久々にカツアゲされました。でも、ちゃんとかわしましたよ。
「すいません」
そう呼ぶ声が聞こえたので振り返ると、そこにいるのは、年齢は50代半ばだろうか、薄汚れた服を着た、五分刈りの男性。
「はい、何でしょう?」
道でも聞きたいのかな?と思う僕。
「あのさ、ちょっとこれから行田まで行って、3時間徹夜の仕事をしなくちゃいけないんだけどさ、ちょっと金がね……」
こ、これはーっ!!!
「あの、電車賃が欲しいと言う事でしょうか?それならお断りします」
「あ、いやでも、3時間徹夜の……」
3時間徹夜って何だよ。
それは徹夜じゃないだろと突っ込みたい気もするが、そこまでやっているほど、僕も暇人ではない。
「ですから、電車賃が欲しいと言う事でしょうか?それならお断りします」
電車賃と言いつつ、お金を取る気なのだろう。そして、行田まで仕事なんて嘘なのだろう。
「……はい」
おじさんは図星だったようで、それで引き下がった。
思えば10年前に同じ事があった僕は、おじさんに哀れみを感じて200円手渡したものです。
しかし今回は突っぱねた。10年前と比べて、成長した証なのかもしれない。
でも、もしかしたら、おじさんは本当にお金に困っていて、僕は救いの手を差し伸べてやるべきだったのかもしれない。
最初からおじさんを疑ってしまっている自分、10年前より人が悪くなっているのかな?と思わなくもない。
とは言え、有楽町から行田までって1,000円以上あるぞ。恵んであげるには高すぎる額だ。
僕としては性善説に基づいて人を判断したいし、そうなると、おじさんの言葉を信じるべきだ。
でも、真偽の程が疑わしいのに、1,000円以上渡すのも馬鹿げている。そして渡したら、確実に返って来ない。
果たして人はどう考え、どう成長するのが正しいのか、僕にはまだ分からない。
ただ、貧しさは悲劇を生むので、これはない方が良いですね。別に共産主義者じゃないけどさ……。
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