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København Bespoke Tailor(コペンハーゲンのビスポーク・テイラー)

スティン・マーティン・ヨンソンさんの工房

【Sten Martin Jonsson(スティン・マーティン・ヨンソン)】
住所:Lavendelstræde 5, 1462 København
価格:メンズのビスポーク・スーツ25,500クローネ~、ジャケット22,000クローネ~、コート19,500クローネ~、パンツ5,500クローネ~、シャツ5,500クローネ~、ヴェスト4,500クローネ~、ジーンズ6,500クローネ~、Tシャツ2,500クローネ~、スポーツジャケット14,500クローネ~、トレーニング用パンツ4,500クローネ~、タンクトップ1,500クローネ~。

レディースのビスポーク・スーツ、ジャケット、パンツ、ジーンズ、Tシャツはメンズと同価格、ショートジャケット13,000クローネ~、コート25,000クローネ~、ウェディングドレス20,000クローネ~、ドレス10,500クローネ~、ブラウス6,500クローネ~、スカート4,500クローネ~。

仮縫い回数は、スーツは通常3・4回。シャツは1・2回。初めてのお客や、形状が複雑な服の場合は、初回の仮縫いはコットン生地で製作。ケルンのカルロ・ヨシュさんやセバスチャン・ホースさんと同様の方法です。英語可。


スティン・マーティン・ヨンソンさん

ビスポーク・テイラーであり、ファッション・デザイナーであり、テイラー学校の講師としても活動しておられる、Sten Martin Jonsson(スティン・マーティン・ヨンソン)さん。YouTubeでもご自身のチャンネルを持ってテイラーリングについて情報発信しており、非常に積極的に活動しておられます。


スティン・マーティン・ヨンソンさんのメンズジャケット

ヨンソン作のサンプル。ソフトショルダーが好みとの事です。


スティン・マーティン・ヨンソンさんのレディースジャケット

冒頭のとおり、メンズスーツだけでなく、レディースやカジュアルウェアなど、服ならば多くのジャンルをビスポークで手がけている、世界的にも稀有な存在です。上のレディースのジャケットは非常に立体的に構築され、さぞかしアイロンワークを利かせているのだろうと思いきや、「いや、これはパターンメイクとスティッチワークだけで仕上げたんだよ」との事。メンズと比べてダーツを入れやすい、レディースならではの仕事ですね。




スティン・マーティン・ヨンソンさんのサンプル

ボタンは上二つだけ、変則デザインのレディース・コート。


スティン・マーティン・ヨンソンさんのコルセット


スティン・マーティン・ヨンソンさんのコルセットの背中

今では珍しい、コルセットもビスポークで作っておられます。服作りの積極性、恐るべしです。


スティン・マーティン・ヨンソンさんのシャツ

さらに驚かされるのが、通常、ヨンソンさんは手縫いとミシンの併用で服を製作しておりますが、要望があれば、一切ミシンを使わない、完全手縫いも行うとの事。それはスーツやコートだけでなく、上画像のようにシャツをはじめ、あらゆる服で受け付けているそうです。


スティン・マーティン・ヨンソンさんのシャツの剣ボロ

シャツの剣ボロまで手縫いです。


スティン・マーティン・ヨンソンさんのジーンズ

ジーンズのビスポークを受け付けているだけでも驚きなのに、なんとそのジーンズまで手縫い!なお、ジーンズ生地は英国製、イタリア製、ドイツ製のいずれかだそうです。


総手縫い仕立てのメンズ

ファッション・ショーに出品した、完全手縫いによるスーツ。手縫いの恩恵もあってか、ラインの軽やかさ、柔らかさが感じられますね。ただ、もちろん完全手縫いとなると料金も上がり、参考までにメンズスーツの場合は35,000クローネ~。


総手縫い仕立てのレディース

こちらはやはりファッション・ショーに出品した、完全手縫いのドレスです。元々はヨンソンさん、完全手縫いは行ってなかったそうですが、独力で手縫いの修練を始め、やはり最初は上手く行かなかったものの、ある時期を境に、上手く縫えるようになったとか。あらゆるジャンルを手がけるだけでなく、さらに新しい技術を習得しようとする、その強い意欲に感嘆しました。
そして、手縫いはつまり、古典的な方法なわけですが、ヨンソンさんは「手縫いでもモダンさを出したい」とも話しておられました。

とは言え、完全手縫いを行っているヨンソンさんが何度も述べていた事。

「大事なのはパターンだよ」

そして、仮縫いの回数を聞いたところ、ニヤリと笑って答えました。

「フィットするまで」
「でも、普通は3・4回かな」

ヨンソンさんの仕事の強いこだわりが伝わって来ました。

ちなみにヨンソンさん、お話の最中にスマートフォンを操作しようとしたのですが、指先が荒れているせいでタッチパネルの反応が良くなかったです。手縫いで相当針を動かしているがゆえ、そうなったのでしょうね。


スティン・マーティン・ヨンソンさん所有の本

ヨンソンさんは服作りについての本もたくさんお持ちでした。こちらは1600-1900年の服についての本。


スティン・マーティン・ヨンソンさん所有の日本の本

「書いてある事は読めないけど、図を見れば勉強になるからね」
なんと、日本のパターンメイキングの本も!


