山下大輔 Weblog Version

… 山下大輔 web versionのサイト更新報告 山下大輔の日記 …
2017年09月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年11月
TOP芸能 ≫ 長門裕之さん、ありがとう。そしてさようなら。

長門裕之さん、ありがとう。そしてさようなら。

昨日、長門裕之さんがご逝去されました。

長門さんとは、6歳の時に「特捜最前線」で共演させて頂きました。

28年も昔なのですが、とても優しく、懐深く、そして抜群の演技力が、今でも印象強く残っております。

大変お恥ずかしい話なのですが、僕はその当時から、ものすごい悪ガキでして、どの撮影現場でも迷惑ばかりかけていました。

「特捜最前線」撮影初日も、僕は現場に遅刻してやって来ました……。

「おっ、大輔、来たか。これからよろしくな」

僕が現場に到着するなり、長門さんが声をかけて下さいました。事前から、僕の名前を覚えて下さっていたのに驚き、そして嬉しかったです。

僕と長門さん、最初の撮影シーンは、確か僕が泣くシーンだったと思います。演技で涙を流せなかった当時の僕は、涙用の目薬を使いました。

「これ(目薬)、しみるよー」
「あ?これ、涙目薬だろ。しみない、しみない」

それが長門さんと僕の、最初の会話らしい会話だったと思います。

いざ、本番が始まって驚きました。



長門さんの演技が凄いのです。

「やばい、飲まれる!」

長門さんの抜群の演技力に、圧倒されかけました。胸の辺りを、見えない手でグッと押されたようなあの感覚、今でも忘れられません。"気圧(けお)される"とは、まさにあの事です。

長門さんに負けてなるかと、僕も全力で対抗しました。

その後の撮影は順調………と言いたいところですが、そうではなかったんです。

本当に申し訳ない話なのですが、僕、とにかくわがままな子供でして、監督やスタッフ、そして出演者の皆様の言う事も、全然聞かなかったのです(申し訳ありません)。そのせいで、撮影が遅々として進まなかったのです。

「大輔、撮影が終わったら、おもちゃ買ってやるから。だから、仕事しっかりやろうな」

長門さんがそう言って来ました。しかし、僕のわがままはいっこうに収まらず、皆様を困らせてばかりでした。僕としては、長門さんが本当におもちゃを買ってくれるとはまったく思わなかったですし、何より、「物に釣られる奴」と思われるのが嫌だったのです。

「大輔、撮影が終わったら、バイクのおもちゃ買ってやるぞ。だから、仕事しっかりやろう」

その後も長門さんは、何度も僕にそう言ってました。それでも、僕の態度は一向に改まりませんでした。むしろ、さらに悪い方へエスカレートしていたような……。

本当にご迷惑をかけました。申し訳ありません。

しかし、長門さんの収録最終日………。

「大輔、おもちゃ買って来たぞ」

長門さんは、本当におもちゃを買って来て下さいました。僕は長門さんをはじめ、出演者やスタッフの皆様、全員に迷惑をかけ続けており、長門さんが、僕におもちゃを買ってあげる理由なんてまったくないんです。でも長門さんは、僕に言った事を守って下さいました。守る義務はかけらもないのに、長門さんは守って下さいました。

「バイクのおもちゃって言ったけど、バイクのおもちゃがなかったから、車のおもちゃ買って来た」

そう言いながら、長門さんはおもちゃと、ご自身のサイン色紙を僕に手渡して下さいました。そのおもちゃは、レールを組み立て、電磁力で車を走らせるレースゲームでした。サイン色紙については、僕がサインを欲しがっていると聞いた長門さんが、気遣ってくれたのです。

その日は結構遠出の撮影でして、近くにデパートはおろか、文房具店もない場所でした。現在のようにコンビニもない時代です。そのため、長門さんの付き人さんが、車を30分走らせて買いに行ってくれたそうです……。

長門さんは僕の前にしゃがみこんで、僕の目をじっと見て言いました。

「大輔、これまでお疲れさんな。今度、いっしょに仕事する時は、もう少し良い子になっていような。約束だぞ」

それが、長門さんとの最後のご挨拶でした。長門さんとしては、僕に少しでも良い子になってもらおうと、ご自身が僕に言った事を守ったのだと思います。長門さんの優しい気持ち、度量の大きさが、ひねくれた僕には、感動を通り越して信じられませんでした。

実のところ、長門さんがそう言いつつも、意地っ張りでわがままな僕は、すんなり「はい」とは返事をせず、曖昧に言葉を濁した記憶があります……。そして実際、その後の撮影現場でも、僕は迷惑をかけ続けました……本当にすいませんでした。

もう28年も前です。長門さんが、僕といっしょに仕事をしたのを、覚えていて下さったかは分かりません。でも僕としては、また長門さんといっしょに仕事をしたかったですし、昔、大変なご迷惑をかけた事を直接お詫びし、そして非常に親切して下さった事に、直接お礼を述べたかったです。

長門さん、本当に申し訳ありませんでした。そして心より、どうもありがとうございました。

ご冥福をお祈り致します。

合掌。

Comment













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL