Amsterdam Bespoke(アムステルダムのビスポーク)
CATEGORY靴・服飾

【De Oost(デ・オースト)】
住所: Overtoom 373, 1054 JN Amsterdam
価格:ビスポーク・スーツ、セミキャンバス(肩~胸回りとラペルが毛芯で他は接着芯)で600ユーロ~。フルキャンバス(総毛芯)かアンコン仕立ては999ユーロ~。
ビスポーク・ジャケット、セミキャンバス(肩~胸回りとラペルが毛芯で他は接着芯)で400ユーロ~。フルキャンバス(総毛芯)かアンコン仕立て665ユーロ~。
ダブルブレステッドは20%増。
コート999ユーロ~。シャツは125ユーロ~。詳しい料金表はこちらにございます。
仮縫い2回。初回の仮縫いまで4・5週間。次の仮縫いまで1週間。英語可。クリーニングやお直しも受け付けております。

オーナーでマネジメントを務める、Jean-Paul Samson(ジャン・ポール・サムソン)さん。コストパフォーマンスを大切にしているとの事で、接着芯併用のラインがある事からも、それが現れていますね。そして、お客の個性を重視しての服作りとの事で、デザイン相談に対面だけでなく、スカイプも使用したりと、きめ細やかな対応をしておられます。お客は外国人が多いそうで、日本人も多いとの事です。

サンプルのジャケットです。


レディースも受け付けておられます。



ジャケットの背にこう言ったデザインもOK!

工房は別にあるそうですが、店内にもミシンが置いてあり、職人さんがリペアを行っておりました。

シャツはパリの工房に外注しているそうです。

他店と同じく、生地は英国製とイタリア製が主でして、特にホーランド&シェリーが充実していました。そしてこちらは、サムソンさんお薦めの中国製スーツ生地、Dolce&Taylor(ドルチェ&テイラー)のバンチ。他店では見た事がなく、珍しいですね。

店内の様子です。

【Nils Kalf(ニルス・カルフ)】
住所:Eerste Tuindwarsstraat 2A, 1015 RV Amsterdam
価格:ブラックラピド製法が標準仕様で1,300ユーロ~。既製は750ユーロ~。
ハンドソーン・ウェルテッド製法は250ユーロ増。セメント製法は50ユーロ安。
2ヶ月で完成。ラスト屋さんに外注した、オリジナルラストを調整してのMTM。デザインは自由で、セメント製法でトライアルシューズを作成してでの仮縫いもあり。出し縫いはマシンです。アウトソールはレンデンバッハ。インソールや芯材もドイツの革。アッパー革はワールウェイクにあるMaas(マース)から仕入れており、革自体はイタリア産。英語可。

69年生まれ、オーナーであり親方靴職人のNils Kalf(ニルス・カルフさん)と、同じく靴職人で鞄デザイナーでもある、Jelske Peterson(ヤルスカ・ペイタソン)さん。
修理メインのお店でして、カルフさんは97年にオランダ靴職人組合の修理部門で銀メダルを獲得したのを皮切りに、靴修理やハンドメイドシューズのコンペティションで賞を何度も受賞しております。そして、ペイタソンさんはハイヒールなどのレディースの靴職人として、個人でも活動されております。

サンプルシューズ。


切り返しに入れるパイピング処理に目立つ色を入れ、アクセントにかなり効いていますね。ウィングキャップのラインも独特です。

こちらも、羽根の補強革に大胆なカラーリング。デザインは遊びがありますね。

こちらは比較的オーソドックスなデザインのチャッカ・ブーツ。

同じデザインを三つ並べ、左がセメント製法で、他の二つがブラックラピド製法。やはりセメント製法の方が、スッキリ見えますね。

仮縫いには、セメント製法のトライアルシューズを作成。MTMとは言え、手間をかけております!先芯と月型芯も表面に付いておりますね。

そして、ブーツの場合はブーツのトライアルシューズを作成しております。

アッパー革の仕入先、Maasの革サンプル。

受付前には修理用機械が置かれ、作業の様子が見られます。ハンドメイド・シューズのアウトソールにレンデンバッハを用いているのと同様、オールソール修理にはレンデンバッハを用い、ヒールパーツもダヴデイルを使用。そして、オールデン、エドワード・グリーン、クロケット&ジョーンズ、サントーニ、チーニーと言った会社からも修理パーツを仕入れているそうです。また、毎月第3火曜日の19~21時にはシューケア教室も開いております。

