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ENGLISH CUT and Linton Tweeds in Cumbria(カンブリアのイングリッシュ・カットとリントン・ツイード)

トーマス・マホンさんのカッティング

【ENGLISH CUT(イングリッシュ・カット)】
住所:14-16 Market Place, Brampton, Cumbria
価格:ビスポーク・スーツ、2,800£~(VAT別)。

仮縫い2回以上、2・3ヶ月で完成。あらかじめアポイントを取れば、ロンドンでの注文も可能。以前にもご紹介した、元アンダーソン&シェパードのカッター、Thomas Mahon(トーマス・マホン)さんのビスポーク・テイラーです。オンラインオーダーによる日本製MTMスーツもあります。ビスポークの使用生地はほとんどが英国製で、わずかにイタリア製。MTMは英国製生地のみ。


トーマス・マホンさんとポール・グリフィスさん

オーナー兼カッターのThomas Mahon(トーマス・マホン)さんと、左がテイラー(裁縫師)のPaul Griffiths(ポール・グリフィス)さん。グリフィスさんはかつて、マホンさんとともにアンダーソン&シェパードにて15-16年ほどコート・メイカーを務めておりました。アンダーソン&シェパードの縫製方法をマスターしている方が作るのも、イングリッシュ・カットの大きな強みですね。そしてもちろん、イングリッシュ・カットはアンターソン&シェパードらしい、柔らかなドレープとショルダーがハウススタイルです。


トーマス・マホンさんとテッド・ルイスさん

そして、僕が伺った当時は弱冠17歳の職人、Edd Lewis(エッド・ルイス)さん。アウトワーカーさんを含めて、合計9人で作っているそうです。


トーマス・マホンさんのカッティング

マホンさんのカットの様子。断っている身頃のパターンをご覧頂けるとおり、基本的には細腹は取らないのがマホンさん流。アンダーソン&シェパードと同様ですね。そして、アームホールが大分小さく、いかにも動きやすそうです。




トーマス・マホンさんのレディース

こちらはレディースでして、レディースはシェイプも強い分、細腹を取る場合もあるとの事。


トーマス・マホンさんの芯地

芯地は当然自作で、胸の部分は柔らかく仕上げるため、あえてハ刺しを粗く入れるとの事。


トーマス・マホンさんの芯地の胸部分

こちらは別のスーツの芯地の胸部分でして、やはりハ刺しは粗く刺していますね。


トーマス・マホンさんのショルダーシーム

そして、マホンさんのスーツはコペンハーゲンのテイラーさんや、ストックホルムのハンス・アルデ、モスクワのオストジェンカ・ビスポークアトリエと同様にショルダーシームが後方を向いておりました。この方法だとジャケットが前へ持ち上がり、見栄えが良くなると言うマホンさんのご説明でした。
上襟がけ、袖付、肩入れなど、主要箇所は手縫いで、本縫い、ボタン付、ボタンホールと多くの箇所でシルク糸使用です。ボタンは基本的にプラスティック製で、これもアンダーソン&シェパードと同様ですね。


トーマス・マホンさんの芯地

そしてこちらは、ハ刺しまで終えた上襟。緩やかな∪の字を描いていますね。


ポール・グリフィスさんのアイロンワーク

これにグリフィスさんがアイロンワークで折り曲げにかかると……。


ポール・グリフィスさんのアイロンワーク

緩やかな∪の字だったのが、逆向きの⌒のラインを描きます!


ポール・グリフィスさんのアイロンワーク

裏はこんな具合です。これで襟に立体感が生まれ、着心地の良いジャケットの一因となるわけですね。


ポール・グリフィスさんの昔の作品

この掲載されているスーツは、グリフィスさんがアンダーソン&シェパード時代に作った物だそうです。


トーマス・マホンさんの店内

こちらは店内の様子です。


トーマス・マホンさんのシャツ

店内にあるシャツは北アイルランドの工場製でMTMのみです。



イングリッシュ・カットの店舗

そして、店舗の外観です。




リントン・ツイードのウィーヴィング

【Linton Tweeds(リントン・ツイード)】
住所:Shaddon Mills Shaddongate Carlisle, Cumbria

ハリスツイードやドニゴールツイードとは趣を異にして、"シャネルツイード"と呼ばれる、主にレディース向けの華やかなツイードで知られるメイカーです。シャネルをはじめ、世界各国のブランドが利用しており、日本法人もあります。


リントン・ツイードのキース・D・ウォーカーさん

工場を案内して下さった、社長のKeith D Walker(キース・D・ウォーカー)さん。


リントン・ツイードの糸作成


リントン・ツイードの糸作成

ご覧のとおり、糸の撚りや捲糸、染色も自社で作っております。


リントン・ツイードの糸

そして素材もウールだけと言う事はなく、シルクのような高級素材や、コットンや化繊もあります。当然ですが、使用素材のヴァリエイションが多いほど、風合いや発色、デザインの幅も広がりますね。


リントン・ツイードのメイキング

経糸に並べ終わった糸をビームに巻き取っていきます。


リントン・ツイードのウィーヴィング

糸を織ってツイード生地に仕上げます。やはり多彩なデザインに対応するためでしょうか、もちろん、生産効率もあるのでしょう、機械織りです。


リントン・ツイードのウィーヴィング


リントン・ツイードのチェック作業

完成した生地に不具合がないか、チェックの作業です。


リントン・ツイードのサンプル手紡ぎ

サンプル品については、手紡ぎで糸を作っておりました。サンプル品がゆえに試作を繰り返さねばならず、その場合は手紡ぎの方が具合が良いのかもしれません。


リントン・ツイードのサンプル手織り

そして、サンプル品はシングル幅で手織りです。サンプル品はそれほど量が必要なく、そしてやはり試作を繰り返すため、小さいシングル幅なのかもしれません。


リントン・ツイードの店内

工場併設の店舗です。自社製なのは生地だけで、衣料品の縫製については外注です。生地の価格帯は幅広いですが、参考までに1mあたり22-34£ほど。


リントン・ツイードの店内

衣料品以外に鞄などもあります。


リントン・ツイードの店舗

店舗の外観です。



※情報はいずれも、僕が訪問した2015年3月12日時点のものです。

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