Skomaker Dagestad in Oslo(オスロのスコマーケー・ダゲスタッド)
CATEGORY靴・服飾

【Skomaker Dagestad(スコマーケー・ダゲスタッド)】
住所:Josefines Gate 2A, 0351 Oslo
オスロに到着した日、僕が最初に向かったのは、高級靴店の「Skomaker Dagestad(スコマーケー・ダゲスタッド)」。
いつもなら事前にアポイントのメールを送ってから伺うんだけど、ここはビスポークを行っているかどうか不明だったので、まずはどんなお店か見ておきたかったのですね。
すると……、入店してみて仰天!店内はお客さんで溢れ、その熱気に圧倒されました。安売り店ならまだしも、一足数万~10万円以上の靴を扱うお店で、こんなに賑わっているのは伊勢丹新宿店しか見た事がありません。この時、スタッフさんは5・6人いたと思いますが、そのスタッフさんが全員、お客さんの対応で手一杯でした。

お客がいない時の店内。ワールド・フットウェア・ギャラリー神宮前店さんと同じくらいの規模で、決して広くはないものの、靴はもちろん、靴下、手袋、ベルト、帽子、傘、ブレイシーズなど多彩な品揃えで、メンズ、レディースともに充実。男性客はもちろん、女性客も多かったです。

靴の取り扱いブランドは、サン・クリスピン、エドワード・グリーン、ガジアーノ&ガーリング、オールデン、エンツォ・ボナフェ、アルフレッド・サージェント、パラブーツ、エシュン、カルミナ、ローク、レッド・ウィング、ロッコピーなどです。

スタッフさんは忙しすぎて、僕に声をかけて来ない。僕もとても声をかけられない。僕はとりあえず商品を眺め、スタッフさんの手が空くのを待つものの、全然空く様子がない。このお店でビスポーク・サーヴィスをやっているのか確認したかったけど、このままいても仕事の邪魔になるだけだから、退店しよう……。
僕がお店を出ると、そこには店主さんであろう方が、買い物されたお客を見送っていた。そして、僕と目が合うと、人懐っこい表情で笑いかけてくる。愛想の良い店主さんだなあと思っていると、店主さんは僕の肩に腕を回して声をかけてきた。
「うちにはな、日本語が話せて、奥さんが日本人のスタッフがいるんだ。日本語で話せるから、中に入って話していきなさい」
え!? 日本語が話せるスタッフがいる!? ここ、オスロだよ?店内に日本人、いやアジア人すらいなかったし、それっぽい人もいなかったけどなあ……。
僕は半信半疑だが、店主さんは僕の肩を抱えて、再び店内へ入れてくれる。そして僕を、20代前半~半ばくらいの、長身の男性スタッフの前に連れて来た。既婚者と聞いていたので30代以上と思いきや、ずっと若い。そして店主さんは、その若い男性スタッフさんと少し言葉を交わしている。日本人だから、日本語で接客するように言っているのだろう。
「はい、何でしょうか?」
本当に日本語!まさかオスロで、日本語が話せる人と出会うとは!しかも靴屋さんで。驚嘆せずにいられない。
「凄いですね……日本語話せるんですか」
「はい、前に日本に住んでいたので」
せっかくなので日本語で少し会話する僕だが、この時、お店はやはり忙しく、この若い男性スタッフさんも一人で2名接客中(!)。そこに僕が増えたので3名になってしまった。
「ちょっと今は、あまりお話できません。閉店近い時間なら客も減るので、そのくらいの時間なら大丈夫です」
スタッフさんにそう言われて、いったん外に出る僕。それにしてもすげー……まさかオスロの靴店で、日本語が話せるスタッフさんがいるなんて!
この時、13時くらいだったので、僕は近場の珈琲店に行って、靴服とともに目的だった珈琲を楽しんだり(オスロは珈琲でも有名)、洋服店に行ったりしてオスロ散策を楽しんだ後、言われたとおりの閉店間際、17時近くに再訪。確かにお客は減っており、スタッフさんたちは店じまいの準備をしていた。
そこで僕は、スタッフさんに僕の来店目的を伝える。今、自分はヨーロッパの靴服店を巡る旅をしており、今日、オスロに到着した。もし良かったら、僕のWeblogや電子書籍に、お店を紹介させてくれないかと話すと、ありがたい事に了承して下さる。
「それにしても日中、凄くお客がいてびっくりしました。高い靴がたくさん売れていて……」
「ここは、スカンディナヴィアで一番エドワード・グリーンを売る店だよ(笑)」

