まさか日本人が、サッカーで世界の頂点に立てる日が来るなんて……
CATEGORY野球以外スポーツ
「ボクたち日本は そのW杯に まだ一度も出場した事がありません」
(中略)
「だけどボクたちの夢は そのW杯で優勝することです」
以上はたった24年前、1988年に大空翼選手が述べた、国際Jr.ユース大会での優勝インタヴューです。
「そんなの日本ごときが無理だよ。実現するとしたら、真面目に100年先じゃないの」
大空選手のインタヴューに対して、僕は本当にそう思っていたんですが、こんなにも早く、澤穂希選手が実現しました……。
昨年のW杯優勝、MVP、得点王に続き、先日、"バロンドール"こと、FIFA年間最優秀選手賞も受賞。
澤穂希は大空翼を超えた。
(中略)
「だけどボクたちの夢は そのW杯で優勝することです」
以上はたった24年前、1988年に大空翼選手が述べた、国際Jr.ユース大会での優勝インタヴューです。
「そんなの日本ごときが無理だよ。実現するとしたら、真面目に100年先じゃないの」
大空選手のインタヴューに対して、僕は本当にそう思っていたんですが、こんなにも早く、澤穂希選手が実現しました……。
昨年のW杯優勝、MVP、得点王に続き、先日、"バロンドール"こと、FIFA年間最優秀選手賞も受賞。
澤穂希は大空翼を超えた。
そう言っても過言ではないと思います。男女の違いはありますけども。日本サッカー界において神聖不可侵な存在、大空翼を超える選手が、まさか本当に現れるなんて……。
僕がこれまで見てきた日本人サッカー選手で、間違いなく最高の才能、30年に一人の天才選手と思ったのが、小野伸二選手。
しかし、その小野選手ですら、世界一になれるほどとは思いませんでした。日本において30年に一人の天才ですら、世界一にはなれないのが、サッカーと言う競技における、日本人の限界だろうと僕は思っていました。
日本人がサッカーで世界一なんて、僕が生きているうちに、一度でも見れたら御の字。本気でそう思っていたのです。
しかし、女子サッカーを観て、「おや?」と思いました。
岩渕真奈選手です。
「この選手、もしかしたらアジア人で初めて世界を制する選手になるかもしれない」
そう思いました。男子で世界一は無理でも、女子サッカーに光明を見出したものです。
しかし、その岩渕選手より早く、澤穂希選手が成し遂げたのですね……。
澤選手は、僕より一つだけ年下です。前述した、1988年の大空選手のインタヴューをご存知でしょうか。
大空選手のインタヴューを聞いて、「無理無理」と思った、当時子供だった僕。
同じく子供だった澤選手、もし大空選手のインタヴューを聞いていたとしたら、どのように思い、どのように感じ、そしてどのように道のりを経て、現在の栄冠まで辿り着いたでしょうか……。
澤選手の今回のバロンドール受賞をきっかけに、昨年の女子W杯決勝戦、録画していたVTRを観直しました。
何度観ても、あの延長同点ゴールは感動しますね。ジョホールバルでの岡野選手のゴールも感動したけど、その数倍良い。あの澤選手のゴールぐらい感動した日本のスポーツシーンって、09年WBC決勝、イチロー選手の延長10回決勝タイムリーツーベースぐらいしか思いつかないです。
あと改めて観ると、CBの岩清水選手のボール奪取能力、対応力が凄いですね。抜群の読みと技術でガンガン止めてて、華奢で体も大きくないのに、CB起用されているのがよく分かります。アメリカ代表チームはあの試合、何度もワンバック選手の頭上目がけてセンタリングして来ましたが、あのレッドカードを受けるわずか1分前、意表を突いてグラウンダーでセンタリングして来ました。しかし岩清水選手は、それもスライディングで阻止!地味ながらも素晴らしいプレイでした。あの決勝戦、影のプレーヤー・オブ・ザ・マッチですね。
そして、W杯優勝となるPKを決めた、熊谷紗希選手。
「あの子、20歳なんですけど、あんな大きな舞台で、あんなに余裕でできるって凄い。頼もしかった」
W杯終了後、澤選手が「徹子の部屋」にて話しておりました。
澤選手も20歳の時は代表選手でしたが、その時は世界一なんて夢の世界。しかし、それから12年後、自分より一回り年下、20歳のチームメイトの堂々としたプレイに、サッカー女子日本代表は本当に強くなったと実感しているように見えました。
過去20年にわたる、サッカー女子日本代表の写真が掲載されているBlogを発見しました。とにかく圧巻なのが、いくら時代を遡っても、延々と映り続ける澤選手の姿。
