若き天才と百戦錬磨の名手、その一瞬の攻防
CATEGORY野球以外スポーツ
ロンドンオリンピック、今回も面白かったですね。選手の皆様、お疲れ様でした。
以前にも書きましたが、僕が今回の五輪で一番注目していたのはなでしこジャパンです。銀メダルおめでとうございます。表彰式でのなでしこジャパンの明るいパフォーマンス、爽やかな表情、とても素敵でしたね。
そして五輪後も、澤選手が現役でいてくれるのが嬉しいです。まだまだ世界トップクラスのプレイヤーですし、今回の五輪でも、「次の五輪も出られるんじゃないの?」と思えるほどの活躍でした。本当にカッコ良い方です……。
さて、今回の五輪において、僕が観た中で一番印象深いシーンは、女子サッカー決勝戦にて、途中出場した岩渕真奈選手がホープ・ソロ選手にシュートを阻まれたシーンです。
それは後半38分、アメリカ代表DF、ランポーン選手がボールを受けようとした瞬間、わずかな隙を逃さず、一瞬で詰めてボールを奪い取る岩渕選手、素晴らしいスピードとセンス。
以前にも書きましたが、僕が今回の五輪で一番注目していたのはなでしこジャパンです。銀メダルおめでとうございます。表彰式でのなでしこジャパンの明るいパフォーマンス、爽やかな表情、とても素敵でしたね。
そして五輪後も、澤選手が現役でいてくれるのが嬉しいです。まだまだ世界トップクラスのプレイヤーですし、今回の五輪でも、「次の五輪も出られるんじゃないの?」と思えるほどの活躍でした。本当にカッコ良い方です……。
さて、今回の五輪において、僕が観た中で一番印象深いシーンは、女子サッカー決勝戦にて、途中出場した岩渕真奈選手がホープ・ソロ選手にシュートを阻まれたシーンです。
それは後半38分、アメリカ代表DF、ランポーン選手がボールを受けようとした瞬間、わずかな隙を逃さず、一瞬で詰めてボールを奪い取る岩渕選手、素晴らしいスピードとセンス。
そしてゴールへ一直線、一対一の決定的な場面。
しかし、迫って来る相手DF。本来なら、もう少しゴールとの距離を詰めたい。さらにドリブルしてDFやGKも抜き去る選択肢はあるが、失敗したらチャンスが潰える。このタイミングでのシュートは正解の一つだ。岩渕選手はDFの足が届く直前にシュート体勢。
一方、相手GKのホープ・ソロ選手は岩渕選手の左半分に立ちはだかってニアサイドを完全に消去。シュートコースをファーサイドに限定。ファーサイドへのシュートを誘っているとも言える。ファーサイド以外にコースがあるとすればGKの股下だが、あまりに危険が大きい。
そうなれば、狙うはソロの術中と分かっていても、ファーサイドの上か下(足元)。GKの後方にはDFがカヴァーに来ており、下を狙ってゴロになると、シュート力が弱まってクリアされる可能性が出てくる。
となれば、ファーサイドの上。上はGKが捕りやすいコースだが、何しろ一対一の場面、飛ぶタイミングが外れればシュートが決まる。
そのタイミングをずらすためにフェイントを入れるか?いや、そのワンフェイントでDFのゴールカヴァーが追い付く可能性がある。すぐにシュートだ。そのシュートは枠内ギリギリを狙うか、いや、狙いすぎて枠外に行くのも怖い。力ずくのシュートで突破しても良い場面だ。
果たしてソロ選手はそこまで全てを読んだのか、タイミングもコースも全て合致してのファインセーブ!