62年生まれ、店主のAsbjørn Dagestad(アスビオン・ダゲスタッド)さんは、僕を再び入店させてくれた行動が示すとおり、優しいお心遣いにあふれ、ユーモアたっぷりな、非常に気さくな方です。元々は靴職人さんで、86-87年にトミー・ナッターにショールームがあった、Bermondsey Bootmakers(バーモンジー・ブーツメイカーズ)のDavid Lobb(デイヴィッド・ロブ)氏の下で修行されたそうです。そのDavid Lobb氏は、ジョン・ロブで修行された靴職人との事。
現在もアスビオンさんは、お店に持ち込まれた靴修理は自分で手がけ、ノルウェーにおける靴修理師の試験官も務めている、靴に精通した方です。店名のSkomaker Dagestadの「Sko」はノルウェー語で「靴」の意味で、「Skomaker」は「靴職人」の意味になりますね。現在は製靴は行ってなく、つまりビスポーク・サーヴィスもやっておりませんが、定期的にお店でガジアーノ&ガーリングやサン・クリスピンのトランクショーを行っております。
なお、ノルウェーをはじめ、北欧の方々は大抵英語が話せるので、ダゲスタッドさんももちろん英語堪能です。
アスビオンさんはこの日、約束があるとの事で間もなくお店を出ましたが、日本語が話せるスタッフさんがそのまま応対してくれ、お店についてご説明して下さいました。

赤ライニングが特徴の、お店別注のアルフレッド・サージェント。装着されているシュー・トゥリーはノーサンプトンのラストメイカー、スプリングライン製で、スプリングラインはアルフレッド・サージェントのラストを知っているため、そのラストに合わせて作ってもらっているそうです。そして、取り扱っているエンツォ・ボナフェも、ボナフェのラストに合わせて作ってもらった、スプリングライン製です。
シュー・トゥリーも靴に合った物を用意する、靴への愛が伝わって来ますね。そして、靴屋さんとして大切な、足に合った靴を売るのはもちろんで、サイズ展開も豊富。基本的に6~12、または13まで用意しているそうです。
販売価格も、基本的に現地価格と同じに設定。そして、北欧はお店の営業時間が短い事で知られますが、このお店はお客次第で夜遅くまで営業するそうで、以前は0時半に3足売れた事もあったとか。お客と靴の事を考えているのが存分に伝わって来ます!

日本語堪能なスタッフの、Stefan Ravnanger(ステファン・ラヴノンゲー)さん。88年生まれの、なんと正社員ではなく、アルバイトの大学院生。学校から、お客へメールの返信もしたりもするそうです(笑)。オスロ大学在学時は日本語を専攻し、日本にも3年近く留学していたとの事。
「日本はどうして侵略されなかったのか」
日本に興味を持ったキッカケを、そう話すステファンさん。「AKIRA」や「ブラック・ジャック」と言った日本のマンガや、「山崎」と言った日本のウイスキー、そして10代の頃はヨウジ・ヤマモトも好きだったとか。
「昔はデザインで服や靴を買っていたけど、今は質に興味があるね」
現在のステファンさんはクラシックスタイルがお好きで、この日に着用されていたのはパルテノペアで、靴はエドワード・グリーンのチェルシー。お店でも、エドワード・グリーンの一番人気はチェルシー、二番目はドーヴァーだそうで、人気モデルは日本と同じですね(笑)。
「平日は学校に行ってるから、土日にオシャレするんだよ」
この日は土曜日だったので、スーツ姿だったと言うわけですね。ステファンさんと話すと、靴はもちろん、服への造詣、こだわりが凄いのに驚かされます。ステファンさんは高校生の時にアルバイトを頑張って200万円ほど貯め、卒業時に買い物目的でロンドンへ一週間旅行。その旅行で、200万円全部使った!と言う、とんでもない武勇伝があります(笑)。
さて、ステファンさんは日本から帰国後、靴が好きで13年夏からこのお店で働くようになり、この当時(14年11月後半)で、働き始めてまだ1年半近いぐらいとの事。でも、有能な仕事ぶりで、お店のナンバー2の存在です。
ステファンさんは販売だけでなくバイイングも担当しており、帰国後に知ったのですが、このお店でガジアーノ&ガーリングやサン・クリスピンを扱うようになったのはステファンさんの手腕だそうです。仕入れた理由を聞いたところ、「自分が好きだから」と、靴好きらしいシンプルな答え!そして僕は、ヨーロッパの旅先で、ステファンさんを知る靴業界人、何名かとお会いしましたが、ステファンさんは非常に評判が良いです。
日本をよく知るステファンさんは、日本の靴事情にもとても詳しく、日本のビスポーク・シュー・メイカーでは柳町弘之さん、福田洋平さんが好きで、マーキスさんは大好きとの事。今年6月に、柳町さんがこのお店でフィッティングサーヴェイを行いましたが、これもステファンさんの手腕です。
「MTOをやっている日本のビスポーク・シュー・メイカーを探して、柳町さんと連絡とったね」

