さようなら「小学五年生」「小学六年生」

僕の小学生時代の愛読誌、「小学五年生」と「小学六年生」が休刊となるそうです。
この「小学○年生」シリーズ、僕の母親も小学生時代に購読していたそうで、そのせいか、僕も当然のように買い与えられておりました。
僕がこの雑誌から学んだ事、得た情報は数知れない……。
例えば、ファッション。服装において、茶色×白の色合わせが上品に見えるのは、この雑誌で学んだのだ。
江川投手のスラーブとラビットボール、西本投手のクローバーボール、桑田投手のサンダーボールも、この雑誌で知ったのだ。
と言うか、僕の小学生時代の野球知識、7割ぐらいは「小学○年生」から得ていたんじゃないだろうか。
例えば、芸能情報。チェッカーズがまだ売れてない下積み時代、イヴェント会場で楽器が用意されていなく、演奏者たちは楽器代わりに手拍子をやらされたエピソードも(本当の話かしら?)、この雑誌で知ったのだ。
オカルト記事も面白かった。「小学四年生」誌上(だったかな)にあった「不思議ルポ」、今思えばどれも迷信の域を出ないんだけど、どれもリアリティあるレポートに仕上がっていて、毎月、読むたびに怖かったっけ。おかげで以後、何年もの間、UFO、河童、天狗、座敷わらし、ツチノコなどは本当にいると信じてしまい、その存在に恐怖したものでした。
もっとも、UFOに限っては、この世のどこかに、本当にいるのでしょう……。
そして何と言ってもマンガである。「ドラえもん」は言うまでもありませんが、他にも秀作が多かったのだ。
今は「築地魚河岸三代目」で有名なはしもとみつお先生、僕が小学生時に連載していた「天才ドンベ」も面白かった。下品でバカばっかりやっている、IQ300の天才少年。
「ゲームセンターあらし」、「リトル巨人くん」、「ファミコンロッキー」、「がんばれ!キッカーズ」、「つるピカハゲ丸」、「かっとび!童児」と言ったコロコロの人気連載マンガも、「小学○年生」で別ストーリーが展開され、こちらだけで読めるオリジナル・ストーリーも魅力の一つ。
85年度の「小学四年生」から86年度の「小学五年生」で展開された、「がんばれ!キッカーズ」の” 汚れたエースストライカー” 兵藤俊のエピソードは、僕の大好きな話の一つです。
「リトル巨人くん」も面白かったが、その巨人くん終了後、内山まもる先生が86年度「小学三年生」に連載した「どんがら先生」、同じく86年度「小学四年生」にて連載した、「はらっぱ同盟」も実は傑作。
特に僕は「はらっぱ同盟」が大好きで、僕がこれまで読んできたマンガの中でも、トップ10入り確実なほどの大傑作です。
この「はらっぱ同盟」は単行本化されてなく、手元にも残っていないのですが、今でもその内容はよく覚えております。これ、絶対コミックス化して欲しいんだけど……。
「サッカー少年ムサシ」、「ミニ四トップ」などのたなかてつお先生の作品も好きでしたね。あの男臭くて、熱くて、ひたむきなキャラクターは、どれもたなかてつお先生ならでは。
「サッカー少年ムサシ」、決勝戦で主人公のチームが負けるんだよな。
毛利三兄弟(小学生とは思えない悪人顔)が持つ、王者特有の意地と執念が、ムサシたちの努力を凌駕。少年マンガ鉄の掟である、「努力の勝利」が成立しなかったのは、僕にとってこれが初めて。まさに衝撃でした。
僕の記憶が正しければ、これは「がんばれ!キッカーズ」における南陽SCの勝利よりも半年早い、大事件。
確か、毛利三兄弟の長男が、タイムアップギリギリで、ムサシの同点シュートを顔面で止めるんだよな……。雑草チーム相手に、エリートがプライドをかなぐり捨てて勝ちに行ったあのシーン、鬼気迫っていて感動でした。
世界中から選ばれた精鋭イレヴンが、鎖のゴールネット、砂が詰まったボールで試合もやっていましたね。ほとんど格闘で、熱い戦いでした。
ちなみに、この作品、当時の小学生サッカーではありえない、芝のグラウンドで試合が行われていました(笑)。
「ミニ四トップ」では、当然、影響を受けて、ライジング・バードにスーパーセイバーも買いました。
「ファミコンボーイ撃太」は、当時、あらゆる雑誌で連載されていたファミコンマンガの中でも、僕にとって一番の傑作です。
「プラモ狂四郎」のように、主人公の撃太がゲームの世界に入り込み、そのゲームをクリアしていくと言った内容なのですが、変に子供だましなドラマがなく、実際の攻略に役立つよう、実用優先で描かれていたのが素晴らしかったですね。
ファミスタの”えがわ”はフォークが投げられず(本物の江川も投げられない)、横の揺さぶりでどう抑えるか、僕はこのマンガで学びました。そしてそれを実践すると、面白いように抑えられるのが、何よりの驚きでした。
個人的に好きなマンガ家の小林たつよし先生は、「きめろ!修太」と言うサッカーマンガを連載しておりました。ブラジル帰りの主人公が、女子サッカーチームや、天才少年GK、イギリス人少年ストライカー(とても小学生とは思えないほどゴツイ)相手に大活躍と言う、王道路線。これも面白かったなあ……。
修太が自分の背中目がけて味方にシュートさせて、その瞬間、修太が背中を落とし、背中をすり抜けたボールがゴールゲットするシーン、「これ、実際にやっても使えそう!」と僕は思ったもんです。
オシャレ感あるギャグマンガ、「パンクポンク」も好きだったなあ。
他にも思い入れあるマンガ、たくさんあります。別冊読切マンガだって面白かったりするんだから(歴史モノも)、本当に全部書き切れない。
ジャンプ、コロコロとともに、僕の小学生時代のバイブルだった、「小学○年生」。
雑学、社会問題、科学のページも貴重な情報源。子供向けだけあって、読み易いように工夫されているのも素晴らしいです。是非とも存続するべき雑誌だと思うのですが、まさか休刊とは何とも寂しい限りです。そして、信じたくない話であります。
小学館様、「小学○年生」様、僕にたくさんの夢と知識と楽しい時間を授けて下さり、どうもありがとうございました。
(今回の内容、記憶を頼りに書いている点が多数なので、誤りもあるかもしれません。ご了承下さい)
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