2011年3月20日さいたまスーパーアリーナ

さいたまスーパーアリーナの窓から見える多くの物資から、たくさんの避難者の方々がやって来たのだなと実感します。
僕がかつて所属していたヴォランティア団体、「ACTNOW(アクトナウ)」の代表、浅井久仁臣さんが先頭に立ち、避難民の方々への炊出しに使う募金活動を行うと聞き、3月20日、僕はさいたまスーパーアリーナへ向かったのであります。

僕がアリーナに到着した10時40分、このような貼り紙がされました。やって来たヴォランティアの数は想像以上のようです。
アリーナ内で働くヴォランティアスタッフは充足しているものの、こちらは県の職員さんの管轄。募金活動は浅井さんをはじめとする「ACTNOW(アクトナウ)」で行うので、たくさんいて困る事はありません。僕にとって、おそらく6・7年ぶりでしょうか、募金活動開始です。

「ACTNOW」の腕章。ACTNOW=「今こそ、行動を」の意味です。浅井さんはヴォランティア団体名を決める際、「愛のヴォランティア」とか、「ハンド・イン・ハンド」とか、甘ったるい名称は全て却下したそうです。それらの名称には、「ケリを入れたくなる」とも仰っていました。戦場ジャーナリストとして、幾度となく死を目の当たりにし、ご自身も死線もくぐり抜けた、浅井さんらしいです……。
ACTNOW誕生当時、僕は高校2年生、17歳でした(ACTNOWは阪神淡路大震災を契機に生まれた団体)。その頃の僕は、浅井さんがなぜそう言った名称を拒否しているか、さっぱり分からず、むしろ、そう言う温かい響き、優しい言葉があった方が良いのでは?とも思ったりしていました。
しかし現在の僕は、ACTNOW=「今こそ、行動を」が、いかに大切で、どんなに良い名称かよく分かります。救いの手が必要な皆様に対し、何百何千何万の励ましの言葉、お悔やみの文句、同情する気持ちより、募金なり、物資提供なり、炊出しや保育補助など、一つの行動の方がずっと大事です(当たり前)。
浅井さんの呼びかけに応じ、「ACTNOW」名義で募金活動を行った方々は総勢100名ほど!さいたま新都心駅前だけでなく、浦和駅前、大宮駅前でも行われました。

さいたま新都心駅前の募金活動で先頭に立つのは、大宮開成高校チアリーダー部1年生の皆様。上画像一番左の方が、前日に「1年生皆でヴォランティアに行こう」とメールを送り、そしてこの日、しっかり集結したそうです。素晴らしい心意気、素晴らしい団結力です。
「(音頭)さいたまスーパーアリーナでの炊き出し募金を行っています。皆様、是非ご協力をお願いしまーす!」
「(唱和)お願いしまーす!」
急遽集まった彼女たちながら、同い年の同じ部員だけあって息はピッタリ。改札前に響き渡るその声は、さすがに目立っておりました。
この日の帰宅後、僕は知ったのですが、相模原市では、遊ぶお金が欲しくて、募金箱を盗んだ女子高校1年生がいたそうですね。同じ女子高校1年生で、この正反対の差は一体何なのでしょうか……。
「頑張って下さい」
「ご苦労様です」
「お疲れ様です」
募金活動をしていると、お金を投じると同時に、そのようなお声をかけて下さる方も多く、嬉しい限りです。特に心温まるのは、親御さんにお金を渡された小さいお子さんが、募金してくる時ですね。この時、お子さんは大抵、「良い事したー」と言いたそうな照れ笑いを浮かべて、親御さんの元へ戻って行きます。この純粋な笑顔、本当に良いものですよ。
育児経験がない僕が申し上げるのも恐縮ですが、小さいお子様をお持ちの方は是非、お子様にお金を渡して、募金なさってみて下さい。お子様に対し、「困っている人には、手を差し伸べなさい」と教える、良い教育機会になるのではないでしょうか。募金と教育が同時にできて、一石二鳥です。いえ、お子様の素敵な笑顔を見る事ができるのです。一石三鳥です。
それに、募金を行う際、金額が少なくとも、もちろん尊いですが、やはり多少の見栄があるであろう大人、ちょっぴり後ろめたさを感じる場合があると思うんですよね。
でも、お子様にお金を渡して募金すると、なんと不思議、小額募金でも、自分が直接やらない分、後ろめたさが軽減されてしまうのです。
お子様に募金をさせると、こんなにもメリットがあるのです。かなりお薦めです。
育児経験のない僕が、知ったかぶりですいませんね。
11時に開始した募金活動は、16時に終了。この終了時、見知らぬおじ様がやって来て、なんと、「ご苦労様です。これで飲み物でも買って下さい」と、4,000円ほどACTNOWに下さいました!お心遣いが嬉しいですね。ありがとうございました!
お言葉に甘えて、皆様で缶ジュースや缶コーヒーを飲んだ後、解散。解散後に、僕は浅井さんたちといっしょに後片付けや、集まったお金の整理をしたのですが、やはり皆様の意識が高いのでしょう、相当な金額が集まっておりました。正確は数字は僕も知らないのですが、この日一日の募金活動で、おそらく200万円は突破していたと思われます(※実際は約310万円でした。3月23日21時20分追記)。
残務処理も一通り終わると、僕はアリーナ内の様子を見に行きました。
まず救援物資ですが、こちらも充実したため、その日の受付は終了となっておりました。有志の人(主に近隣在住者)だけでそれほどの数が集まるとは、深い善意が凄いですよね。

運び込まれた物資の一部画像です。

アリーナ入り口付近には、このような貼り紙が多くされております。どの貼り紙もほとんど手書きなのが、緊急事態なのだと物語ります。

運び込まれた救援物資のダンボール箱を、お盆に使えるよう再利用。もちろん、ヴォランティアスタッフの皆様が作った物です。

避難されたお子様たちを楽しませるため、ヴォランティアの方々のお心遣い。

プライバシーのため掲載しておりませんが、この貼り紙の下には、通訳してくださる方のお名前と、電話番号が書かれておりました。

こちらもプライバシーのため掲載しておりませんが、貼り紙の下には、講師名と連絡先、そしてプロフィールが書かれておりました。この講師の方、なんと筆記用具と教材まで、ご用意して下さるそうです。
僕がアリーナ内で見れたのは、これら入り口付近のみで、避難者の方々がいる所に入れませんでしたが、それでもヴォランティアスタッフの皆様のお心遣いは存分に伝わって参りました。
僕も募金活動、タイミングが会えばまた行おうと思います。
被災者の皆様、まだまだ不安な日々かと思いますが、少しづつお気持ちを回復させて、前へ向いて進んでいって下さい。一日も早い復興を願っております。
最後に、ACTNOW代表の浅井久仁臣さんのBlogやTwitterでは、今回の大地震や原発の問題についても、鋭い意見を書かれておられます。皆様、是非ご覧になって下さい。
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