竹下英雄さんの採寸、キルガー,フレンチ&スタンバレーの採寸
CATEGORY靴・服飾
【はじめに】
採寸方法について書いてみたのですが、ここに書かれている手法が、必ずしも他の職人さんに当てはまるとは限りません。ビスポークの採寸は職人さんそれぞれが、自分に合うようにアレンジしたり、ミックスさせたりで、ご自身で編み出した手法で行っておられます。お店ごとで採寸方法が違うのは当然ですが、同じお店でも、職人さんによって違う場合もございます。
そしてもちろん、どの手法が正しいと言う事もございません。職人さんそれぞれ、自分にとってやりやすい方法があるだけです。
また、素人の僕が調べた事なので、まだまだ勉強不足でしょうし誤りもあるかもしれません(だったら書くなって感じですが)。
【以上をご理解のうえ、お読み頂ければ幸いでございます】
仕立て方法の違いに興味が出て、数年前からマイペースに調べております。
なぜ興味がわいたのかと言えば、キルガー,フレンチ&スタンバレーにて働いていた竹下英雄さんから、「イギリスの仕立て方法は違う」と、その特徴を教えて頂いたのがきっかけです。
一度聞いただけでは分からない点が多すぎたため、いずれゆっくり、英国式仕立てについて詳しく教えてもらおうと思っていたのですが、05年3月に竹下さんは急逝。そのため、自分で調べるようになったのですが、生前の竹下さんから教えて頂いた事や、仕立てて下さったスーツが非常に参考になっております。
調べていくうち、少しづつ謎が解けたりします。その一つに、竹下さんの採寸方法があります。
採寸方法について書いてみたのですが、ここに書かれている手法が、必ずしも他の職人さんに当てはまるとは限りません。ビスポークの採寸は職人さんそれぞれが、自分に合うようにアレンジしたり、ミックスさせたりで、ご自身で編み出した手法で行っておられます。お店ごとで採寸方法が違うのは当然ですが、同じお店でも、職人さんによって違う場合もございます。
そしてもちろん、どの手法が正しいと言う事もございません。職人さんそれぞれ、自分にとってやりやすい方法があるだけです。
また、素人の僕が調べた事なので、まだまだ勉強不足でしょうし誤りもあるかもしれません(だったら書くなって感じですが)。
【以上をご理解のうえ、お読み頂ければ幸いでございます】
仕立て方法の違いに興味が出て、数年前からマイペースに調べております。
なぜ興味がわいたのかと言えば、キルガー,フレンチ&スタンバレーにて働いていた竹下英雄さんから、「イギリスの仕立て方法は違う」と、その特徴を教えて頂いたのがきっかけです。
一度聞いただけでは分からない点が多すぎたため、いずれゆっくり、英国式仕立てについて詳しく教えてもらおうと思っていたのですが、05年3月に竹下さんは急逝。そのため、自分で調べるようになったのですが、生前の竹下さんから教えて頂いた事や、仕立てて下さったスーツが非常に参考になっております。
調べていくうち、少しづつ謎が解けたりします。その一つに、竹下さんの採寸方法があります。
竹下さんにビスポーク・スーツを注文した際(もう8年も前か~)、ウエストの採寸時、メジャーが身体にピッタリ沿ってなく、たるんでいたのです。そして竹下さんは、そのたるみを気にする様子がなく、数値を採寸表に書き込んでおられました。
これでは、ウエストの実寸値より、大きいトラウザースができてしまうではないかっ。
「ちゃんと採寸して下さいよ!」
そう言いかけた僕でしたが、これはプロがやっている事なんだ、素人が口を挟むべきじゃない、竹下さんには、何か考えがあるかもしれないじゃないか……!
そう自分に言い聞かせて、口にしかかった言葉をぐっとこらえました。
そして完成したトラウザースは、ウエストもピッタリで、僕の心配は杞憂に終わりました。ただ、どうしてあの時、竹下さんがメジャーをたるませていたのか、ずっと気になっていました。
謎が解けたのは、それから5年後の08年秋です。ウエストの採寸時、メジャーをたるませる手法は、キルガー,フレンチ&スタンバレーで行われている手法だったんです。
なぜメジャーをたるませていたのか言えば、トラウザースのウエスト周りではなく、ジャケットのウエスト周りを知るためだったのです。
やはり、竹下さんなりの考えがあってメジャーをたるませていたのだなと、ようやく納得。あの時、「ちゃんと測って下さいよ!」と、馬鹿な事言わなくて良かったと安堵しました(笑)。
もっとも、キルガー,フレンチ&スタンバレーでは、ウエスト採寸時にメジャーをたるませて測り、さらに身体にもピッタリ沿わせて測る、2通り行うそうです。
竹下さんがメジャーをたるませて測るだけだったのは、竹下さんなりの手法だったのかなと推測しています。ジャケットのウエストサイズから○cm引いた数値が、ウエストの実寸値とか、何かしら竹下さんの法則があったのでしょう。
なお、ポール・スミスの場合はヒップを測る際に、メジャーをたるませて測っていました。メジャーをピッタリ沿わせてヒップを測る事はなかったと思います。おそらく、上述と同じ理由かと思います。
そして、ポール・スミスのビスポークだと、腕の長さの採寸時、腕を肩と水平にし、肘を直角に曲げた状態で行うのですが、このポーズによる採寸はキルガー,フレンチ&スタンバレーでも行われており、他の英国テイラーさんでも行われているようです(竹下さんがやっていたのかは覚えてないです)。英国のテイラー、全てがやっているとは思いませんが、英国ではメジャーな方法なのかもしれません。それとも、他国でもやっているのかな?