ダゲスタッドで販売されている、江戸屋の靴ブラシ。もちろん、ステファンさんが仕入れました。

強靭で良質で知られる、Strupai(ストゥルパイ)のシューレースも、ステファンさんの仕入れです。
「うちには、"かなこ"って日本人女性も働いてるんだよ。今日は休みで、いなかったけど」
ステファンさんとのお話の最中、またも驚きの言葉が!このお店、オスロながら日本濃度が高いです(笑)。
「月曜日にまた来なよ。かなこもいるよ」
ステファンさんから有り難い申し出を頂き、それから2日後の月曜日に、僕はお店を再訪しました。

そしてご紹介頂いた、日本人スタッフの可奈子・水島・パウルセンさん。元ユニクロの店長補佐で、このお店では、販売とディスプレイされている靴のシャイニングを担当しています。旦那さんがステファンさんと友達で、そのご縁でここで働くようになったそうです。可奈子さんはガジアーノ&ガーリングのトランクショー行った際、トニー・ガジアーノさんにお手製の巻き寿司を振る舞ったとか。
「素晴らしいエナジーの持ち主だ」
店主のアスビオンさんは、可奈子さんとステファンさんの働きぶりを、そう賞賛しておりました。
ちなみに以前、このお店にNATOの事務総長さんが来店したそうで、その事務総長さんと会えた事を、可奈子さんは喜んでいました(笑)。

アスビオンさん、ステファンさん、可奈子さんの三名での写真。他にも数名、スタッフさんがいらっしゃいます。なお、ステファンさん、この日は学校があったので、服装はご覧のとおり、カジュアルです(笑)。
そして現在、僕がお店に伺った日から1年ほど経ち、ステファンさんのご活躍で、日本製品の品揃えが更に増えております。

ご覧のとおり、日本製靴クリームのブート・ブラックが販売されています。ステファンさんによると、特にリッチモイスチャーが良いとの事。

バラライカセットもあります。

北欧でブートブラックを扱うのは、このダゲスタッドが初です。他、ヨーロッパにおけるブートブラックの取り扱いは、小さい靴修理屋さん以外では、スイスのヘレングロブス(デパート)、ドイツのコンラッド(セレクトショップ)、ミラノのブライアン&バリー(デパート)、フィレンツェのマンニーナ(ビスポーク・シュー・メイカー)があります。

可奈子さんによる、ブートブラックを使っての靴磨き前。

そして、靴磨き後です。良い光沢が出てます!
さらに最近になって、二宮五郎商店の品も販売開始されたとの事。ただ、ダゲスタッドでは、基本的に現地価格と同じで販売していると前述しましたが、これらの日本製品はオスロへの配送料も高くなるため、やはり日本での販売価格よりは高くなるそうです。

店内写真をもう少し掲載します。

靴の箱がたくさん積まれておりますが、こことは別に、靴の保管倉庫もあります。



ノルウェーのデザイナー、Barbara Czapran(バルバラ・クサプラン)のレザートートバッグ。中央に入ったポケットが、機能的かつ、かわいらしいデザインですね。

日本では取り扱いが少ない、ドイツのRedecker(レデッカー)製靴ブラシ。上がヤクの毛で、下が山羊の毛、ぎっしり植えられています!

最後に、一部で好評だった、この写真。皆で被っている帽子はお店の売り物で、アスビオンさんが被せてくれました(笑)。
「はい、何でしょうか?」
本当に日本語!まさかオスロで、日本語が話せる人と出会うとは!しかも靴屋さんで。驚嘆せずにいられない。
「凄いですね……日本語話せるんですか」
「はい、前に日本に住んでいたので」
せっかくなので日本語で少し会話する僕だが、この時、お店はやはり忙しく、この若い男性スタッフさんも一人で2名接客中(!)。そこに僕が増えたので3名になってしまった。
「ちょっと今は、あまりお話できません。閉店近い時間なら客も減るので、そのくらいの時間なら大丈夫です」
スタッフさんにそう言われて、いったん外に出る僕。それにしてもすげー……まさかオスロの靴店で、日本語が話せるスタッフさんがいるなんて!
この時、13時くらいだったので、僕は近場の珈琲店に行って、靴服とともに目的だった珈琲を楽しんだり(オスロは珈琲でも有名)、洋服店に行ったりしてオスロ散策を楽しんだ後、言われたとおりの閉店間際、17時近くに再訪。確かにお客は減っており、スタッフさんたちは店じまいの準備をしていた。
そこで僕は、スタッフさんに僕の来店目的を伝える。今、自分はヨーロッパの靴服店を巡る旅をしており、今日、オスロに到着した。もし良かったら、僕のWeblogや電子書籍に、お店を紹介させてくれないかと話すと、ありがたい事に了承して下さる。
「それにしても日中、凄くお客がいてびっくりしました。高い靴がたくさん売れていて……」
「ここは、スカンディナヴィアで一番エドワード・グリーンを売る店だよ(笑)」

