ЯМАШЕВ in Saint Petersburg(サンクト・ペテルブルクのヤマシェフ)
CATEGORY靴・服飾

【ЯМАШЕВ(YAMASHEV、ヤマシェフ)】
住所:Nevsky Prospect, 21, St Petersburg
価格:ビスポーク・スーツ、60,000ルーブル+生地代。レディースのビスポーク・スーツは65,000ルーブル+生地代。手縫いの割合を増やす場合は15,000ルーブル増。
ビスポーク・シャツ、生地代込で25,000ルーブルほど。
ビスポーク・ネクタイ、生地代込みで6,000ルーブル~、ホーランド&シェリーなどの英国製生地使用の場合は20,000ルーブル~。
スーツは仮縫い2回、4-5週間で完成。シャツは仮縫い1回。総手縫いも、要望があれば受け付けるそうです。使用するスーツ生地は英国製のみ、シャツ生地もエイコーン(つまり英国製)のみ。英国製生地だけを使う理由は、「そこが本家だからだ」との事。英語はまずまず可能です。

72年生まれ、スーツもシャツもネクタイも、全工程を一人手がける、Ямашев Рустем Эдуардович(Yamashev Rustem Eduardovich、ヤマシェフ・ルスティン・エドゥワルドヴィッチ)さん。過去には、防衛省の軍服生産や、アエロフロート航空の新しい制服生産のプロジェクトにも携わったそうです。
「ロシアの人々はロシアのテイラーで作りたがらない。イタリアとかで作りたがる。これは問題だ」
「ロシア製の生地でも作りたい」
そうお話しされており、ロシア人の手によるビスポーク・スーツを根付かせたい、熱い思いが伝わって来ました。
そして、「日本の靴職人はGreatestだ」とも話されていました。趣味で靴のパティーヌも行っており、「いずれ仕事にするかもね(笑)」とジョークめかして笑っていました。

ヤマシェフさんの仕立ての大きな特徴が、前身頃の芯を肩の後ろまで持って来て、肩パッドとしてしまう手法。当然、通常の肩パッドにある詰め物がないため、肩は薄くなります。
「これで、軽く、柔らかく仕上がる。これは私が考えた、私だけの工夫だ」
そして、クラシックにこだわりたいとの事で基本的に細腹も取らず、レディースを仕立てる場合も、ダーツは少なめにしたいとお話されていました。

芯地は当然自作です。ボタンホールとボタン付は、両方とも耐久性を重視してポリエステル糸を使用していました。

この日にヤマシェフさんが着用されていたスーツはもちろん自作で、そして雨降り袖でした。こう言った仕様もOKだそうです。

ヤマシェフさんのスーツサンプル。ヤマシェフさん好みのスタイルはカンプス・ド・ルカで、デザインとしてはピークドラペルがお好きとの事でした。サンプルを見る限りだと、ゴージラインは高めですね。



ヤマシェフさん製ビスポークネクタイ。一見普通のネクタイですが、これも実はヤマシェフさんならでは細工がございます。

裏にはボタンが付いており……。

大剣の部分が開けられます。

そしてなんと、この部分に小ポケットが!名刺などのカードが入れられ、ここに何かを入れる事によって重しにもなるので、ネクタイの落ちが良くなる利点もあります。

そして、ネクタイもビスポークだけあって、パターンから起こして作って下さいます。芯地はキャンバス芯を使用。「既製の安物はポリエステルの芯を使っているよね」との事でした。
ちなみに、僕が伺った当時、ヤマシェフさんの工房も別の場所にあり、現在は冒頭の住所にございます。
※情報はいずれも、僕が訪問した2014年12月7日時点のものです。
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