Egon Brandstetter and Purwin & Radczun in Berlin(ベルリンのエゴン・ブランズテッターとプーヴィン&ラーツォン)
CATEGORY靴・服飾

【Egon Brandstetter(エゴン・ブランズテッター)】
住所:Chausseestraße 52, 10115 Berlin
価格:ビスポーク・スーツ2,800ユーロ~。カシミア100%生地のスーツで4,000ユーロ~。シャツは350ユーロ~。
仮縫い2回か3回。3ヶ月で完成。シャツは仮縫い1回で、2~3週間で完成。シャツは2回目の注文以降、仮縫いなしで可能。製作時間は、お客の要望次第で短縮も可能だそうです。スーツもシャツも自社工房製。レディースも作っております。使用生地は他のテイラー同様に、英国製やイタリア製、そして、レディースやライニング用に、フランスのHurelやBelinacもあります。英語可。

オーストリア出身で、76年生まれのオーナー兼マスターテイラーのEgon Brandstetter(エゴン・ブランズテッター)さん。14歳から修行を開始し、ロンドン、ウィーン、ケルン、ザルツブルクにてオペラハウスのための服を仕立て、そしてウィーンではプライヴェート客部門を担当していたため、各国政府の要人のスーツも多く仕立てたそうです。ウィーンで働いていた、「Art for Art(アルテ・フォー・アルテ)」では、50人以上もの仕立て職人が働いており、ブランズテッターさんはそこで多くの事を学び、また日本人も数名働いていたそうです。その後、ブランズテッターさんはローマ、フィレンツェでも活動され、08年にベルリンにて独立開業されました。ちなみに、店舗兼工房のデザインも、ご自身で行ったそうです。

薄く、軽く、柔らかく、スリムでナチュラルなライン、そしてモダンがハウススタイルとの事です。クラシックを標榜するビスポーク・テイラーが多い中、ブランズテッターさんは異彩を放ちますね。そのハウススタイルゆえ、裾幅20cmの細身のパンツや、ローライズパンツも作るそうです。
なぜモダンをハウススタイルとしているのか伺ったところ、ブランズテッターさんは答えて下さいました。
「自分たちの仕事は時代とともに歩まなくてはならないと考えており、私は現代的なパターンと技術を持っているので、それを使います。現在、私たちのニーズは異なっており、スーツはお客がイメージする最高の快適性を提供する必要があります。ハンドメイドである事は、私達の現代世界で今なお意義があり、ロボットではできない事が依然として多く存在します。手作業が多いのは、テイラーによる仕事である証明とも言えます。
個人的に思うのは、テイラーで最も重要なのは客の要望を理解する事であって、古い技術で何かの仕事をする事ではない。なぜなら、過去において、他のテイラーがやっている事なのだから。私たちは、全ての時間で新しい技術を編み出さなくてはならない。生地は毎年変わり、より繊細になっていく。テイラーならオープンマインドしなくてはならず、だから私は、多くの異なるテイラーで学び、その知識を得て、自分のスーツの改善開発に努めてきました」
ブランズテッターさんの技術をより進化させて、時代に合ったスーツを作りたいと言う、強い意志が伺えます。

軽さや柔らかさを重視して、肩パッドは使わず、薄い芯を2枚入れるだけだそうです。そのため、ご覧のとおり肩の部分も折り曲げられます。そしてブランズテッターさんは、「こんなに軽い!」と、ご自身のジャケットを手の平で放り上げたりしていました。
2ピーススーツの製作時間は60~80時間。ジャケットのハ刺しに袖付けや襟付け、ライニングの取り付け等、そしてトラウザースのウエストバンド製作の手縫いは、合計12000針に及ぶとの事。芯地は、もちろん自作です。

生地もシルク混やカシミア混など、柔らかく、ラグジュアリー感ある素材がお好きなようです。上はSuper180'sウールにカシミア混の高級かつしなやかな素材!

ライニングに用いられる、フランス製シルク。エルメスが使用しているのと同素材だそうです。日本製シルクもあります。そして、ライニングにキュプラやポリエステルと言った化学繊維は使用しないとの事。ブランズテッターさんのこだわりです。

ブランズテッターさん製のシャツサンプルです。

レディースを作っているせいもあるかもしれませんが、こう言った変則的なデザインのシャツも注文可能です。

シャツの袖付は手縫いです。

立体的に作られているがゆえ、ハンガーにかかっている状態でも、ネックが大きく外側へ曲線を描いていますね。

【Purwin & Radczun(プーヴィン&ラーツォン)】
住所:Tempelhofer Ufer 32 I 10963 Berlin
価格:3,800ユーロ~。シャツはミラノ近郊の工房製のMTMで、179ユーロ~。
仮縫い3回。2ヶ月で完成。生地は、他と同様に英国製やイタリア製はもちろん、ローデンクロスやトスカーナ製のカセンティーノも有。ビスポークは自社工房製で、既製はドイツ国内の別工房製。ネクタイはイタリア製。
デュッセルドルフ、ミュンヘン、フランクフルト、ニューヨークでも定期的に受注会を開いておられます。英語可。

