Salzburg Bespoke(ザルツブルクのビスポーク)
CATEGORY靴・服飾
またまた大分日が経ってしまいましたが……。以前に書いたインスブルックに続き、ザルツブルクのレポートです。

【Johan&Domingo Handmade Shoes(ヨハン&ドミンゴハンドメイドシューズ)】
住所:Linzergasse 29, 5020 Salzburg
価格:既製で750ユーロ~。ビスポークで1,200ユーロ~。既成のラストを修正してのパターンオーダーは900ユーロ~。ビスポークの場合は仮縫いありで、採寸時は他のオーストリアのメイカーと同じく、フットプリントも採るそうです。
ブルガリア出身で、ウィーンでデザインや靴作りを学んだJohan(ヨハン)さんと、ポルトガル出身の底付け職人、Domingo(ドミンゴ)さんで設立されたビスポーク・シュー・メイカーです。英語可。現在の場所で8年営業されており、それ以前はウィーンで個人的に注文を取っていたとの事。現在は4名の職人さんで製作されているそうです。

【Johan&Domingo Handmade Shoes(ヨハン&ドミンゴハンドメイドシューズ)】
住所:Linzergasse 29, 5020 Salzburg
価格:既製で750ユーロ~。ビスポークで1,200ユーロ~。既成のラストを修正してのパターンオーダーは900ユーロ~。ビスポークの場合は仮縫いありで、採寸時は他のオーストリアのメイカーと同じく、フットプリントも採るそうです。
ブルガリア出身で、ウィーンでデザインや靴作りを学んだJohan(ヨハン)さんと、ポルトガル出身の底付け職人、Domingo(ドミンゴ)さんで設立されたビスポーク・シュー・メイカーです。英語可。現在の場所で8年営業されており、それ以前はウィーンで個人的に注文を取っていたとの事。現在は4名の職人さんで製作されているそうです。
ヨハンさんは柔らかい革を薦めてこられて、そう言った素材を揃えているのが、このお店の特徴かもしれません。もちろん、カーフもあります。冒頭画像のヨハンさんが持っているのは、鰻とアンテロープ(Antelope)のコンビシューズ。両方とも柔らかい素材で、特に鰻は扱っている革で一番柔らかく、そして、意外?な事に丈夫だそうです。

試しに指で押してごらんと言われ、押してみると、ご覧のとおり、確かに柔らかい素材でした。なお、押しているのは鰻革の箇所です。

こちらはアンテロープのチャッカブーツ。柔らかいだけでなく、艶も目立つ素材ですね。鰻革もアンテロープも、価格はレディメイドで800ユーロ。

こちらは、Goliath Tiger Fisch(ゴリアテ・タイガー・フィッシュ)の革。日本語は分かりません(笑)。価格はレディメイドで1250ユーロ。

名前のとおり、魚の革で、これも柔らかいです。

こちらは鮫革で、やはり柔らかいとの事です。価格はレディメイドで1400ユーロ。
他にも柔らかい素材として、カンガルー革もありました。また、ライニングも通常はカーフですが、柔らかい豚革を使う事もあるそうです。




一般的に、オーストリアの高級靴はショートノーズで重厚感ある雰囲気の物が多いですが、こちらではノーズ長めのモデルが多く、最近のイタリア靴に近い印象を受けますね。ご覧のように、パティーヌのような手作業での革の色付けも行っており、この作業を行う場合は、150ユーロほど値上がりするそうです。
製法は、基本的にハンドソーン・ウェルテッド製法ですが、出し縫いはマシンの、いわゆる九分仕立て。ただし、出し縫い機は調整がしやすい手動式を使用しているそうです。そして、アウトソールはヒドゥン・チャネルではない、オープントラック。ある程度工程を簡略化する事により、リーズナブルな価格を実現しておりますね。
ノルヴェジェーゼやマッケイ(ブレイク)製法も可能だそうですが、ノルヴェジェーゼはオールソール可能な回数が少ない事、マッケイ製法は雨水が浸透してくるからの理由で勧めないとの事でした。つまり、このお店でのノルヴェジェーゼ製法はウェルトがないタイプと思われます。また、マッケイ製法は雨が少ないイタリアでは適しているが、そうでない地域では不向きともお話しされておりました。
そして、フィラーは基本的にコルクですが、冬用にウールフェルトを用いる事もあるそうです。ウールフェルトだと暖かいとの事。


