フォスター&サン版ドーヴァーとウィロー・カーフ

フォスター&サンにて注文していたドーヴァーが18日に届きました!

予想以上に素晴らしい出来で、大満足です!
美しいラインながら、カントリー・シューズだけあってエレガントすぎない。この感覚が絶妙です。そして、ビスポーク・シューズならでは、靴から感じられるオーラ、雰囲気が既製のドーヴァーとは比較になりません。存在感が際立っています。

今回はスクエア・ウェストなので、アウトソールを見ただけでは、それほど大きく湾曲していません。でも、ご存知の方はご存知のとおり、ベヴェルド・ウェストそのものは履き心地に貢献しませんし、このスクエア・ウェストでもアーチの支えは素晴らしいです。

側面から見ると、ドーヴァーの代表的仕様の一つ、ハーフ・ミッド・ソールなのが分かりますね。
靴が到着した後は、室内でしばらく履き馴らしをして、26日に早速デヴューさせました♪
そして今回も、履いて馴染むのが既製靴と比べて格段に早いですね。デヴューさせてわずか1時間後には、スムーズに屈曲するようになりました。
踵のフィットは、1足目の方が若干良いかもしれません。今回は外羽根なので、フィッティングの違いが影響しているのか、もしくはハーフ・ミッド・ソールなので返りの差が踵にも出ているのか、または、その両方なのかもしれません。
とは言え、あくまでフォスター&サンの一足目と比較したうえでの違いです。確実に言えるのは、僕の所有靴で、このフォスター&サン版ドーヴァーを超える踵のフィットは、他のメイカーでは一つも存在しません。
あと、一足目では左足小指が若干きつかったですが、この部分も今回は改善されております。ただ、もう薄皮一枚、緩い方が良いかも?(笑)あと、右足が前回よりタイトに感じました。さらに履き込んでみて、様子を見たいですね。
作りについては、正直、前回は細かい部分の雑な仕上げが気になったのですが(特に製甲)、今回は丁寧な仕事で、この点でも満足感は高いです(笑)。

そして、今回の特筆すべき点の一つが、フォスター&サンにてスポット的に入荷した限定素材、Willow Calf(ウィロー・カーフ)です。
Willow=柳でして、この模様が柳に見えるからついた名前だそうです。
この皺模様は、現在のような「型押し」で付けたのではなく、革を丸めて皺を出す、クラシックな手法でついた模様。そのせいでしょう、型押し革と比べて、表情が柔らかいです。
そして何と言っても、質そのものが素晴らしいです。触れば指を押し返すが如く弾力があり、光沢は深い位置から上品に、そして圧するが如くです。
風合いも素敵です。皺模様がおとなしいため、一見するとスムース・レザーなのですが、光を浴びるとうっすらと皺が浮かび、その野趣あふれる表情が、このカントリー・シューズと素晴らしく調和するのです。
色については、僕は以前に、「チェスナットに近く」と書きましたが、正確な名称はボーディッド・ウィローグレインと言って、ボーキサイト(アルミニウムの原料)の色だそうです。
この色、僕は先日、ブルー・ジーンズと合わせましたが、相性バッチリです!
注文した当初、皺模様の入った革なので、どう仕上がるかどうか不安が入り混じっていたのですが、自分の予想を上回る素敵な出来栄えに、我ながら大正解の選択をしたと、一人で満足感に浸っております(笑)。
また、この革はタンニンなめしなので、今後の手入れで表情もより深くなっていくのかと思うと、いっそう楽しみも増します。
そして余談ですが、このウィロー・カーフは同一方向に皺が入っておりますが、さらにこの側面から皺を入れると、縦横に皺が入りますよね。
この縦横に入った模様は自ずと四角形となるため、この四角模様が「ボックス・カーフ」の名の由来とか……。
注文時、松田笑子さんより教わった豆知識でした(笑)。
しかし現在、ボックス・カーフと言うと、一般的にクロームなめしを指しますが、このウィロー・カーフがタンニンなめしである事を考えると、鞣製方法はボックス・カーフの定義と関係ないのかもしれませんね。
なお、このウィロー・カーフは限定素材なので、フォスター&サンにももうないかもしれません。その点はご了承下さい。
このフォスター&サン版ドーヴァー、これからカジュアルに超活躍してもらいます!
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