スティン・マーティン・ヨンソンさんの工房

こちらは工房の様子です。




ピーター・ウンディンの店舗

【Peter Undén(ピーター・ウンディン)】
住所:Bianco Lunos Alle 1, 1868 Frederiksberg C
価格:ビスポーク・スーツ22,000クローネ~。スモーキング23,000クローネ~、白ヴェスト付で25,000クローネ~。ジャケット17,000クローネ~。ズボン5,000クローネ~。
Jo Freyherr(ヨー・フライヘア)製MTMスーツは8,500クローネ~、ジャケット5,000クローネ~、ズボン3,500クローネ~。シャツはVan Laack(ヴァン・ラック)製MTMで、1,300クローネ~。

仮縫い2・3回。英語可。


ピーター・ウンディンさん

64年生で、コペンハーゲン王立劇場やミュンヘンで仕立てを学び、95年に独立されたPeter Undén(ピーター・ウンディン)さん。ストレートなショルダーラインの英国スタイルがハウススタイルで、使うのも英国製生地のみです。


ピーター・ウンディンのサンプル

ウンディンさん製スーツ。やはりショルダーラインはストレートですね。


ピーター・ウンディンのジャケット側面

これは細腹が入ってますが、基本的には細腹は取らないそうです。


ピーター・ウンディンのショルダースティッチ


ピーター・ウンディンのショルダーシーム

そして、ウンディンさんのジャケットを見ると、ショルダーシームが後方へ向かっているのが目に付きました。これの理由については、背中のシェイプラインが強く出しやすくなり、前から見た時、シームが見えないので美しいからとの答えでした。


ピーター・ウンディンさんの工房

作業中のウンディンさん。芯地は当然自作です。


ピーター・ウンディンさんの工房

女性職人さんとお二人で仕事をしておりました。


ピーター・ウンディンのジャケットの背中


ピーター・ウンディンさんのジャケット

ウンディンさんは式典用の制服も手がけており、僕が伺った日は、ちょうどのその製作中でした。バッキンガム宮殿近衛兵の制服生地メイカーでもある、ヘインズワースの生地も取り扱っております。


ピーター・ウンディンの店内


ピーター・ウンディンの店内

店内の様子です。


ピーター・ウンディンさん協力本

デンマークのメンズスーツについての本で、この本に掲載されているスーツはウンディンさんが手がけたそうです。




ビスポークの店舗

【Bespoke(ビスポーク)】
住所:Ny Carlsbergvej 37, København
価格:ビスポーク・スーツ、18,000クローネ。生地代別。

仮縫い3回、1ヶ月で完成。取り扱い生地は英国製のみ。英語可。


シグネ・アナーソン・ホヤーさん

女性職人さん二人によるビスポーク・テイラーで、その一人であるSigne Andersen-høyer(シグネ・アナーソン・ホヤー)さん。87年生まれとお若いです。


シグネさんのジャケット

ホヤーさんご自身のジャケットで、もちろんご本人作。メンズスーツだけでなく、レディーススーツも作っておりますが、その場合もメンズ生地を使うそうです。


シグネさんのジャケットのショルダーシーム

そして、ウンディンさんと同様に、ホヤーさんもショルダーシームを後方に向けておりました。ホヤーさんによると、この後方に向かうショルダーシームはクラシックスタイルとの事で、その後にお会いした、別のテイラーさん数名も、同様の事を話しておりました。あと、このジャケットもウンディンさん同様に細腹を取ってなく、これも昔ながらの方法ですね。僕はホヤーさんのジャケットはこれ一着しか見てないので、判断するには早計かもしれませんが、デンマークではそう言った昔ながらの方法が主流なのかも?しれません。

そして、後にヨンソンさんから教えて頂いたのですが、この後方へのショルダーシームは少なくとも15世紀、またはそれ以前からの、やはり古い手法だそうで、この手法だと、良好な丸みのあるフィットを得られやすいので、ヨンソンさんもこのショルダーシームを好むとの事。ショルダーシームを後方へ斜めにすると、生地も斜めにカットされるため、小さくて着心地の良いアームホールを作りやすくなるそうです。さらに、アームホールに入れる芯も少なくできるそうで、見た目もナチュラルになるとの事。ただ、これはもちろんジャケット次第で、ルーズシルエットの場合はまったく不要な技術だそうです。


シグネさんの作業

ホヤーさんの作業の様子。


ビスポークの工房

そして、工房の様子です。


あと、僕は他にもう一つ、コペンハーゲンのビスポーク・テイラーさんを伺ったのですが、そこでもウンディンさんとホヤーさん同様に、生地は英国製のみの取り扱いで、細腹も取っていませんでした。もしかしたら、デンマークのビスポーク・テイラーはこのスタイルが主流なのかもしれません。ただ、ヨンソンさんは細腹を取りますし、英国製以外の生地も扱っております。


※情報はいずれも、僕が訪問した2014年11月20日~21日時点のものです。
※2015年11月20日22時、ヨンソンさんの後方のショルダーシームについての説明を追記しました。

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