余談ですが、お店の床には、靴作りの際に出る、革辺が敷き詰められていました。これが良いクッション性で、見た目もオシャレ感あり、ナイスアイディアと思いました(笑)。
ヨハンさんと話していると、デザイナー気質が高い方で、クラシックな中にも、新しい雰囲気やデザインを取り入れていきたい意欲を感じました。
なお、ザルツブルクではあともう1件、ビスポーク・シュー・メイカーがあったのですが、僕の滞在期間中はずっと休みで訪問できませんでした……。

【Schliesselberger(シュリッセルバーガー)】
住所:Dreifaltigkeitsgasse 4, 5020 Salzburg
価格:カジュアル用ベルトで35ユーロ~。ドレス用ベルトで70ユーロ~。ビスポークでもレディメイドでも同価格。
革ベルトを主軸とした、革小物、革鞄のお店です。上画像の、店主のWolfgang Schliesselberger(ウォルフガング・シュリッセルバーガー)さんはベルト職人。英語可。元々は1820年にタンナーとして創業したそうで、その当時はお店の周りには、他にもタンナーがあったとの事です。しかし、1970年より革製品のお店に転進。ウォルフガングさんのお父様は鞄職人だったそうです。


ベルトは全て自社工房製。革鞄も扱っておりますが、こちらは全て、イタリアをはじめとした他社製だそうです。

レディース用のベルト。女性は体の曲線が強いため、よりフィットを高めるべく、上のようにカーブさせて作るそうです。


選べる革の種類は非常に豊富で、なんと400種類以上!上記のサンプルは一部です。素材もカーフだけでなく、バッファロー、パイソン、クロコダイル、スティングレイ(ガルーシャ)、オーストリッチ、オーストレッグ、スネーク、フェイクレザー、プリントレザーなど様々です。

選べるバックルも豊富で、イタリア製、スペイン製、フランス製など様々。電車やカメレオンなど、ユニークなバックルもありますね。また、バックルの持ち込みも受け付けているそうです。

さらに、ザルツブルクの業者が作るハンドメイドのバックルもあり、このハンドメイドのバックルだと、デザインの自由度もあるそうです。ハンドメイドのバックルは250ユーロ~。
ビスポークのベルトの納期は時期によって異なり、大体1~3週間。

【Jahn-Markl(ヤン・マルクル)】
住所:Residenzplatz 3, 5020 SALZBURG
1408年創業と、ザルツブルクで最も古い洋服屋さん。英語可。チロルジャケットやレーダーホーゼンと言った、チロルの伝統衣装中心の商品展開で、取扱品はすべてザルツブルク製。ディアスキンや、ゴートスキンの服もあります。ディアスキンのメンズジャケットで1,400ユーロ。安いジャケットで490ユーロから。ハンドメイドの技術も随所に取り入れているようです。


【Schneiders(シュナイダー)】
そして、ザルツブルクにおける有名服飾メイカーが、このシュナイダー社。あらかじめ、アポイントのメールを送っていたのですが、返信がなかったので、とりあえず会社まで行ってみると、なんと日本人社員の方が出て来て下さいました!お名前はHaider Yuki(ハイダー・由紀)さん。できれば、工場見学をしたいとお願いすると、工場はここにはないので不可だったのですが、色々と親切にご応対して下さいました。
由紀さんは僕が伺った時点でシュナイダー社に3年勤務しており、エージェントと製造の橋渡しが仕事だそうです。なお、後日ご連絡頂きまして、15年7月にご退職されたそうです。

※情報はいずれも、僕が訪問した、2014年9月24・25日時点のものです。

試しに指で押してごらんと言われ、押してみると、ご覧のとおり、確かに柔らかい素材でした。なお、押しているのは鰻革の箇所です。

こちらはアンテロープのチャッカブーツ。柔らかいだけでなく、艶も目立つ素材ですね。鰻革もアンテロープも、価格はレディメイドで800ユーロ。

こちらは、Goliath Tiger Fisch(ゴリアテ・タイガー・フィッシュ)の革。日本語は分かりません(笑)。価格はレディメイドで1250ユーロ。

名前のとおり、魚の革で、これも柔らかいです。

こちらは鮫革で、やはり柔らかいとの事です。価格はレディメイドで1400ユーロ。
他にも柔らかい素材として、カンガルー革もありました。また、ライニングも通常はカーフですが、柔らかい豚革を使う事もあるそうです。




