フランスのビスポーク・シュー・メイカーが使用する底材
CATEGORY靴・服飾

お察し頂ける方はお察しのとおり、先日のドイツ旅行は、3年に一度、ヴィースバーデンにて開催される国際靴職人技能コンクールの見学が目的でした。
そして、そのコンクールはInter-Schuh-Service(略称ISS)と呼ばれる、靴業者の見本市にて行われておりまして、会場内は靴関係業者のブースであふれておりました。

頑強な登山用ラバー・ソールで有名なヴィブラム社。

天然成分のみで構成されるシューケア用品、"サフィール"を展開するアヴェル社。

ドイツをはじめ、オーストリア、ハンガリーと言った中東欧のビスポーク・シュー・メイカーが好んで使用する底材タンナー、ヨー・レンデンバッハ。
もちろん、これら以外にもたくさんの業者が出展しておられました。コンクールだけでなく、業者のブースを見て回るのも楽しいです。そしてタイトルどおりですが、今回はフランスのビスポーク・シュー・メイカーが使用する、底材タンナーも出展しておられました。



タンナー名は、Garat&Fils(ガラ&フィス)。
何でも、ジョン・ロブ・パリ、マサロ、ベルルッティ、ピエール・コルテ、オーベルシーはもちろんの事、他にもコンパニオン(フランスの職人養成機関)出身のビスポーク・シュー・メイカーは、大抵この底材を使用しているらしいです。実際、僕もサンプルを見させて頂きましたが、非常に上質でした。創業はなんと1790年らしいですから、レンデンバッハやベイカーより古いですね……。なお、一番下画像のテーブルにある靴は、サンプルとして置かれていたピエール・コルテです。
このタンナーについての詳細は、ガラ&フィス公式ウェブサイトに書かれておりますが、なめし方法としては、やはりオークバークによるタンニンなめしで自然乾燥と、ベイカーやレンデンバッハとほぼ同じみたいですね。
ちなみに見本市にて、こうやってサンプルを見たり、質問したりしていると、大抵担当者さんに聞かれるんです。
「あなたは靴職人?」
「あ、いえ、違います。ただ、靴好きってだけで……」
「………………(じゃあ、何で見たり聞いたりしてるの?と不思議な表情)」
「……………はは…………(とりあえず愛想笑い)」
僕の興味本位なだけの質問に付き合って下さった担当者様、どうもありがとうございました。そして、お仕事の邪魔をして、すいませんでした。
日本の靴オタクって本当に迷惑ですね。あ、僕だけ?
- 関連記事
-
-
マレーシア製KIWIとシンガポール製KIWI 2014/05/09
-
Hawick of cashmere town(カシミアの町、ホーウィック) 2016/03/24
-
Robert Dick in Glasgow(グラスゴーのロバート・ディック) 2016/03/21
-
David Young and O'Máille in Galway(ゴールウェイのデヴィッド・ヤングとオモーリャ) 2016/03/09
-
George Cleverley in London(ロンドンのジョージ・クレヴァリー) 2016/05/17
-
Valentin Frunză, ZENONNI, ARINA in Chişinău(キシナウのヴァレンティン・フルンザ、ゼノンニ、アリナ) 2016/01/06
-