Dege & Skinner and Welsh & Jefferies in London(ロンドンのディーゲ&スキナーとウェルシュ&ジェフリーズ)
CATEGORY靴・服飾

【Dege & Skinner(ディーゲ&スキナー)】
住所:10 Savile Row, London
価格:ビスポーク・スーツ、VAT抜価格で3,200£~、VAT込価格で3,900£~。3ピースの場合はVAT抜価格で3,900£~、VAT込価格で4,700£~。ビスポーク・シャツはミニマムオーダー4着で、VAT込価格で1着当たり250£~。
ビスポーク・スーツは仮縫い2回、3カ月で完成。ビスポーク・シャツは12週間で完成で、仮縫いはなく、4着注文するうちの最初の1着が仮縫いみたいなものと言うご説明でした。採寸時は体型把握のためにお客さんの写真を撮ったりもするそうです。
サンドハースト王立陸軍士官学校を訪問する唯一のテイラーで、同校で訓練を受けている英国陸軍将校士官候補生の制服を作っています。そして、その生徒は訓練を終えた後、このお店が作るメスドレス(軍人が着用する夜会服)を着用する権利があるそうです。なお、ナショナル・ポートレート・ギャラリーに掲げられている、ハリー王子とウィリアム王子の公式ポートレートの軍服は、このディーゲ&スキナー製です。もちろん軍服、そして狩猟服が得意で知られており、さらにこれまで、エリザベス女王、オマーン王室、バーレーン王室の御用達ともなっています。

左が創業者一族で、5代目当主としてマネジメントを務めるWilliam Skinner(ウィリアム・スキナー)さん。右がヘッドカッターのPeter Ward(ピーター・ウォード)さん。偶然でしょうか、お二人ともトリッカーズを履いていました。

サンプルのスーツの一つ。95%がメンズの注文だそうですか、レディースも作ります。

シャツも外注ではなく自社で作っているのも、このお店の強みですね。右奥がシャツのヘッドカッターを務める、著名なRobert Whittaker(ロバート・ウィテカー)さん。左が同じくシャツのカッターのTom Bradbury(トム・ブラッドベリー)さん。

ビスポーク・スーツのカッターの一人である、Tristan Thorne(トリスタン・ソーン)さん。

店舗の地下が工房となっております。肩入れ(ショルダースティッチ)は、ロンドンのビスポーク・テイラーだとミシンで縫うのも珍しくありませんが、このお店では、「縫い目が動く分、肩も動かしやすくなる」と言う理由で、全て手縫いするそうです。もちろん、ハ刺しも手縫いで、ラペルのハ刺しは「ナチュラルロールを生み出すために細かく刺す」とのご説明でした。
芯地はもちろん自作。そして、ポケットの芯とラペルのエッジ(おそらくテープの事)は、形状をキープできるからと言う理由でリネン芯を使用です。

同じく工房の様子です。

引き出しの中に、パターンが整理されて保管されています。創業150年の老舗だけあって、やはり相当な量です。

店内の様子です。シャツをはじめ、ネクタイ、ブレーシズなど、既製品も充実しております。


【Welsh & Jefferies(ウェルシュ&ジェフリーズ)】
住所:20 Savile Row, London
価格:ビスポーク・スーツ、VAT抜価格で3,151£~、VAT込価格で3781.2£~。3ピースの場合はVAT抜価格で3,514£~、VAT込価格で4,216.8£~。コートはVAT抜価格で3,257£~、VAT込価格で3,908.4£~。ジャケットはVAT抜価格で2,356£~、VAT込価格で2,827.2£~。レディースだと少し高くなるそうです。
ビスポーク・シャツはミニマムオーダー4着で、一着当たり250£~。
ビスポーク・スーツは仮縫い2回で1ヶ月で完成。ビスポーク・シャツは2-3週間で完成。こちらも軍服製作で著名なテイラーで、チャールズ皇太子の軍服御用達でもあります。

51年生、ディレクターでヘッドカッターを務めるJames Cottrell(ジェイムス·コットレル)さん。過去にはキルガー,フレンチ&スタンバレーでコートメイカー、ヘンリー・プールでカッターを務めておりました。

サンプルスーツの一つ。スリムチェストでジェントルシェイプ、セミミリタリーがハウススタイルとの事です。


中国出身で、ディレクターとレディースのカッターを務める、Ying Mei Quan(イン・メイ・クァン)さんが11年にゴールデン・シアーズを受賞したレディースのコート。複雑な紋様の生地ながら、打ち合いやポケットの蓋、背中の腰を継ぐ箇所など、しっかり柄合わせをしつつ、美しいシェイプを描く見事な仕事です!

店舗の奥に作業台があり、お若い職人さんたちが作業をされていました。

芯地はもちろん自作で、手縫いはシルク糸、ミシンはコットン糸、ボタン付はポリエステル糸を使用です。ボタンは全て天然素材で、プラスティックボタンは使用しないそうです。

店舗の外観です。
※情報はいずれも、僕が訪問した2015年3月27日・30日時点のものです。
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