野田朱美選手、高倉麻子選手の時代から、既に代表のレギュラー。実際、澤選手は90年代半ばから、高校生の代表選手と、しばしばテレビで紹介されていました(当時は日本テレビにて、よく読売ベレーザの選手が登場していました)。澤選手が18年代表を務めていると分かっていても、それでも改めて見ると、やはり別格と感じます。
あのW杯決勝の解説を務めた野田朱美さんをはじめ、往年のサッカー女子日本代表の皆様は、かつての妹分であり、昔から将来を嘱望されていた澤選手が、ついにW杯決勝に立ち、栄冠を手にするその瞬間、一体どんな思いで見つめていたのでしょうか。
W杯決勝のPK戦では、ピッチにいるなでしこジャパン、全員が手をつないでおりましたが、澤選手だけはつないだ両手を顔の前にやり、祈りのポーズを見せておりました。
長きに渡って第一線にいる澤選手だからこそ分かる、志半ばで引退した先輩たちの夢の重み、長く苦しく辛く険しく厳しかった道のり。それら全てを背負っているからこそ表れた、あの祈りのポーズだったのではないでしょうか。
クイーン澤、ゴッド澤と言う呼称が生まれておりますが、僕としては、聖母・澤と呼びたいです。
実際、澤選手をはじめ、山郷選手、安藤選手と言った代表歴が長い選手ほど、よく先輩たちへの思いを口にするんですよね。澤選手が凄すぎるため目立ちませんが、実は山郷選手、安藤選手の代表歴の長さも特筆ものです。
いっその事、日本で女子サッカーが生まれた時から、W杯制覇までの道のりを、塀内夏子先生がマンガ化してくれないかなと思うんですが……。感受性と心理描写に優れ、何よりサッカーを愛する塀内先生でしたら、きっと女子サッカーのドラマも、素晴らしく描いてくれるに違いありません。
ただ、今回のバロンドール受賞について、僕が気にかかるのは一つだけ。現在の女子サッカーの競技人口が、どれほどかと言う点です。
詳しく調べたわけじゃないですが、何となく、まだ一部の国でしか盛んでないような気がします。
かつて日本は、女子バレーボールが世界の強豪として名を馳せておりましたが、その実、日本が強かった時代は、バレーボールそのものが、世界のマイナースポーツでした。
そして、バレーボールが世界的に普及し出した現在、日本の女子バレーボールはなかなか全盛期ほどの強さを取り戻せていません(強い方ではあるんだろうけど)。女子サッカーが世界的に盛んになっても、日本の女子サッカー、強さを維持して欲しいなと思います。
あと、そろそろ澤選手をマスメディアから解放させて、五輪に専念させてあげるべきですよね。
それにしても、長い苦難を乗り越え、今なお代表のエースとして君臨し、W杯三冠を成し遂げ、バロンドールまで受賞した澤穂希選手って凄すぎる!
おめでとうございます!なんて言葉じゃ全然全然全然足りない!
世界サッカー史に残る、日本スポーツ界の超英雄。
凄いよ澤さん、凄すぎるよ澤さん。
どのくらい凄いって、イチロー選手ぐらい凄い!
いや、イチロー選手より凄いんじゃないの!?
僕がこれまで見てきた日本人サッカー選手で、間違いなく最高の才能、30年に一人の天才選手と思ったのが、小野伸二選手。
しかし、その小野選手ですら、世界一になれるほどとは思いませんでした。日本において30年に一人の天才ですら、世界一にはなれないのが、サッカーと言う競技における、日本人の限界だろうと僕は思っていました。
日本人がサッカーで世界一なんて、僕が生きているうちに、一度でも見れたら御の字。本気でそう思っていたのです。
しかし、女子サッカーを観て、「おや?」と思いました。
岩渕真奈選手です。
「この選手、もしかしたらアジア人で初めて世界を制する選手になるかもしれない」
そう思いました。男子で世界一は無理でも、女子サッカーに光明を見出したものです。
しかし、その岩渕選手より早く、澤穂希選手が成し遂げたのですね……。
澤選手は、僕より一つだけ年下です。前述した、1988年の大空選手のインタヴューをご存知でしょうか。
大空選手のインタヴューを聞いて、「無理無理」と思った、当時子供だった僕。
同じく子供だった澤選手、もし大空選手のインタヴューを聞いていたとしたら、どのように思い、どのように感じ、そしてどのように道のりを経て、現在の栄冠まで辿り着いたでしょうか……。
澤選手の今回のバロンドール受賞をきっかけに、昨年の女子W杯決勝戦、録画していたVTRを観直しました。
何度観ても、あの延長同点ゴールは感動しますね。ジョホールバルでの岡野選手のゴールも感動したけど、その数倍良い。あの澤選手のゴールぐらい感動した日本のスポーツシーンって、09年WBC決勝、イチロー選手の延長10回決勝タイムリーツーベースぐらいしか思いつかないです。
