フォスター&サンによるヘンリー・マックスウェルスタイル完成

10日ほど前に、フォスター&サンのビスポーク・シューズ、三足目が到着しました!



いや~、良いですね。実に良い!いつも完成前は、「こんな具合に出来上がるかな?」と想像して、期待を膨らませているのですが、毎回、その想像を上回るカッコ良さで、嬉しさが爆発します!
そして、この靴を手がけて下さった、職人の松田笑子さんに感謝です。素晴らしいセンス!と。
過去の注文記事をご覧頂けますとおり、僕はビスポークする際、指定する事は最小限にとどめて、細かい点は職人さんにお任せする事が多いです。理由としては、僕みたいな素人がでしゃばって意見するよりも、職人さんのセンスと腕前と知識と見識と経験等、つまりフォスター&サンの場合、松田笑子さんのセンスと腕前と知識と見識と経験等を信じた方が良いと思うからです。そして今回も、信じて良かったと実感しております。


アウトソールについても、「サンプルと同じにして下さい」と言っただけで、他は特に指定はしていなかったのですが、ドレスシューズだから、と言う事でしょうか、アウトソールはフィドルバックっぽい湾曲(セミフィドル?)で仕上がっていました。と言うか、サンプルもこう言ったソールなのかな?覚えていません(笑)。手間をかけて下さった、お心遣いがありがたいですね。僕の場合、いかにもこれみよがしな、ガッチリ角の付いたフィドルバックは好きではないので、このような柔らかい湾曲で良かったです。先方も、僕が「これみよがしは好みではない」と言うのを理解して、このような仕上げにして下さったのかもしれません(笑)。

こちらも指定していなかったのですが、ヒールはシームレスとなっており(仮縫い時は気付かなかった)、日本人が好みそうな仕様と、気を使って下さったのかもで、ありがたいです(笑)。フォスター&サンの場合、ヒールにシームが入るのが標準仕様だと思っていたので、少し驚きました。何でも、今回のようなスリークォーターブローグの場合、ヒールも2枚革なので構造上の強度は問題ないためだとか。とは言え、踵のシームはあった方が、パターン上では立体が出しやすいので、さて、シームレスヒールと言う事で、踵のフィットは大丈夫か気になるところですが、現状では、踵のフィットが甘くなったとは感じません。シームレスヒールでも、立体を出し方を知っている、フィットのさせ方を知っているメイカー、と言う事でしょうね。
なお、画像では、踵中央にうっすら線が見えますが、これはシームではなく、何かしら作業の際についてしまった跡と思われます。
今回のデザインは以前にも書いたとおり、ヘンリー・マックスウェルのサンプルを基に注文しまして、下がそのサンプル画像です。

そして、完成品がこちら↓。

そのサンプルを、真下から撮影した画像。

そして、完成品がこちら↓。

再現度高し!
この点も嬉しかったですね~。僕の靴の方が、少し幅があるかな?と言う感じですが、ビスポーク・シューズの場合、靴のフォルムはお客の足型ありきですし、さらにハンドメイドなわけですから、まったく完璧に同じになるわけがありません。むしろあまり細すぎるより、このくらいの方がちょうど良いですね。これだけしっかり再現して頂けて、ひたすら満足!松田さんを信じて良かったと、やはり思います(笑)。ちなみに、僕の足のサイズは、クロケット&ジョーンズの330ラストで6E、オールデンのバリーラストで6Dです。

インソックスのロゴも、今回はヘンリー・マックスウェルにして頂きました。

シュー・トゥリーも高級感ある、美しい仕上がり!靴への収まり具合もバッチリです。

今回は三足目の注文となるわけですが、箱が以前までと異なっており、このような引き出し型となっておりました。従来と比べて、収納に役立ちそうですね。

引き出し部には、開けやすいように紐と、管理するためのカード?とかを入れられるビニールが付いております。
肝心の履き心地については、まだ室内で数時間ぐらいしか履いてないものの、現状では良好です(当然?)。アーチ部の押し上げは、これまで注文したフォスター&サン三足の中では一番感じますね。仮縫い時に感じた不具合も、しっかり修正されており、「きつい」とか、「当たる」と感じる箇所もありません。
ただ、シングルソールではあるものの、一足目のシングルソールと比べて、ソールの返りが硬いです。返りが硬い理由は色々考えられますが、履き馴らしていくうち、柔らかくなるのかもしれませんね。

なお、今回、トップリフトはオールレザーの釘打ちで注文していまして、これで歩行した時、どうなるのかも楽しみです(笑)。
僕はいずれ、フォスター&サンにて、ごく普通の黒のキャップトウを注文したいなと考えているのですが、一足目のトウラインにするか、今回の三足目のトウラインにするか、迷いますね。どちらも良くって(笑)。でもまずは、この三足目の残金分のクレジット・カード引き落とし日まで倹約生活……。

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