時間にしてほんの5秒ほど、しかしそのわずかな間に、若き天才と百戦錬磨の名手、幾多の駆け引きが凝縮された攻防でした(一対一の場面ってそう言うものなんだろうけど)。
岩渕選手はつまらないミスを避けようと、難しいプレイは一切排除、これも正解の一つと言えるプレイでした。そして、岩渕選手が小細工をしてこないのを見て、ソロ選手は安全策で来ると読めたのかもしれません。ソロ選手の勝利でした。
試合終了後に岩渕選手、号泣していましたね……。あの決定的な場面を作り出しただけでも見事なのですが、それでもシュートに責任を感じる、自分への厳しさに心を揺さぶられました。
さらに驚いたのが、帰国後のなでしこジャパンの会見でも、岩渕選手は唯一人、涙をぬぐいながらコメントをしておりました。おそらく、あのシュートを外したのを未だに悔やんでいるのだと思います。そして五輪終了後、岩渕選手は休む事無く、すぐに練習に入ったそうですね。
思い返せば、昨年の女子W杯決勝戦でも、終了間際、岩渕選手は自らのパスミスでピンチを作り出してしまい、そのピンチによって生まれたFKに、岩渕選手は小さな体を投げ出して止めに行ってました。
凄まじい才能と、凄まじい責任感の強さ、以前から書いているとおり、僕は岩渕選手のファンなのですが、ますます岩渕選手の将来が楽しみになって来ました。今は屈強な体格の欧米選手に、フィジカルで負ける場面が目立ちますが、同じ身長ながらフィジカルも強い大野忍選手のように、何とか克服して欲しいものです。
あの決勝戦、ソロ選手との勝負が、岩渕真奈選手の歴史において、一体どう言う意味を持ってくるのでしょうか……。
泣くな岩渕、次だ天才!次のバロンドール!
しかし、迫って来る相手DF。本来なら、もう少しゴールとの距離を詰めたい。さらにドリブルしてDFやGKも抜き去る選択肢はあるが、失敗したらチャンスが潰える。このタイミングでのシュートは正解の一つだ。岩渕選手はDFの足が届く直前にシュート体勢。
一方、相手GKのホープ・ソロ選手は岩渕選手の左半分に立ちはだかってニアサイドを完全に消去。シュートコースをファーサイドに限定。ファーサイドへのシュートを誘っているとも言える。ファーサイド以外にコースがあるとすればGKの股下だが、あまりに危険が大きい。
そうなれば、狙うはソロの術中と分かっていても、ファーサイドの上か下(足元)。GKの後方にはDFがカヴァーに来ており、下を狙ってゴロになると、シュート力が弱まってクリアされる可能性が出てくる。
となれば、ファーサイドの上。上はGKが捕りやすいコースだが、何しろ一対一の場面、飛ぶタイミングが外れればシュートが決まる。
そのタイミングをずらすためにフェイントを入れるか?いや、そのワンフェイントでDFのゴールカヴァーが追い付く可能性がある。すぐにシュートだ。そのシュートは枠内ギリギリを狙うか、いや、狙いすぎて枠外に行くのも怖い。力ずくのシュートで突破しても良い場面だ。
果たしてソロ選手はそこまで全てを読んだのか、タイミングもコースも全て合致してのファインセーブ!
時間にしてほんの5秒ほど、しかしそのわずかな間に、若き天才と百戦錬磨の名手、幾多の駆け引きが凝縮された攻防でした(一対一の場面ってそう言うものなんだろうけど)。
岩渕選手はつまらないミスを避けようと、難しいプレイは一切排除、これも正解の一つと言えるプレイでした。そして、岩渕選手が小細工をしてこないのを見て、ソロ選手は安全策で来ると読めたのかもしれません。ソロ選手の勝利でした。
試合終了後に岩渕選手、号泣していましたね……。あの決定的な場面を作り出しただけでも見事なのですが、それでもシュートに責任を感じる、自分への厳しさに心を揺さぶられました。
さらに驚いたのが、帰国後のなでしこジャパンの会見でも、岩渕選手は唯一人、涙をぬぐいながらコメントをしておりました。おそらく、あのシュートを外したのを未だに悔やんでいるのだと思います。そして五輪終了後、岩渕選手は休む事無く、すぐに練習に入ったそうですね。
思い返せば、昨年の女子W杯決勝戦でも、終了間際、岩渕選手は自らのパスミスでピンチを作り出してしまい、そのピンチによって生まれたFKに、岩渕選手は小さな体を投げ出して止めに行ってました。
凄まじい才能と、凄まじい責任感の強さ、以前から書いているとおり、僕は岩渕選手のファンなのですが、ますます岩渕選手の将来が楽しみになって来ました。今は屈強な体格の欧米選手に、フィジカルで負ける場面が目立ちますが、同じ身長ながらフィジカルも強い大野忍選手のように、何とか克服して欲しいものです。
あの決勝戦、ソロ選手との勝負が、岩渕真奈選手の歴史において、一体どう言う意味を持ってくるのでしょうか……。
泣くな岩渕、次だ天才!次のバロンドール!
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