティンの靴クリームは、Made in the ECとありました。と言う事は、EUになる以前、つまり93年以前の品と言う事でしょうか?現在、ウェブサイトを見る限りだとカー&デイ&マーティンは靴クリームを作ってないようなので(保革油類は作っていますね)、貴重品なのかもしれません。

これもPunch(パンチ)と言う聞いた事がないメイカーですが、1851年創業と大分歴史がありますね。

ラベルを見るとアイルランド製で、なおかつノーサンプトンの住所が併記されております。しかし、パンチのウェブサイトを見ると、会社はダブリン、つまりアイルランドとなっているんですよね。ノーサンプトンの住所は販売代理店の住所でしょうか?もっとも、このサイトに書かれているパンチのウェブサイトはなくなっており、このサイトには2011年5月6日に会社は閉じたとも書かれておりますので、昔と現在で、会社体制が変わっているのかもしれません。

イタリア製靴クリームのPrestige(プレスティージ)は、日本でも5年くらい前までは「靴専科」で販売されていたのですが、それ以降は日本では見かけずじまい。そして、「靴専科」で扱われていたのは右デザインでして、左の新しいデザインは、僕はこのお店で初めて見ました。このプレスティージ、旧デザインと新デザインではクリームの香りも違うので、おそらくレシピも変わっています。僕がトゥーリに伺った当時、このプレスティージは新旧両方売られておりまして、価格はともに3ユーロでした。

こちらの靴クリーム、EcoEvergreen(エコエヴァーグリーン)は9ユーロと、他と比べて少し高めの価格です。製品の説明文によると、蜜蝋と柑橘系成分による天然素材のみで構成されており、しかも手作りと、何だか特別感ありそうなので、価格も高いのかもしれません。

ワックスも、コロニル以外は聞かないメイカーが揃っておりますね。しかも価格は全て2ユーロと、リーズナブルです。
なお、靴クリーム以外にも、シュー・トゥリー、靴紐、靴ベラ、ステッキ、ベルト、サンダルなども販売されています。

店主さんの叔父様は靴職人で、ミラノのガレリア内にお店があったそうです。上はその叔父様作の靴で、全周ベヴェルド・ウェイストと手間をかけた作りですね。シェイプも細身で、昨今のフレンチシューズの雰囲気があります。

店舗の外観です。
※情報はいずれも、僕が訪問した2015年5月20・22日時点のものです。
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