【MATRIX(マトリックス)】住所:St. Johanns-Vorstadt 38, 4056 Basel
95年に開業したハンドメイドスカーフのお店で、上記住所とは別にある、バーゼルの工房でスクリーンプリントを手作業で行っております。英語可。

左がオーナー兼デザイナーで、15年のバーゼル文化賞をはじめ、これまで数々の賞を受賞し続けているFabia Zindel(ファビア・ツィンデル)さん。右のスタッフであるChristine Müller(クリスティーネ・ミュラー)さんが言うには、ファビアさんは天才との事。


ディスプレイされているスカーフの一部。どれも独創性あふれるパターンとカラーリングで、それを破綻なくまとめ、しかも量産するファビアさん、さすがのデザインセンスです。
マトリックスのプリントは全て手作業で行われ、手作業だからこそ、独創的で複雑な柄もプリントでき、小ロットでの生産も可能、そして裏にまでしっかり色が入り、色合いも深くなるとの事。
染めるインクには、環境に配慮して海藻ベースの水溶性を用い、染色には一枚当たり12-30回も行われる手間がかかっております。さらに、インクを定着させた後の洗浄工程も、添加物なしの水のみで、手作業で行われます。
スカーフの素材はイタリア製か英国製のシルク、オーストリア製ウール、トルコかエジプト原糸を用いたスイス製オーガニックコットンと、天然素材のみを使用しております。スイスコットンは、上質で有名ですよね。
どれも肌触り良く、美しい出来栄えを目指した、こだわりが詰まっております!

スカーフの際の部分は手縫いで、これも柔らかい仕上がりに一役買っていますね。

マトリックスのもう一つの主力商品である、プリントした生地を内部に挟み込んだトレイ。

トレイにはいくつかサイズがあります。

そしてご覧のとおり、ノートも作っており、これももちろん、手作業によるプリントです。

さらにコースターもあります。

店内の様子です。

店舗の外観です。
【Elegance(エレガンス)】住所:St. Johanns-Vorstadt 66, 4056 Basel
価格:ビスポーク・スーツ、4,000スイスフラン~+生地代。
仮縫い2・3回、2カ月で完成。修理メインのお店ですが、ビスポーク・スーツも受け付けており、メンズとレディース、両方作っております。英語は少し可能です。
店主でイラン出身のAmin Hussein(アミン・フセイン)さんは、僕が訪問時は49歳。13歳からテイラーだった叔父様の下で修行を始め、スイスのテイラーで働いた後に、08年に独立開業したとの事。スイスには17年在住しているそうです。そして、ともに働く奥様もテイラーです。
「イランには良いテイラーや靴職人がたくさんいるし、人々もとても優しい。そう言う(ビスポークの靴服店を巡る)旅をしているのなら、是非、次回は(イランに)行ってごらん」
アミンさんがそうお話して下さいました。

作成途中のレディースのジャケット。ビスポーク・スーツ一着作成するのに60時間かかるそうです。他のヨーロッパのビスポーク・テイラーでも大体そのくらいか、それ以下の作成時間なので、単純に作成時間=作成にかける手間と考えるならば、アミンさんもしっかり手間をかけて作っていると言えますね。

使用する生地は英国製がほとんどで、さらにドーメルのトニック(もちろん昔の)やゼスト、スミス・ウールン、バークレイ、ウェイン・シールなど、上質のヴィンテージ生地も揃っていて驚きました。これらのヴィンテージ生地は、長年バーゼルで営業しつつ、廃業してしまったテイラーさんから譲って頂いたとの事です。

実際に使用してなく、ディスプレイしているのみなのですが、面白かったのが、130‐150年ぐらい前に使っていた言う、スイス製のアイロンを熱する器具。


器具の上部はこのように取り外せ、ここに燃料を投じます。

そして、周囲に複数のアイロンを設置して、熱するわけですね。また、アイロンのみならず、食事を温めるのにも使われていたそうです。
※情報はいずれも、僕が訪問した2015年5月5・6日時点のものです。※16年10月17日11時50分、マトリックスの記事に一部追記しました。
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