Carlo Jösch Couturier and Sebastian Hoofs in Köln(ケルンのカルロ・ヨシュ・クチュリエとセバスチャン・ホース)
CATEGORY靴・服飾

【Carlo Jösch Couturier(カルロ・ヨシュ・クチュリエ)】
住所:Mohrenstraße 12, 50670 Köln
価格:ビスポーク・スーツ2,700ユーロ~。コート2,000ユーロ~。いずれも生地代別。
仮縫い4回。2回目以降の注文は仮縫い回数は減ります。6-8週間で完成。レディースも同価格。英語可。

66年生まれで、98年にケルンで独立開業された、オーナー兼マスターテイラーのCarlo Jösch(カルロ・ヨシュ)さんと、お弟子さんのSebastian Hoofs(セバスチャン・ホーフス)さん。ヨシュさんはチリ出身のため、スペイン語も可能です。

サンプルの一つ。これは生地にわざと洗いをかけ、そしてジャケットとして仕上がったら、さらにもう一度洗いをかけ、この工程で生地が柔らかくなってふっくらとし、色合いも落ち着いた雰囲気になるとの事。生地をわざと洗うのは90年代後半から始めたそうで、ヨシュさんならではの作風ですね。

さらに芯地を排したアンコン仕立てで、「カーディガンのように柔らかい」との事でした。

重厚な生地で仕立てたコート。

これも重厚な生地での仕立てで、わずかにコンケイブしたショルダーラインは男らしさ漂いますね。ヨシュさん自身も、こう言ったヘヴィウェイト生地やツイードが好みで、目付700gのツイード生地も扱っているそうです。ヨシュさんの作品からは、イングランドよりもスコットランド、ドレスよりもスポーティないしはカジュアルな雰囲気を感じました。でももちろん、お客さんの要望次第で、ドレスもモダンも受け付けるそうです。

ツイードがお好きだけあって、ディスプレイにもツイード生地を前面に押し出していました。

僕が伺った日にヨシュさんが履いていたのは、トリッカーズの外羽根フルブローグ。ツイードにも良く合う、ヨシュさんらしいセレクトですね。

ヨシュさんは初回の仮縫いにコットン生地で作った服を用います。フランスでしばしば見られる仮縫い方法ですね。

そして、2回目以降の仮縫いから本番の生地になります。


ヨシュさんは05年にスコティッシュ・キルトメイカー・アソシエイションから証明書を授与されているキルトメイカーでもあり、本場と同じくキルトを作っております。このキルトメイカーは、スコットランドでの特別なトレーニングを受けている人でないと名乗れないそうです。
何でも、ヨシュさんは子供の頃からスコットランド文化に興味があり、バグパイプも習っていたそうです。それで、キルトメイキングにも興味を持ち、スコティッシュ・キルトメイカー・アソシエイションの検査官である、William Bill氏よりキルトメイキングを学んだとの事で、これは非英国人としてはヨシュさんが初だそうです。


店舗内にある工房です。ヨシュさんはパターンメイキングも裁縫も、どちらも行うとの事。細腹は取らない事が多いですが、場合によってはつけるそうです。芯地は当然自作。

最後にもう一枚、カルロ・ヨシュさんとセバスチャン・ホーフスさんとの写真です。

【Sebastian Hoofs(セバスチャン・ホーフス)】
住所:Pützlachstraße 14, 51061 Köln
価格:ビスポークの2ピース・スーツ平均価格、3,500ユーロほど。生地次第で、もちろん高くも安くもなります。
仮縫いは3回か4回で、初回の仮縫いまで4日。僕がカルロ・ヨシュさんのアトリエにお伺いした際、お弟子さんだったセバスチャン・ホーフスさんが最近になって独立されました。14歳から修行を開始し、今年で28歳の若手です。仮縫いは、ヨシュさんと同じく初回はコットン生地で作成し、2回目以降は本番の生地で行うそうです。初回にコットン生地を使う理由は、お客が望むスタイルやフィッティングチェックはもちろん、生地の要尺があらかじめ分かるメリットもあるとの事。英語可。

英国スタイルらしいスリムなウエストラインがお好きと言う、ホーフスさんのスーツのサンプルです。生地はやや重めが好みだそうで、これはヨシュさんと似ていますね。もちろん、お客がライトウェイト生地を好むならば、そちらで作るそうです。


英国らしくも、トラッドよりもモダンな雰囲気がありますね。

ホーフスさんがもっとも好みのラペルである、セミピークドラペル。ドイツではフィッシュマウスと呼ぶそうです。フラワーホールのかがり穴をシャトルーズ・イエローにしているのは、お客がライニングと同色にして欲しいと言う要望からだそうです。
※カルロ・ヨシュさんの情報は、僕が訪問した2014年11月5日時点のものです。
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