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Wesley and Ayres Bespoke Tailor in Lisboa(リスボンのウェズリーとアイリス・ビスポークテイラー)

CATEGORY靴・服飾
ウェズリーの工房

【Wesley(ウェズリー)】
住所:Praça Duque de Saldanha 11, 1000-117 Lisboa
価格:ビスポーク・スーツ、2,500ユーロほど。MTMスーツ、550ユーロ~。MTMシャツ、110ユーロ~。

ビスポーク・スーツは仮縫い2回、1ヶ月~1ヶ月半で完成。MTMスーツとシャツは4週間で完成。1919年創業の老舗ビスポーク・テイラーです。英語可。


ウェズリーのパルマ・フェルナンデスさん

僕が訪問時は66歳で、工房長を務めるPalma Fernandes(パルマ・フェルナンデス)さん。10歳からテイラーだったお父様の下で修行を始め、23歳以降は5つのテイラーを渡り歩き、96‐99年にはアンゴラにてテイラーリングを指導。そして03年から、このウェズリーにて勤務しているそうです。


ウェズリーのルイス・ディアスさん

英語で通訳して下さった、86年生でカスタマー・マネージャーのLuis Dias(ルイス・ディアス)さん。


ウェズリーのビスポークサンプル

ビスポーク・スーツのサンプルです。このモデルはゴージやウエストのシェイプ位置を高めに設定し、スタイル良く見せるようにしたとのお話でした。袖のライン、綺麗ですね!


ウェズリーのビスポークサンプル

こちらもビスポーク・スーツのサンプル。クラシックな中にも、現代的にアレンジしていくのがハウススタイルとの事でして、飾られているスーツは、どれも奇をてらわない、普遍的なデザインでした。


ウェズリーのカッティングルーム

店舗のすぐ近くに工房があります。パターンメイキングについては、ポルトガルにAcademia Maguidal(アカデミア・マギダル)と言うテイラーリングの学校があり、その学校でのシステムで作るとのお話でした。そしてパルマさんも、そのアカデミア・マギダルで学んだそうです。

ウェズリーの工房

縫製作業が行われている部屋です。


ウェズリーの工房

こちらの職人さんも、アカデミア・マギダルでテイラーリングを学んだそうです。


ウェズリーの工房

僕が伺った際は、パルマさんを含めて4名の職人さんが作業をされていました。工房ではビスポークスーツのみを製作しており、MTMは別工場製です。


ウェズリーの工房

ボタンホールとボタン付けはシルク糸を使用です。


ウェズリーの芯地

芯地はもちろん自作で、リーズナブルかつクォリティが良いと言う理由で、イタリア製を使用しております。


ウェズリーの袖付

手縫いによる袖付けです。襟付も手縫いでした。


ウェズリーの店内

こちらは店舗の様子です。


ウェズリーの店内


ウェズリーの店内

既製服の多くはポルトガル製のウェズリーオリジナルです。ただ、セーターはウィリアム・ロッキー、ポケットチーフはドレイクス、靴下はブリッシアーニと、他ブランドの取り扱いもあります。


ウェズリーのC&J

靴はクロケット&ジョーンズを取り扱っております。


ウェズリーの店舗

店舗の外観です。




アイリス・ゴンサーロのカット中

【Ayres Bespoke Tailor(アイリス・ビスポークテイラー)】
住所:Rua Rodrigues Sampaio, nº 19 - 2º C, 1150 - 278 Lisboa
価格:ビスポーク・スーツ、2,000ユーロ~。ビスポーク・コート、2,000ユーロ~。ビスポーク・ジャケット、1,500ユーロ~。ビスポーク・シャツ、150ユーロ~。パターン・オーダーシューズ、350ユーロ~。

ビスポーク・スーツは仮縫い2回、3-6週間で完成。ビスポーク・シャツとパターン・オーダーシューズは3週間で完成。本店及び工房はポルトにあり、リスボンにはショールーム兼接客スペースがございます。英語可。

ポルトの住所は、Praça Dna Filipa de Lencastre, Nº 22 - Atelier 99. 4050-259 Portoです。


アイリス・ゴンサーロさん

創業者兼職人で、81年生まれのAires Gonçalo Silva Ferreira(アイリス・ゴンサーロ・シルヴァ・フェレイラ)さん。ご祖父様のAyres Carneiro da Silva(アイリス・カルニーロ・ダ・シルヴァ)さんはミラノでテイラーリングを学び、ポルトで独立開業されているポルトガルの著名テイラーで、お母様もテイラーだったそうです。
アイリス・ゴンサーロさんご自身はご祖父様の下でテイラー修行を開始し、04年からはマドリードのテイラー、Pedro Muñoz(ペドロ・ムニョス)で修行。そして06年~10年にはギーヴス&ホークスにてコートメイカーとして修行し、もちろんキャサリン・サージェントさんの事もご存知でした。その修行中の09年には、若手テイラーのコンペティションである、ゴールデンシアーズの優勝者を決める最終選考まで残ったそうです。さらに10年からはニューヨークのマイケル・アンドリュースと香港のテイラーで勤務後、11年に独立されました。


アイリス・ゴンサーロのギーヴス&ホークス勤務証明書

アイリス・ゴンサーロさんのギーヴス&ホークスでの勤務証明書。


アイリス・ゴンサーロの店内

広々とした、リスボンのビルの一室にある接客スペース。アイリスさんは普段はポルトにおり、リスボンには週に1・2回来て注文を採っております。


アイリス・ゴンサーロの作成途中のスーツ

ビスポークスーツの作成途中のサンプル。ボタンホールとボタン付けはシルク糸です。


アイリス・ゴンサーロの作成途中のスーツのラペル

通常は入らない、ラペル裏にダーツが入っておりました(黄点線部分)。胸にヴォリュームを出すための工夫との事です。


アイリス・ゴンサーロのビスポーク・サンプル

こちらもビスポークのサンプルで、いずれもポルトの自社工房で作られております。


アイリス・ゴンサーロの高級生地

スキャパルのサミット、ラピズラズリ、ダイヤモンド・チップ、そして97%ヴィキューナ+3%シルクと言った、超高級生地の取り扱いもございました。


アイリス・ゴンサーロのMTMシャツ

ビスポーク・シャツもポルトの自社工房製です。


アイリス・ゴンサーロのパターン

リスボンに工房はありませんが、カッティングスペースはあり、パターンを引く様子を見せて下さいました。ご祖父様がミラノで学んだ影響で、イタリアのスタイルをベースに、英国スタイルの作りをミックスさせたのがハウススタイルとのお話でした。


アイリス・ゴンサーロのMTMシューズ

パターン・オーダーシューズのサンプルです。グッドイヤー・ウェルテッド製法で、ポルトより北にある町で作っているそうです。


アイリス・ゴンサーロのMTMシューズのサンプルレザー

パターン・オーダーシューズの革サンプルです。



※情報はいずれも、僕が訪問した2015年4月20・22日時点のものです。
※16年9月15日6時45分、アイリスさんの記事に誤りがあったので、一部修正しました。
※16年9月15日19時55分、ウェズリーの記事にMTMスーツとシャツの価格などの情報を追加しました。
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