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日本酒は想像以上

花純米吟醸

埼玉県の地酒の中でも、ここ最近、人気急上昇しているのが南陽醸造さんの「花陽浴」だそうで、生産量がとても少ない事もあり、取扱店でも品薄状態のようです……。

そして、その「花陽浴」の姉妹品であり、ネット情報の受け売りですが、「花陽浴」の"責め"に当たる部分が、冒頭画像にある「花」です。これもあまり売られていないのですが、僕は偶然見つける事ができ、購入しました。価格は一升2,500円と、「花陽浴」と比べて安い設定です。

ところがこれ、安めながらも美味しいんですよ。濃厚な味わいで、これが"責め"らしさでしょうか。姉妹品でもこの美味さ、南陽醸造さん、恐るべしです……。「七田」の純米山田錦・麗峰65%(2,520円)と、「風の森」の純米秋津穂65%(2,194円)とともに、「この価格でこの美味さ」と感じました。もっとも、僕は極めて経験不足なので、知ってる範囲はかなり狭いですが……。

さて、「花陽浴」では、冷たい状態で呑むのをお薦めしており、僕も「花陽浴」はそのようにして呑む事が多いのですが、この「花」については、日向燗~人肌燗ぐらいで呑むのが僕の好みです。熱を少々加える事により、フルーティな甘酸っぱさが際立って良いのです。

どう言った飲食物でも、温度によってその味わいは変化しますが、多くはある程度決まった温度で楽しむ物でして、日本酒のように楽しむ温度が幅広いのは、その特徴の一つですよね。そして、飛び切り燗、熱燗、上燗、ぬる燗、人肌燗……などなど、5℃づつ細かく温度設定があるのは、日本らしいなーと思います。

「日本文化は細かくないと!」
「そうですよね!誰も気付かれないようなところにもこだわってこそ、日本文化ですよ!」

僕がよく利用する酒屋の店主さんと、おこがましくも、そんな話をした事があります。日本酒も和食だけあって、繊細複雑玄妙ですね……。

和食がいかに繊細か、京都育ちのみなもと太郎先生が、ご著作の「挑戦者たち」にて描かれていたエピソードを思い出します。

「だいたい京都料理てあれ何やねん 味もなーんもせえへんやんけ」
(中略)
「京料理は舌で食べるもんじゃない 香りを味わうものなのだよ……」

そして、上記の中略部分において、みなもと先生が京都料理の素晴らしさを感じた、経験談を描いておられました。

何年か前に観たテレビ番組(テレビ東京だったと思う)では、インド人さんとロシア人さんが、とある有名店のとろろ芋を食べて、「味がしない」とコメントしていました。とろろ芋ならではの繊細な味わいが、お二人には捉えられてないようでした。

そう言えば、外国人さんは寿司を食べる際、やはり、「味がしないから」が理由で、醤油を付けすぎる傾向がありますよね。

僕も味覚が鈍感なので、日本酒の味が、まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ超全然分かってないですし、温度や経年による変化まで知ろうとするとなると、果てがまったく見えません。

日本酒は想像していた以上に奥が深いと、実感している真っ最中です。
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