Wien Bespoke Tailor(ウィーンのビスポーク・テイラー)
CATEGORY靴・服飾

【KNIZE(クニーシェ)】
住所:A-1010 Wien, Graben 13
価格:ビスポークスーツ5,000ユーロ~。ビスポークシャツ440ユーロ~。
スーツの仮縫いは3回、完成まで2ヶ月から4ヶ月。シャツは仮縫い2回、完成まで3週間。使用生地はスーツは英国かイタリア製。シャツ生地はイタリアとスイスが主で、英国製も少し。上画像の右がビスポークを受け付けている店舗で、左がブリオーニなどを扱う既製服の店舗。英語可。

クニーシェの現オーナー兼カッター、Rudolf Niedersüß(ルドルフ・ニダーズース)さん。昔は日本で、御幸毛織がライセンス販売していた既製もあったとお話されていました。

ビスポーク・スーツのサンプル。

こちらもビスポーク・スーツのサンプル。柔らかいドロップショルダーが特徴ですね。基本的には細腹は取らない、ナチュラルシェイプだそうです。

店内の様子。


シャツのカラーサンプル。

馬に乗った状態でのフィッティングをチェックするための、馬乗り台。

クニーシェのロゴマーク。ネクタイを結んでいるのが面白いですね(笑)。

右がエドワード7世御用達の証書。左がフランツ・ヨーゼフ御用達の証書。

【Zum Jockey Club(ザム・ジョッキー・クラブ)】
住所:Tegetthoffstrasse 7 1010 Wien
価格:スーツは2,500ユーロ~。シャツは140~250ユーロほど。
スーツは仮縫い3回で、3~4週間で完成。シャツは仮縫い1回で、仮縫いまで1週間かかり、さらに1週間後に完成。使用生地はスーツは英国かイタリア製が主で、ドイツ製も少しあるとの事。シャツ生地はスイスのアルモが多く、イタリアと英国製が少し。英語可。

現オーナー兼カッターのGerald(ゲハルド)さんとRobert Ruzicka(ロバート・ルジチカ)さん親子。チェコの家系だそうです。お召しになっているジャケットを見る限りだと、クニーシェ同様に緩やかなラインですね。

サンプルスーツはなかったので、仮縫い状態のスーツを撮影させて頂きました。


どちらかと言えば、シャツがメインビジネスで、こちらはシャツのカラーサンプル。

既製シャツやネクタイ、カフリンクスなども取り扱っております。

【Niedersuesz(ニダーズース)】
住所:Annagasse1, 1010 Wien
価格:全工程自社工房製のビスポークスーツは6,000ユーロ~。パターン作成は自社で、縫製はイタリアの工房製の、C.M. Frankラインのビスポークスーツは3,000ユーロほど。ビスポークシャツは380ユーロ~。
スーツは仮縫い3回。シャツは仮縫い1回で、トライアルシャツを作成。2回目の注文以降、仮縫い回数は減ります。C.M. Frankラインは8週間で完成、全工程自社工房製は12週間で完成。シャツは2~3週間で完成。使用生地はスーツは英国かイタリア製。シャツ生地はイタリアのアルビニやトーマス・メイソンが多く、スイス製もあり。上記のとおり、ビスポーク・スーツには二つのラインがあり、全工程自社工房製はオールハンドメイド、イタリア工房製のC.M. Frankラインはフィニッシュの工程はマシンだそうです。例えるなら、「全工程自社工房製はロールス・ロイス、C.M. FrankラインはベンツのSクラス」との事でした。英語可。

オーナー兼カッターのBernhard Niedersüß(バーナード・ニダーズース)さん。お名前からお察し頂けるとおり、クニーシェの現オーナーの息子さんです。07年より独立された、74年生まれの若手テイラー。カッターの仕事が主ながら、自ら縫製を手がける事もあるそうです。ちなみにお会いした日は、ルドルフ・シェア&ゾーネのビスポーク・シューズを履いておりました。
「コンサバ、そしてダイナミック」
「一目で興味を引きつつ、よく見たら、さらに関心するスーツ」
それがご自身のハウススタイルとの事。具体的に、下のチェックのスーツで例えて下さいました。

一目見て、スーツの美しさに目を引く。

そしてよく見ると、チェック柄が単色ではなく二色使いで、さらに関心を引く。そんなスーツがニダーズースさんのスーツとの事です。お父様とは違う、自分ならではのスーツを作りたい意欲が見えました。
ショルダーラインも、「クニーシェよりはストレートで英国風。でもAdmiral(海軍将官)じゃないよ」との事で、つまり、英国っぽさはありつつも、軍服ほど威圧感はないスタイル、と言う事と思われます。でももちろん、お客様の要望や体型が重視です。また、カシミア100%の柔らかいスーツ生地には肩パッドを排して、より柔らかい仕立てにしたりもするそうです。

芯地はもちろん自作。台芯はバス、麻、ウールの混紡との事でした。

スーツのパターン。クニーシェスタイルのように細腹のないナチュラルシェイプもあれば、ウエストのシェイプラインを強く出したい時は細腹を取るそうです。セロテープで修正している跡があるのは、ドイツ流型紙操作、いわゆるマニピュレーションを行っていると言う事でしょうか?(←推測です)

ニダーズースさん特注生地もあります。

店内の様子。

イタリア製ネクタイの販売もあります。

ハンティングジャケットのサンプル。シューティングの現場では、ジャケットがルーズフィットだと動きづらくなるし、木などにも引っかかって具合が悪い。だから、タイトに作るのが大切とお話されていました。

タイトながらも動きやすいように、背中にアクションプリーツを入れる、ハンティングジャケットならではのディテイル。

店内にあったサンプル。


ロシアのお客様が注文したスーツで、ジャケットの縁やカラーにはシルクを配しています。


シャツも作っておられますが、サンプルシャツはなかったので、上の仮縫い用シャツを撮影させて頂きました。
※情報はいずれも、僕が訪問した、2014年10月9日~11日時点のものです。
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