あと改めて観ると、CBの岩清水選手のボール奪取能力、対応力が凄いですね。抜群の読みと技術でガンガン止めてて、華奢で体も大きくないのに、CB起用されているのがよく分かります。アメリカ代表チームはあの試合、何度もワンバック選手の頭上目がけてセンタリングして来ましたが、あのレッドカードを受けるわずか1分前、意表を突いてグラウンダーでセンタリングして来ました。しかし岩清水選手は、それもスライディングで阻止!地味ながらも素晴らしいプレイでした。あの決勝戦、影のプレーヤー・オブ・ザ・マッチですね。
そして、W杯優勝となるPKを決めた、熊谷紗希選手。
「あの子、20歳なんですけど、あんな大きな舞台で、あんなに余裕でできるって凄い。頼もしかった」
W杯終了後、澤選手が「徹子の部屋」にて話しておりました。
澤選手も20歳の時は代表選手でしたが、その時は世界一なんて夢の世界。しかし、それから12年後、自分より一回り年下、20歳のチームメイトの堂々としたプレイに、サッカー女子日本代表は本当に強くなったと実感しているように見えました。
過去20年にわたる、サッカー女子日本代表の写真が掲載されているBlogを発見しました。とにかく圧巻なのが、いくら時代を遡っても、延々と映り続ける澤選手の姿。
野田朱美選手、高倉麻子選手の時代から、既に代表のレギュラー。実際、澤選手は90年代半ばから、高校生の代表選手と、しばしばテレビで紹介されていました(当時は日本テレビにて、よく読売ベレーザの選手が登場していました)。澤選手が18年代表を務めていると分かっていても、それでも改めて見ると、やはり別格と感じます。
あのW杯決勝の解説を務めた野田朱美さんをはじめ、往年のサッカー女子日本代表の皆様は、かつての妹分であり、昔から将来を嘱望されていた澤選手が、ついにW杯決勝に立ち、栄冠を手にするその瞬間、一体どんな思いで見つめていたのでしょうか。
W杯決勝のPK戦では、ピッチにいるなでしこジャパン、全員が手をつないでおりましたが、澤選手だけはつないだ両手を顔の前にやり、祈りのポーズを見せておりました。
長きに渡って第一線にいる澤選手だからこそ分かる、志半ばで引退した先輩たちの夢の重み、長く苦しく辛く険しく厳しかった道のり。それら全てを背負っているからこそ表れた、あの祈りのポーズだったのではないでしょうか。
クイーン澤、ゴッド澤と言う呼称が生まれておりますが、僕としては、聖母・澤と呼びたいです。
実際、澤選手をはじめ、山郷選手、安藤選手と言った代表歴が長い選手ほど、よく先輩たちへの思いを口にするんですよね。澤選手が凄すぎるため目立ちませんが、実は山郷選手、安藤選手の代表歴の長さも特筆ものです。
いっその事、日本で女子サッカーが生まれた時から、W杯制覇までの道のりを、塀内夏子先生がマンガ化してくれないかなと思うんですが……。感受性と心理描写に優れ、何よりサッカーを愛する塀内先生でしたら、きっと女子サッカーのドラマも、素晴らしく描いてくれるに違いありません。
ただ、今回のバロンドール受賞について、僕が気にかかるのは一つだけ。現在の女子サッカーの競技人口が、どれほどかと言う点です。
詳しく調べたわけじゃないですが、何となく、まだ一部の国でしか盛んでないような気がします。
かつて日本は、女子バレーボールが世界の強豪として名を馳せておりましたが、その実、日本が強かった時代は、バレーボールそのものが、世界のマイナースポーツでした。
そして、バレーボールが世界的に普及し出した現在、日本の女子バレーボールはなかなか全盛期ほどの強さを取り戻せていません(強い方ではあるんだろうけど)。女子サッカーが世界的に盛んになっても、日本の女子サッカー、強さを維持して欲しいなと思います。
あと、そろそろ澤選手をマスメディアから解放させて、五輪に専念させてあげるべきですよね。
それにしても、長い苦難を乗り越え、今なお代表のエースとして君臨し、W杯三冠を成し遂げ、バロンドールまで受賞した澤穂希選手って凄すぎる!
おめでとうございます!なんて言葉じゃ全然全然全然足りない!
世界サッカー史に残る、日本スポーツ界の超英雄。
凄いよ澤さん、凄すぎるよ澤さん。
どのくらい凄いって、イチロー選手ぐらい凄い!
いや、イチロー選手より凄いんじゃないの!?
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