採寸方法に限らず、裁断、裁縫の面でも、英国式仕立てについて調べていくと、今回のように、何度も何度も思います。
「竹下さんの仕事はこう言う意味があったのか」
「竹下さんの言っていた事はそう言う事だったのか」
「竹下さんの言っていた事は本当だった」
そして、竹下英雄さんにスーツを注文して良かったと、心底思うんですね。
今では、竹下さんから聞いたお話も、記憶がだんだん曖昧になっていますし、僕が素人なばかりに理解できず、覚えられなかった事もたくさんあります。竹下さんの話は、全て録音しておくべきだったとすら思います。竹下さん、英国式仕立てではどう針を入れて、どう針を返し、それがどう言う効果をもたらすのかも、実演して説明して下さったのですが、僕では理解できませんでした……。この実演、真面目に録画しておくべきでした。
英国式仕立てについて疑問点が出てくると、「これ、竹下さんに聞けば一発で分かるんだろうな」と思う事が盛りだくさんです。
超無口な方なので、僕からどんどん、どんどん聞いていかないと、話さない方でした。
「今度、仕立てている様子を見せて下さいよ」
「いいですよ」
そんな話をした事もあったのですが、実現する事なくのご急逝、本当に惜しまれます。
これでは、ウエストの実寸値より、大きいトラウザースができてしまうではないかっ。
「ちゃんと採寸して下さいよ!」
そう言いかけた僕でしたが、これはプロがやっている事なんだ、素人が口を挟むべきじゃない、竹下さんには、何か考えがあるかもしれないじゃないか……!
そう自分に言い聞かせて、口にしかかった言葉をぐっとこらえました。
そして完成したトラウザースは、ウエストもピッタリで、僕の心配は杞憂に終わりました。ただ、どうしてあの時、竹下さんがメジャーをたるませていたのか、ずっと気になっていました。
謎が解けたのは、それから5年後の08年秋です。ウエストの採寸時、メジャーをたるませる手法は、キルガー,フレンチ&スタンバレーで行われている手法だったんです。
なぜメジャーをたるませていたのか言えば、トラウザースのウエスト周りではなく、ジャケットのウエスト周りを知るためだったのです。
やはり、竹下さんなりの考えがあってメジャーをたるませていたのだなと、ようやく納得。あの時、「ちゃんと測って下さいよ!」と、馬鹿な事言わなくて良かったと安堵しました(笑)。
もっとも、キルガー,フレンチ&スタンバレーでは、ウエスト採寸時にメジャーをたるませて測り、さらに身体にもピッタリ沿わせて測る、2通り行うそうです。
竹下さんがメジャーをたるませて測るだけだったのは、竹下さんなりの手法だったのかなと推測しています。ジャケットのウエストサイズから○cm引いた数値が、ウエストの実寸値とか、何かしら竹下さんの法則があったのでしょう。
なお、ポール・スミスの場合はヒップを測る際に、メジャーをたるませて測っていました。メジャーをピッタリ沿わせてヒップを測る事はなかったと思います。おそらく、上述と同じ理由かと思います。
そして、ポール・スミスのビスポークだと、腕の長さの採寸時、腕を肩と水平にし、肘を直角に曲げた状態で行うのですが、このポーズによる採寸はキルガー,フレンチ&スタンバレーでも行われており、他の英国テイラーさんでも行われているようです(竹下さんがやっていたのかは覚えてないです)。英国のテイラー、全てがやっているとは思いませんが、英国ではメジャーな方法なのかもしれません。それとも、他国でもやっているのかな?
採寸方法に限らず、裁断、裁縫の面でも、英国式仕立てについて調べていくと、今回のように、何度も何度も思います。
「竹下さんの仕事はこう言う意味があったのか」
「竹下さんの言っていた事はそう言う事だったのか」
「竹下さんの言っていた事は本当だった」
そして、竹下英雄さんにスーツを注文して良かったと、心底思うんですね。
今では、竹下さんから聞いたお話も、記憶がだんだん曖昧になっていますし、僕が素人なばかりに理解できず、覚えられなかった事もたくさんあります。竹下さんの話は、全て録音しておくべきだったとすら思います。竹下さん、英国式仕立てではどう針を入れて、どう針を返し、それがどう言う効果をもたらすのかも、実演して説明して下さったのですが、僕では理解できませんでした……。この実演、真面目に録画しておくべきでした。
英国式仕立てについて疑問点が出てくると、「これ、竹下さんに聞けば一発で分かるんだろうな」と思う事が盛りだくさんです。
超無口な方なので、僕からどんどん、どんどん聞いていかないと、話さない方でした。
「今度、仕立てている様子を見せて下さいよ」
「いいですよ」
そんな話をした事もあったのですが、実現する事なくのご急逝、本当に惜しまれます。
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