オーナーでマネジメント担当のMartin Purwin(マーティン・プーヴィン)さん。工房長はアンダーソン&シェパードにて、カッターとして3年半修行した、28歳(伺った当時。今は29歳かな?)の英国人、James Whitfield(ジェイムス・ウィットフィールド)さん。会社自体が11年6月スタートと若いせいもあってか、ウィットフィールドさんだけでなく、工房で働く職人さんたちも皆20代であろう、若かったのが印象的です。この若手集団と言うのが、お店の特徴と言えるのかもしれません。なお、ウィットフィールドさんは12年1月より、お店に加入したそうです。

使用されるパターンです。基本的には、ご覧のとおり細腹は取らないそうで、この点はアンダーソン&シェパードと同じですね。ただ、ウィットフィールドさんは「自分のスタイルはアンダーソン&シェパードではない」と話しており、独自色を出したい意欲が見えました。

サンプルの一つ。直線的なショルダーラインは英国的ですね。ウィットフィールドさんは「Cross Shoulder(クロスショルダー)」と話しておりました。




作りかけの芯地。当然、自作しております。

前肩になるよう、しっかり処理されていますね。

肩入れ、袖付けと言った要所だけでなく、ジャケット裏のパイピング処理やポケット口も手縫いです。

既製服も取り扱っております。
※情報はいずれも、僕が訪問した、2014年10月24日~25日時点のものです。
※2015年10月21日、ブランズテッターさんの言葉などを追記しました。
個人的に思うのは、テイラーで最も重要なのは客の要望を理解する事であって、古い技術で何かの仕事をする事ではない。なぜなら、過去において、他のテイラーがやっている事なのだから。私たちは、全ての時間で新しい技術を編み出さなくてはならない。生地は毎年変わり、より繊細になっていく。テイラーならオープンマインドしなくてはならず、だから私は、多くの異なるテイラーで学び、その知識を得て、自分のスーツの改善開発に努めてきました」
ブランズテッターさんの技術をより進化させて、時代に合ったスーツを作りたいと言う、強い意志が伺えます。

軽さや柔らかさを重視して、肩パッドは使わず、薄い芯を2枚入れるだけだそうです。そのため、ご覧のとおり肩の部分も折り曲げられます。そしてブランズテッターさんは、「こんなに軽い!」と、ご自身のジャケットを手の平で放り上げたりしていました。
2ピーススーツの製作時間は60~80時間。ジャケットのハ刺しに袖付けや襟付け、ライニングの取り付け等、そしてトラウザースのウエストバンド製作の手縫いは、合計12000針に及ぶとの事。芯地は、もちろん自作です。

生地もシルク混やカシミア混など、柔らかく、ラグジュアリー感ある素材がお好きなようです。上はSuper180'sウールにカシミア混の高級かつしなやかな素材!

ライニングに用いられる、フランス製シルク。エルメスが使用しているのと同素材だそうです。日本製シルクもあります。そして、ライニングにキュプラやポリエステルと言った化学繊維は使用しないとの事。ブランズテッターさんのこだわりです。

ブランズテッターさん製のシャツサンプルです。

レディースを作っているせいもあるかもしれませんが、こう言った変則的なデザインのシャツも注文可能です。

シャツの袖付は手縫いです。

立体的に作られているがゆえ、ハンガーにかかっている状態でも、ネックが大きく外側へ曲線を描いていますね。

【Purwin & Radczun(プーヴィン&ラーツォン)】
住所:Tempelhofer Ufer 32 I 10963 Berlin
価格:3,800ユーロ~。シャツはミラノ近郊の工房製のMTMで、179ユーロ~。
仮縫い3回。2ヶ月で完成。生地は、他と同様に英国製やイタリア製はもちろん、ローデンクロスやトスカーナ製のカセンティーノも有。ビスポークは自社工房製で、既製はドイツ国内の別工房製。ネクタイはイタリア製。
デュッセルドルフ、ミュンヘン、フランクフルト、ニューヨークでも定期的に受注会を開いておられます。英語可。

オーナーでマネジメント担当のMartin Purwin(マーティン・プーヴィン)さん。工房長はアンダーソン&シェパードにて、カッターとして3年半修行した、28歳(伺った当時。今は29歳かな?)の英国人、James Whitfield(ジェイムス・ウィットフィールド)さん。会社自体が11年6月スタートと若いせいもあってか、ウィットフィールドさんだけでなく、工房で働く職人さんたちも皆20代であろう、若かったのが印象的です。この若手集団と言うのが、お店の特徴と言えるのかもしれません。なお、ウィットフィールドさんは12年1月より、お店に加入したそうです。

使用されるパターンです。基本的には、ご覧のとおり細腹は取らないそうで、この点はアンダーソン&シェパードと同じですね。ただ、ウィットフィールドさんは「自分のスタイルはアンダーソン&シェパードではない」と話しており、独自色を出したい意欲が見えました。

サンプルの一つ。直線的なショルダーラインは英国的ですね。ウィットフィールドさんは「Cross Shoulder(クロスショルダー)」と話しておりました。




作りかけの芯地。当然、自作しております。

前肩になるよう、しっかり処理されていますね。

肩入れ、袖付けと言った要所だけでなく、ジャケット裏のパイピング処理やポケット口も手縫いです。

既製服も取り扱っております。
※情報はいずれも、僕が訪問した、2014年10月24日~25日時点のものです。
※2015年10月21日、ブランズテッターさんの言葉などを追記しました。
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