一般的に、オーストリアの高級靴はショートノーズで重厚感ある雰囲気の物が多いですが、こちらではノーズ長めのモデルが多く、最近のイタリア靴に近い印象を受けますね。ご覧のように、パティーヌのような手作業での革の色付けも行っており、この作業を行う場合は、150ユーロほど値上がりするそうです。
製法は、基本的にハンドソーン・ウェルテッド製法ですが、出し縫いはマシンの、いわゆる九分仕立て。ただし、出し縫い機は調整がしやすい手動式を使用しているそうです。そして、アウトソールはヒドゥン・チャネルではない、オープントラック。ある程度工程を簡略化する事により、リーズナブルな価格を実現しておりますね。
ノルヴェジェーゼやマッケイ(ブレイク)製法も可能だそうですが、ノルヴェジェーゼはオールソール可能な回数が少ない事、マッケイ製法は雨水が浸透してくるからの理由で勧めないとの事でした。つまり、このお店でのノルヴェジェーゼ製法はウェルトがないタイプと思われます。また、マッケイ製法は雨が少ないイタリアでは適しているが、そうでない地域では不向きともお話しされておりました。
そして、フィラーは基本的にコルクですが、冬用にウールフェルトを用いる事もあるそうです。ウールフェルトだと暖かいとの事。


余談ですが、お店の床には、靴作りの際に出る、革辺が敷き詰められていました。これが良いクッション性で、見た目もオシャレ感あり、ナイスアイディアと思いました(笑)。
ヨハンさんと話していると、デザイナー気質が高い方で、クラシックな中にも、新しい雰囲気やデザインを取り入れていきたい意欲を感じました。
なお、ザルツブルクではあともう1件、ビスポーク・シュー・メイカーがあったのですが、僕の滞在期間中はずっと休みで訪問できませんでした……。

【Schliesselberger(シュリッセルバーガー)】
住所:Dreifaltigkeitsgasse 4, 5020 Salzburg
価格:カジュアル用ベルトで35ユーロ~。ドレス用ベルトで70ユーロ~。ビスポークでもレディメイドでも同価格。
革ベルトを主軸とした、革小物、革鞄のお店です。上画像の、店主のWolfgang Schliesselberger(ウォルフガング・シュリッセルバーガー)さんはベルト職人。英語可。元々は1820年にタンナーとして創業したそうで、その当時はお店の周りには、他にもタンナーがあったとの事です。しかし、1970年より革製品のお店に転進。ウォルフガングさんのお父様は鞄職人だったそうです。


ベルトは全て自社工房製。革鞄も扱っておりますが、こちらは全て、イタリアをはじめとした他社製だそうです。

レディース用のベルト。女性は体の曲線が強いため、よりフィットを高めるべく、上のようにカーブさせて作るそうです。


選べる革の種類は非常に豊富で、なんと400種類以上!上記のサンプルは一部です。素材もカーフだけでなく、バッファロー、パイソン、クロコダイル、スティングレイ(ガルーシャ)、オーストリッチ、オーストレッグ、スネーク、フェイクレザー、プリントレザーなど様々です。

選べるバックルも豊富で、イタリア製、スペイン製、フランス製など様々。電車やカメレオンなど、ユニークなバックルもありますね。また、バックルの持ち込みも受け付けているそうです。

さらに、ザルツブルクの業者が作るハンドメイドのバックルもあり、このハンドメイドのバックルだと、デザインの自由度もあるそうです。ハンドメイドのバックルは250ユーロ~。
ビスポークのベルトの納期は時期によって異なり、大体1~3週間。

【Jahn-Markl(ヤン・マルクル)】
住所:Residenzplatz 3, 5020 SALZBURG
1408年創業と、ザルツブルクで最も古い洋服屋さん。英語可。チロルジャケットやレーダーホーゼンと言った、チロルの伝統衣装中心の商品展開で、取扱品はすべてザルツブルク製。ディアスキンや、ゴートスキンの服もあります。ディアスキンのメンズジャケットで1,400ユーロ。安いジャケットで490ユーロから。ハンドメイドの技術も随所に取り入れているようです。


【Schneiders(シュナイダー)】
そして、ザルツブルクにおける有名服飾メイカーが、このシュナイダー社。あらかじめ、アポイントのメールを送っていたのですが、返信がなかったので、とりあえず会社まで行ってみると、なんと日本人社員の方が出て来て下さいました!お名前はHaider Yuki(ハイダー・由紀)さん。できれば、工場見学をしたいとお願いすると、工場はここにはないので不可だったのですが、色々と親切にご応対して下さいました。
由紀さんは僕が伺った時点でシュナイダー社に3年勤務しており、エージェントと製造の橋渡しが仕事だそうです。なお、後日ご連絡頂きまして、15年7月にご退職されたそうです。

※情報はいずれも、僕が訪問した、2014年9月24・25日時点のものです。
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