もう一年
CATEGORY靴・服飾

昨年の9月11日、僕は再び、靴と服を巡る大冒険に出ました。翌日から、靴や服のお店、工房の訪問を開始。あれから、もう一年経った事にびっくりです。
実のところ、出発前にはこのレックスロード事件の被害に僕も遭ってしまい、先行き不安だったのですが、とりあえず無事に出発できて、そして帰って来られて良かったです。
今回の旅でも、あの職人さんにこんな事を聞いておくんだった、あの事をもう一度調べ直したい、アポイントを取り損なって訪問できなかったとか、反省点は色々あるのですが、採った旅のルートについては、90点は付けられるかな、と思います。
ヨーロッパ長期旅行において、ヨーロッパ在住経験のある方からご助言された気をつけるべき事が、シェンゲン協定。
シェンゲン加入国については、あらゆる180日の期間内で最大90日間までしか滞在できないんですね。だが調べてみると、東欧と旧ソ連圏、英国とアイルランドはその対象国ではないため、そこを上手く利用して旅路を計画。
あと、個人的な希望として、ロシアの冬景色を見たかった事。
そして、クリスマスから年始はどこの工房、お店も閉まっているだろうから、その期間は物価の安い国に入って支出を抑える事。
これらが満たされるよう、色んなルートをシミュレートしました。結果としては、希望はほぼ満たされました。
特に、クリスマス前にヨーロッパでは一、二を争う物価の安い国、モルドヴァに入り、そのクリスマスはビスポーク関連のお店はないと思われる、未知の国、沿ドニエストル共和国を観光。それ以降から年始の休み明けまでは、モルドヴァとルーマニアの地方都市に滞在していたのは、我ながら上手い日程の組み方でした。

上画像は、ルーマニアの地方都市、バカウで寝正月していた僕です。
ルート計画の失敗としては、イースター休暇とメーデーが頭になく、その期間がブリュッセルとリヨンの滞在と重なってしまい、その二都市での、お店の訪問が上手く行かなかった事でしょうか。
さて、現在は帰国して、もう3か月経ちました。本来なら、もっとハイペースで旅の報告をWeblogでアップするつもりだったのですが、仕事が遅い事で定評のある僕なだけに、なかなかうまく行かず残念でございます。11年前の旅と同様に、靴や服について、得られた情報に外に出さないと、この旅の意義がないので早く出し切りたいです。
なお、旅の間では、僕が靴オタクになったばかりの大学三年生の頃、某有名靴店の元店長さんとの飲み会を思い出しました。思えば、あれは僕にとって、生まれて初めての(元)靴業界人とのお酒の席でした。
その元店長さんの、靴についての知識、見識、鑑識、経験の深さと広さに僕は圧倒されるばかり。あまりに凄すぎて、僕はまともに口すら開けず、ただひたすら頷いて聞く事しかできませんでした。
凄い人がいるなあ……。
飲み会が終わった帰路、僕は感嘆のため息が出るばかりでした。
後日、僕は飲み会のお礼のメールを送ると、その返信に、こう書かれていました。
靴の事については、山下さんの年齢の頃は今の山下さんより確実に知識がありませんでしたから、単に興味を持ってからの時間が長いだけで、私レベルならすぐに追い付くと思いますよ、今の方が情報もかなり多いですし。
(中略)
私の年齢になる頃にはもう想像もつかないレベルにいらっしゃるんじゃないでしょうか。
その元店長さんは、当時36歳でした。
そして、僕が今回の旅に出た時、僕は36歳。旅先で誕生日を迎えたので、もう37歳だけど……。
想像もつかないレベル、さて、どうかなあ。
旅で得られた情報が、多くの方にとって有益となれば幸いです。
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