Connock & Lockie and C.Antoniou in London(ロンドンのコノック&ロッキーとC.アントニウ)
CATEGORY靴・服飾

【Connock & Lockie(コノック&ロッキー)】
住所:84a Lamb’s Conduit Street, London
価格:ビスポーク・スーツ、VAT込で2,350£~。ただし、通常は2,500£~との事。
仮縫い2回、14週間で完成。1902年創業の老舗ビスポーク・テイラーで、現在のオーナー兼カッターは日本人の長島悠介(Yusuke Nagashima)さんです!

長島悠介さんは80年生まれのケンブリッジ出身。もっとも、ご両親とも日本人のため、2歳半から17歳までは日本で育ったそうです。そして、ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミーにて2年ほど学んで中退後、自らの手で服作りをしたいという思いから、23歳からこのコノック&ロッキーにて勤務。その当時、お店では店主さんと、先代であるそのお父様、そしてもうお一人、日本人職人さんが働いており、それもあって生地卸会社の方がこのお店を勧めてくれたそうです。
08年に店主さんが急逝されて、そのお父様が再び店主に。長島さんは09年にいったんお店を辞め、既製服ブランドの生産管理のお仕事をされていたそうです。しかし、既製服がクォリティと比して高額なのに失望して、10年に再びコノック&ロッキーに入社。そして翌11年に、ビスポーク・テイラーを一生の仕事とする事を決意し、同店の店主となったそうです。長島さんが店主となった後も、先代の店主さんは引き続きお店で働いていたそうですが、13年6月に74歳でご逝去され、現在は長島さんが同店のスーツ、全てのパターンを作っております。

長島さんがジャケットを脱いだお姿。白シャツと良く馴染むピンクのブレーシズに、ペールトーンならでは甘い雰囲気を紺のニットタイで引き締める、そのカラーリングと言い、サーベルを模ったタイピンと言い、非常にお洒落です!

長島さんがご着用されていた、ハイバックのトラウザースもクラシックで素敵でした。

納品待ちのスーツ。先代はかつてハンツマンでカッターを務めており、60年代の終わりにコノック&ロッキーに移籍されたそうです。そのため、当時のハンツマンのスタイルであった、1つボタンでゆったりとしたシルエットがこのお店のハウススタイルでもあったそうですが、長島さんは独自色を出して行きたいお考えのため、タイトシルエットも作っていくとの事。パターン作成も、先代は細腹を付けたがらなかったそうですが、長島さんは付けるそうです。細腹があると、タイトなシルエットを作りやすいためと思われます。
縫製はキャリア30年以上のアウトワーカーさんが行っているものの、長島さんご自身で縫う事もあり、その場合は手縫いの箇所が増えるそうです。
そして今後は、手縫いの割合が異なるラインを作ったり、さらにレディースも作りたいと、新しい事にどんどんチャレンジして行きたいとの事でした。
ちなみに僕が伺った際、先代からのリピーターさんが来訪し、長島さんが手がけたスーツの完成品を受け取って行ったのですが、その試着時、「Very good!」、「Best winter suit」と言って、その出来を気に入っておられました♪

こちらは店頭に飾られていたサンプルです。

モーリス・セドウェルで週に二日通いつつ、アシスタントを務める、Lotus Maple-Fey(ロータス・メイプル・フェイ)さんの作業中。

手縫いはシルク糸で、ミシンはシルク糸とコットン糸の併用。ボタンホールはシルク糸、ボタン付はポリエステルかリネン糸を使用です。もちろん、芯地は自作しております。

店内の様子です。

使用する生地はほとんどが英国製で、あとはわずかにイタリア製。もちろん老舗だけあって、ヴィンテージ生地もございます。

店舗の外観です。

僕が訪問時は店舗改装のため一時移転中でして、上画像が本来の店舗です。

【C.Antoniou(C.アントニウ)】
住所:248 Gray’s Inn Road, London
価格:ビスポーク・スーツ、1,100£~。
仮縫い2回、4週間で完成。英国製生地のみ使用。お直しも受け付けております。

店主さんはかつて、JB Johnstone(JBジョンストン)と言うビスポーク・テイラーにて働いていたそうです。

店頭に飾られていたサンプルです。

※情報はいずれも、僕が訪問した2015年4月3・4日時点のものです。
- 関連記事
-
-
J.M.Blasi, Baseiria, Iriarte Iriarte in Barcelona(バルセロナのJ.M.ブラシ、バセイリア、イリアルテ・イリアルテ) 2016/09/28
-
Thomas Mahon(トーマス・マホン)さんと日本製品 2015/03/16
-
Milimetric in İstanbul(イスタンブールのミルメトリシ) 2016/01/20
-
Ryota Hayafuji in München and Theo Hassett in Melbourne(ミュンヘンの早藤良太とメルボルンのテオ・ハセット) 2017/05/30
-
Emelie Stenlund of Skomakeri Framåt that Swedish Royal Warrant Bespoke Shoemaker and Konomi Egawa of Hiro Yanagimachi workshop visited Shoes Repair Gato(スウェーデン王室御用達ビスポーク・シューメイカー、スコマケリ・フラモットのエミリー・ステーンルンドさんとヒロ・ヤナギマチワークショップの江川このみさんが靴修理店Gatoを訪問) 2018/11/20
-
無印良品の下着と秀逸靴下 2008/03/06
-