【New Tailor(ニュー・テイラー)】
住所:Spiegelgracht 30, 1017 JS Amsterdam
価格:スーツは4つ、シャツは3つラインがあり、それぞれ作り込みや価格が異なります。英語可。
THE 8 SUITはハーフキャンバス。仮縫い1回。5-6週間で完成。スーツは699ユーロ~、ジャケット499ユーロ~、トラウザース249ユーロ~。
THE 16 SUITはフルキャンバス。仮縫い1回以上。5-6週間で完成。スーツは899ユーロ~、ジャケット649ユーロ~、トラウザース299ユーロ~。
THE 32 SUITはフルキャンバス。仮縫い1回以上。6-8週間で完成。スーツは1,899ユーロ~、ジャケット1,399ユーロ~、トラウザース549ユーロ~。
THE 48 SUITはフルキャンバス。仮縫い3回以上。12-16週間で完成。スーツは2,999ユーロ~、ジャケット2,299ユーロ~、トラウザース699ユーロ~。
THE 8 SUITとTHE 16 SUITは英国リーズの工房製のMTM。
THE 32 SUITはイタリア工房製によるハンドメイドの割合が多いMTM。
THE 48 SUITは自社工房製ビスポークで、THE 32 SUITよりもさらにハンドメイドの割合が多いそうです。
そして、8・16・32・48はそれぞれ2ピーススーツの製作時間を指しているそうで、例えば、THE 8 SUITの2ピーススーツ製作時間は8時間です。
THE 2 SHIRTはドイツのエマニュエル・ベルク製で、4週間で完成、149ユーロ~。
THE 4 SHIRTもエマニュエル・ベルク製で、デザインや生地の選択肢が増え、体型に応じたフィッティングで作成、5週間で完成、169ユーロ~。
THE 6 SHIRTはイタリアのMazzarelli(マツァレリ)製で、やはり体型に応じたフィッティングで作成で、手縫いの箇所もあって仕立ての質が上がり、6週間で完成、289ユーロ~。
そして、THE 4 SHIRTとTHE 6 SHIRTについては、6枚注文したら5枚分の料金でOKだそうで、嬉しいサーヴィスですね。

本店はユトレヒトで、アムステルダム店のショップマネージャーを務めるRaoul Mulder(ラウル・ミュルダー)さん。ニルス・カルフさんとも交流があり、カルフさんについて、「アムステルダム一の靴職人だ」と話しておりました(笑)。

サンプルのスーツです。

雰囲気はイタリアを感じさせます。

こちらはシャツのサンプル。

いわゆる袖の後付も行っており、シャツをより立体的に作りやすい方法ですね。

お店の半地下にある工房は外からも見える構造になっております。ここでTHE 48 SUITを作成しており、外注しているMTMの仕上げも行っているとの事。

職人さんによると、裁断は日本でも著名なミューラーシステムだそうです。つまり、ドイツ式ですね。

店内では、ネクタイ、カフリンクス、ブレイシーズだけでなく、ニットなどの既製のカジュアルウェアも販売されています。
アムステルダムのビスポーク関連のお店は、デザインや雰囲気が気取り過ぎない、くだけた遊び心を感じさせました。これもドラッグが合法で、法が緩やかなオランダの空気が、そうさせるのかもしれません。
※情報はいずれも、僕が訪問した2014年11月11日時点のものです。
※2015年11月5日午前1時頃、テキストの一部に訂正と追記、そしてニルス・カルフさんのトライアルシューズ画像等を追加しました。
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