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サッカー元ブラジル代表選手真実の言葉

「この人、凄いな。まるで靴と友達になっているかのようだ。会話すらできてしまうかのようだ」

それは15年前、とある某有名靴店の元店長さんと、呑みに行った時の事。僕はその元店長さんの靴との接し方を見て、そう感じたのです。もちろん、その元店長さんが、靴に対して話しかけたりしていたわけではなく、"まるでそう見えた"と言う、例えです。

当時の僕は、高級靴を所有するようになって、ようやく1年経つか経たないかと言う頃。何しろ大枚を叩いて、やっとの思いで入手した高級靴。大事に、大事に、大事に、大事に、ただひたすら大事に!するしか脳がありませんでした。

でも、その元店長さんは違いました。会話が弾んでくると、所有されている某英国ビスポーク・シューズを、飲み会のお座敷の片隅に放置。

「たかが靴です」

そう言って、やたらと大事にする様子はなし。でも、そのビスポーク・シューズの輝きを見ると、しっかり手入れされているのは容易に想像がつきました。

そして、この元店長さん、靴の話になると、靴に対して、誉めたり、厳しかったり、優しかったり、適当だったり、突き放したり……。靴へのスタンスが、まるで友達と接しているかのよう。

「ボールとトモダチになるんだ」

小学生の時に読んだ、サッカーの本に書かれていた言葉を思い出しました。



サッカーの元ブラジル代表選手が、サッカーが上手くなるにはどうしたら良いのか問われ、そう答えていたんですね。そして、その言葉は真実だったと実感しました。

サッカー選手と靴マニアは違うものの、「愛用品を使う」と言う点では同じ。そしてこれこそが、愛用品との正しい接し方、こう言う域に達してこそ本物ではないのか。僕もこのように、高級靴と向き合って行きたい。そう思ったものです。でも、何しろ高級品ですから(笑)、なかなかすぐにそうは行きません。

なお、この元店長さん、靴への知識、見識、鑑識、経験も豊富かつ幅広で凄かったです。何もかもが違う領域にいらっしゃったので、とにかく圧倒された日でした……。考えてみれば、僕にとって生まれて初めて、(元)靴業界の方とお酒を呑んだ日でもありましたね。

さて、僕が高級靴を趣味とするようになって月日は経ち、靴の手入れも繰り返し行っていくわけですが、当初は、靴磨きのマニュアル本を読み、それに書かれていたペースで手入れをしていただけだったのが、そのうちだんだんと、本に頼らざるとも、革の状態を見たら、靴がクリームを欲しているのか、分かるようになってきたんですね。

「そろそろクリームが欲しいなあ~」

それはまるで、靴がそう言っているかのようでした。

そこで、靴クリームを塗ってやる僕。でも塗りすぎると、それ以上、クリームが革に浸透しない。

「そんなに、クリーム入らないって」

まるで、靴がそう言っているかのよう。気付いた時には、靴が僕に色んな声をかけてきました。

「まだくたびれているから、もう2・3日休ませて欲しいなあ~」
「このくらいの雨なら、へっちゃらさ!」
「雨に濡れたせいで収縮しちゃったよ。今、ツリーを入れたらキツイ。クリームを入れて柔軟性を持たせた後、少しづつ伸ばして!」

そう言った声が聞こえるようになった時、僕はあの元店長さんの姿が目に浮かびました。そして、少しはあの方の域に近付けたかな?と言う気がしました。

靴の声が聞こえるとか言っている自分、ちょっとカッコ悪い。と言うか、危ない。

そう思ったりもします。

でも、どんな物でも、ある程度知るようになってくると、会話ができるようになりますよね。

「材料の声が おのずから料理の完成形を決めてくれるよ」

博多の料理店、「なかえ」の店主さんも、昔、そう話していました。

服についても、

「もうしばらくハンガーにかけて~」
「そろそろブラッシングして~」
「クリーニングに出そうよ」

そんな声が聞こえてきます。

PCとも会話できるようになりますよね。

「そろそろ落ちそう(フリーズしそう)だぞー」
「それやったら、動作遅くなるぞー」
「不要なファイル、削除してくれ~」

とか。

僕は珈琲も好きなのですが、その珈琲も何度も自分で挽いてドリップしているうち、声が聞こえるようになりました。

「飲み頃まで、もう少しだよ~」
「飲み頃来たよー」
「早く飲まないと、風味抜けるよー」
「十分蒸らされたよ!お湯を注ぐのは今だ!」
「お湯注ぐの、早すぎだよー」

とか。

さらに僕は、昨年夏から、日本酒を多く呑むようになったと、このWeblogで書きましたが、最近では、その日本酒からも声が聞こえるようになりました。

「そろそろ飲み頃だよ~」
「まだまだ飲み頃、ずっと先!」
「もっと温度上げた方が良いよ~(燗酒)」
「温度上げすぎ!風味が崩れちゃうよ~」

とか。

もっとも、僕が日本酒を頻繁に買うようになって、まだ半年ほど。そんなに早く声が聞こえてくるのかよ?と自分でも半信半疑なのですが、とりあえず聞こえてきます。ひょっとしたら、空耳かもしれません。

例えば靴やPCの場合、僕は声が聞こえるようになるまで、3年ぐらいかかりました。

しかし、珈琲については1年と少し経ったぐらいで声が聞こえるようなりました。この手の感覚は、いったん掴んだら早いのかもしれません。あと、20代と30代の違いも大きいかもしれませんね。

聞こえて来る声は、月日が経つに連れて増えて行きます。特に日本酒については、これからどんどんヴァラエティに富んでくるのでしょうね。

余談ですが、前述のサッカー元ブラジル代表選手は、「ボールはまだ生きているぞ」と言う名言も残しております。僕はこの言葉も凄く好きです。「望みある限り、最後まで諦めるな」って事ですね。この名台詞に比べれば、「諦めたら終わり」と言う当たり前すぎる事を、「試合終了」と言う類義語に言い換えただけの、何の変哲もない台詞、ウンコチンチンですよ。

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