Carmen and LORAN in Torino(トリノのカルメンとローラン)
CATEGORY靴・服飾

【Carmen(カルメン)】
住所:Via Conte Gianbattista Bogino 15, 10123 Torino
価格:ビスポーク・シャツ、160ユーロ~。
ビスポーク・シャツ、仮縫い1回以上、1ヶ月で完成。シャツだけでなく、ガウン、パジャマ、トランクスなども作っております。トランクショーにおいては、最低3着要注文。英語可。

右のSavino Carmela(サヴィーノ・カルメーラ)さんは13歳(14歳で迎える年の、誕生日が来てなかったため13歳)から修行を開始し、トリノにあったシャツ店のBongiovanni(ボンジョヴァンニ)、Sorelle Mezzo(ソレーレ・メッツォ)、Cardinal(カルディーナル)、Sacco(サッコー)で勤務後、75年に独立されました。なお、いずれのシャツ店も、現在はないそうです。左の娘さんであるRoberta(ロベールタ)さんもシャツ職人です。


店舗奥にある工房にて、シャツなどの製作がされています。

サンプルのシャツです。「スリムなのがイタリアンスタイル、でも、どんなスタイルでもできるよ」とのご説明でした。縫製にはコットン糸、ボタンはオーストラリア産マザー・オブ・パールを使用。そして、接着芯は使用しないとの事でした。

袖と身頃を別々に作った後に取り付けるため、身頃の脇縫いと袖の縫い目が一直線ではなく、別々になる、いわゆる、"袖の後付け"です。立体感を出しやすくなる、イタリアのハンドメイドシャツでよく見られる仕様で、もちろんカルメンのシャツもこの仕様です。

縫製自体は主にミシン縫いですが、ボタンホールとボタン付、そして上画像の黄点線で囲った、剣ボロの閂止めなど、一部は手縫いです。

仮縫い用のシャツは、生地にキャンヴァスによるモスリン(薄手の平織り生地)を使用。

そして、パターンは一般的な紙ではなく、仮縫いで用いるのと同じ、モスリンで作るそうです。モスリンの方がお客の体型と近いパターンが作れるから、と言うご説明でして、シャツ作りのこだわりが伝わって来ます。ただ、襟型については紙で作るそうです。

赤矢印のボタンを外すだけで腕時計が見られるようになっている、ユニークな仕様のカフ。

ボタンで着脱可能な襟。別デザインの襟と交換して、楽しめるわけですね。

カラーサンプルをこれだけ多く揃えているのは珍しいです!

生地はトーマス・メイソン、カンクリーニ、テスタと言ったイタリア製が主ながら、スイスのアルモもあります。上画像は、テスタの高級ラインであるロメンティーノ。

店内の様子です。

店舗の外観です。

【LORAN(ローラン)】
住所:Via Bligny 5/A - 10122 Torino
Via San Francesco da Paola 33 - 10123 Torino
価格:ビスポーク・シャツ、100ユーロ~。カルロ・リーヴァ使用の場合は、380ユーロ~。ビスポーク・パジャマ、150ユーロ~。ビスポーク・ネクタイ、70ユーロ~。ビスポーク・トランクス、32ユーロ~。
ビスポーク・シャツ、仮縫い1回、2週間で完成。ビスポーク・パジャマ、2週間で完成。ビスポーク・トランクス、1週間で完成。英語可。
お店はトリノ内に2軒あり、掲載しているのは工房があるVia Bligny 5/A - 10122 Torinoになります。

中央が15歳から20歳までナポリでシャツ作りを学び、80年に独立された、Nicoletta Marotta(ニコレッタ・マロッタ)さん。左の旦那さんであるRosario Gervasio(ロザリオ・ジェルヴァーズィオ)さんは、ビスポーク・ネクタイ製作やシャツ製作のお手伝いを担当。そして右の息子さんであるAndrea Gervasio(アンドレア・ジェルヴァーズィオ)さんは、マネジメントやマーケティングを担当しております。

ニコレッタさんが、ピエモンテ州における繊維・衣料部門の優秀職人と認められた証書です。これはカルメンのカルメーラさんも授与されています。

工房の様子です。シャツ、パジャマ、トランクスの製作はお母様のニコレッタさんが担当。

そしてもう一人、女性職人さんがおられます。

ロザリオさんの作業の様子です。

ビスポーク・シャツのサンプル。縫製はコットン糸、ボタンは全てマザー・オブ・パールです。


こちらはパジャマのサンプルです。

そして、ビスポークのトランクスです。

トランクスの股の部分は可動域が大きいため、立体感を持たせるべく、7枚もの生地を接いで構成されます。安物では3枚か4枚が普通なので、手間をかけて作られてるのが分かりますね。

ビスポークのネクタイ。

シャツ生地はイタリア製。ネクタイ生地はコモ産のシルクで、カルロ・リーヴァでネクタイのビスポークも可能だそうです。他にも、ポロシャツ、ガウン、ハンカチなどの製作も行っております。

ローランはトーマス・メイソンのアンバサダー、つまり公式販売店でもあります。

店内の様子です。


店舗の外観です。
※情報はいずれも、僕が訪問した2015年5月14・15日時点のものです。
※16年12月3日19時20分、カルメンの記事に一部修正・追記しました。
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