フォスター&サンにてヘンリー・マックスウェルスタイルの仮縫い

13日に、フォスター&サン、三足目の仮縫いに行って参りました。

三足目は以前に書いたとおり、ヘンリー・マックスウェルスタイルでお願いしておりまして、仮縫い時点では、理想どおりのショートノーズ・ラウンドトウと、今から期待が高まっております(笑)。

トウのメダリオンも、サンプルそのままにして頂きました。
もちろん、フィッティングも以前より向上しており、元々異次元だったフィット感が、さらに自分の知らない世界を見せてくれそうで、自ずと気分も高揚します(笑)。ただ、左足の履き皺が深すぎて足を刺してしまう事と、右足側面に若干タイトな部分があったので、その点は修正をお願いしました。そして、二足目の仮縫い時と同様、僕自身でも気付いてない、修正するべき箇所があったようで、担当職人の松田さんは何度も靴を触っては、メモを書き込んでおられました。

フォスター&サンに正社員勤務されて、もう12年目となった松田笑子さん。日本人女性ながら、ロンドン最古のビスポーク・シュー・メイカーにて、長く工房長を務めておられる、何とも格好良く、そして凄い方です。フォスター&サン、そしてテリー・ムーアさんが長年培ってきた、膨大な技術、製作情報、知識、経験、手法、コツなどなどを継承し、実践、活用されているのが、靴職人としての大きな強みでしょう。現在では、英国ビスポーク・シュー・メイカーの仕事に携わった経歴がある、日本人靴職人さんも珍しくないですが、その中でも、おそらく最高実績の持ち主。他分野を見渡しても、ここまで道を切り拓いた方はなかなかいないと思うのですが、ご本人はいつも控えめです(笑)。

フォスター&サンのサンプルシューズ、手前にある三足は、テリー・ムーアさんが手がけた物だそうです。要するに、テリー・ムーアスタイルですね。

リピーターのお客さん限定で提示されておりました、リアル・ケープ・バック。つまり、雄鹿の革ですね。ヘンリー・マックスウェルの在庫から出て来たそうです。ご覧のとおり、起毛素材ですが、他のスウェード・レザーと比べて柔らかさが段違い!でして、さぞかし履き心地にも好影響を及ぼすのだろうなと思いました。
そして個人的には、今では希少なホワイトバックス(右から3枚目)が目に付きました。クラシック好きの方から、コレスポンデント・シューズで注文が入っているのでは?と思いましたが、実際のところは、この革であまり注文は入ってないそうです(笑)。ホワイトバックスは手入れが面倒なだけに、やはり上級者向けの素材と言う事でしょうか……。
なお、上画像にある革、全てがリアル・ケープ・バックではなく、カーフ・スウェードも混じっております。

こちらも、ヘンリー・マックスウェルの在庫から見付かった、型押し加工されたカール・フロイデンベルグ。パッと見た感じは、僕が持っているウィロー・カーフとも似ていて、カントリー・シューズに合いそうな雰囲気ですね。
フォスター&サンのトランクショー、今回も楽しんで会場を後にしました。あとは完成を待つばかりです!
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