62年生まれ、店主のAsbjørn Dagestad(アスビオン・ダゲスタッド)さんは、僕を再び入店させてくれた行動が示すとおり、優しいお心遣いにあふれ、ユーモアたっぷりな、非常に気さくな方です。元々は靴職人さんで、86-87年にトミー・ナッターにショールームがあった、Bermondsey Bootmakers(バーモンジー・ブーツメイカーズ)のDavid Lobb(デイヴィッド・ロブ)氏の下で修行されたそうです。そのDavid Lobb氏は、ジョン・ロブで修行された靴職人との事。
現在もアスビオンさんは、お店に持ち込まれた靴修理は自分で手がけ、ノルウェーにおける靴修理師の試験官も務めている、靴に精通した方です。店名のSkomaker Dagestadの「Sko」はノルウェー語で「靴」の意味で、「Skomaker」は「靴職人」の意味になりますね。現在は製靴は行ってなく、つまりビスポーク・サーヴィスもやっておりませんが、定期的にお店でガジアーノ&ガーリングやサン・クリスピンのトランクショーを行っております。
なお、ノルウェーをはじめ、北欧の方々は大抵英語が話せるので、ダゲスタッドさんももちろん英語堪能です。
アスビオンさんはこの日、約束があるとの事で間もなくお店を出ましたが、日本語が話せるスタッフさんがそのまま応対してくれ、お店についてご説明して下さいました。

赤ライニングが特徴の、お店別注のアルフレッド・サージェント。装着されているシュー・トゥリーはノーサンプトンのラストメイカー、スプリングライン製で、スプリングラインはアルフレッド・サージェントのラストを知っているため、そのラストに合わせて作ってもらっているそうです。そして、取り扱っているエンツォ・ボナフェも、ボナフェのラストに合わせて作ってもらった、スプリングライン製です。
シュー・トゥリーも靴に合った物を用意する、靴への愛が伝わって来ますね。そして、靴屋さんとして大切な、足に合った靴を売るのはもちろんで、サイズ展開も豊富。基本的に6~12、または13まで用意しているそうです。
販売価格も、基本的に現地価格と同じに設定。そして、北欧はお店の営業時間が短い事で知られますが、このお店はお客次第で夜遅くまで営業するそうで、以前は0時半に3足売れた事もあったとか。お客と靴の事を考えているのが存分に伝わって来ます!

日本語堪能なスタッフの、Stefan Ravnanger(ステファン・ラヴノンゲー)さん。88年生まれの、なんと正社員ではなく、アルバイトの大学院生。学校から、お客へメールの返信もしたりもするそうです(笑)。オスロ大学在学時は日本語を専攻し、日本にも3年近く留学していたとの事。
「日本はどうして侵略されなかったのか」
日本に興味を持ったキッカケを、そう話すステファンさん。「AKIRA」や「ブラック・ジャック」と言った日本のマンガや、「山崎」と言った日本のウイスキー、そして10代の頃はヨウジ・ヤマモトも好きだったとか。
「昔はデザインで服や靴を買っていたけど、今は質に興味があるね」
現在のステファンさんはクラシックスタイルがお好きで、この日に着用されていたのはパルテノペアで、靴はエドワード・グリーンのチェルシー。お店でも、エドワード・グリーンの一番人気はチェルシー、二番目はドーヴァーだそうで、人気モデルは日本と同じですね(笑)。
「平日は学校に行ってるから、土日にオシャレするんだよ」
この日は土曜日だったので、スーツ姿だったと言うわけですね。ステファンさんと話すと、靴はもちろん、服への造詣、こだわりが凄いのに驚かされます。ステファンさんは高校生の時にアルバイトを頑張って200万円ほど貯め、卒業時に買い物目的でロンドンへ一週間旅行。その旅行で、200万円全部使った!と言う、とんでもない武勇伝があります(笑)。
さて、ステファンさんは日本から帰国後、靴が好きで13年夏からこのお店で働くようになり、この当時(14年11月後半)で、働き始めてまだ1年半近いぐらいとの事。でも、有能な仕事ぶりで、お店のナンバー2の存在です。
ステファンさんは販売だけでなくバイイングも担当しており、帰国後に知ったのですが、このお店でガジアーノ&ガーリングやサン・クリスピンを扱うようになったのはステファンさんの手腕だそうです。仕入れた理由を聞いたところ、「自分が好きだから」と、靴好きらしいシンプルな答え!そして僕は、ヨーロッパの旅先で、ステファンさんを知る靴業界人、何名かとお会いしましたが、ステファンさんは非常に評判が良いです。
日本をよく知るステファンさんは、日本の靴事情にもとても詳しく、日本のビスポーク・シュー・メイカーでは柳町弘之さん、福田洋平さんが好きで、マーキスさんは大好きとの事。今年6月に、柳町さんがこのお店でフィッティングサーヴェイを行いましたが、これもステファンさんの手腕です。
「MTOをやっている日本のビスポーク・シュー・メイカーを探して、柳町さんと連絡とったね」

ダゲスタッドで販売されている、江戸屋の靴ブラシ。もちろん、ステファンさんが仕入れました。

強靭で良質で知られる、Strupai(ストゥルパイ)のシューレースも、ステファンさんの仕入れです。
「うちには、"かなこ"って日本人女性も働いてるんだよ。今日は休みで、いなかったけど」
ステファンさんとのお話の最中、またも驚きの言葉が!このお店、オスロながら日本濃度が高いです(笑)。
「月曜日にまた来なよ。かなこもいるよ」
ステファンさんから有り難い申し出を頂き、それから2日後の月曜日に、僕はお店を再訪しました。

そしてご紹介頂いた、日本人スタッフの可奈子・水島・パウルセンさん。元ユニクロの店長補佐で、このお店では、販売とディスプレイされている靴のシャイニングを担当しています。旦那さんがステファンさんと友達で、そのご縁でここで働くようになったそうです。可奈子さんはガジアーノ&ガーリングのトランクショー行った際、トニー・ガジアーノさんにお手製の巻き寿司を振る舞ったとか。
「素晴らしいエナジーの持ち主だ」
店主のアスビオンさんは、可奈子さんとステファンさんの働きぶりを、そう賞賛しておりました。
ちなみに以前、このお店にNATOの事務総長さんが来店したそうで、その事務総長さんと会えた事を、可奈子さんは喜んでいました(笑)。

アスビオンさん、ステファンさん、可奈子さんの三名での写真。他にも数名、スタッフさんがいらっしゃいます。なお、ステファンさん、この日は学校があったので、服装はご覧のとおり、カジュアルです(笑)。
そして現在、僕がお店に伺った日から1年ほど経ち、ステファンさんのご活躍で、日本製品の品揃えが更に増えております。

ご覧のとおり、日本製靴クリームのブート・ブラックが販売されています。ステファンさんによると、特にリッチモイスチャーが良いとの事。

バラライカセットもあります。

北欧でブートブラックを扱うのは、このダゲスタッドが初です。他、ヨーロッパにおけるブートブラックの取り扱いは、小さい靴修理屋さん以外では、スイスのヘレングロブス(デパート)、ドイツのコンラッド(セレクトショップ)、ミラノのブライアン&バリー(デパート)、フィレンツェのマンニーナ(ビスポーク・シュー・メイカー)があります。

可奈子さんによる、ブートブラックを使っての靴磨き前。

そして、靴磨き後です。良い光沢が出てます!
さらに最近になって、二宮五郎商店の品も販売開始されたとの事。ただ、ダゲスタッドでは、基本的に現地価格と同じで販売していると前述しましたが、これらの日本製品はオスロへの配送料も高くなるため、やはり日本での販売価格よりは高くなるそうです。

店内写真をもう少し掲載します。

靴の箱がたくさん積まれておりますが、こことは別に、靴の保管倉庫もあります。



ノルウェーのデザイナー、Barbara Czapran(バルバラ・クサプラン)のレザートートバッグ。中央に入ったポケットが、機能的かつ、かわいらしいデザインですね。

日本では取り扱いが少ない、ドイツのRedecker(レデッカー)製靴ブラシ。上がヤクの毛で、下が山羊の毛、ぎっしり植えられています!

最後に、一部で好評だった、この写真。皆で被っている帽子はお店の売り物で、アスビオンさんが被せてくれました(笑)。
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