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フォスター&サン受注会、シュー・ホーン、職人意識

CATEGORY靴・服飾
フォスター&サンのポスト・カード

昨日はフォスター&サン受注会場にお邪魔して来ましたよ。

とは言っても、僕は今回、お金がなくて注文できず、様子を見に行っただけなのです(笑)。近況を伺ったり、サンプル・シューズを眺め回したり、会場に置かれている資料を見させて頂いたりしておりました。

そして、その資料の一部を、Weblogでアップしようかなと思っていたのですが……、なんとその画像、僕のミスで消去してしまいまして……。

なので、書く内容を変更しまして、こちら↓のご紹介をさせて頂きます。
僕が購入した、アビー・ホーン製、フォスター&サンネームのシュー・ホーンです。

アビー・ホーン

アビー・ホーン

もちろん、フォスター&サンの刻印入りです。

フォスター&サンの刻印

大分前に、所有していたプラスティック製シュー・ホーンが折れてしまいまして、それ以来、上等なシュー・ホーンが欲しかったんですね。

アビー・ホーンではもっと長いタイプもありまして、こちらだと立ったまま使えるのですが、松田さんから、「柄が長いと、踵も大きくなる」と言うご助言を頂きまして、それでは、僕の足に相応しくないなーと思い、この25cmタイプを選択しました。

ヘラは水牛の角、ハンドルは鹿の角で出来ております。天然素材ならではの、濃淡絡み合う色合い、深い質感が美しいですね。そして、使い込むうちに現れるであろうエイジング、馴染む感触が楽しみです。

素材自体も、さすがに硬質感あります。指で弾くと、プラスティック製と比べて、音に切れがありますね。プラスティック製だとバチッ、アビー・ホーンだとパチッと言った具合でしょうか。
頑丈な分、衝撃を吸収せず、音も強く弾き返すのでしょう。

プラスティック製シュー・ホーンは柄が長かったせいもあって5~6年で折れてしまいましたが、このアビー・ホーンは一生使っていきたいですね。

なお、これを書くにあたり、アビー・ホーンの公式ウェブサイトも見てみたのですが、この会社、シュー・ホーン以外にも水牛の角を使って、たくさんの品を作っているんですね……。全然知らなかったです。
どの品も、角の重厚な質感が活かされていて、興味を引きますね(笑)。

ところで、この受注会担当職人である松田笑子さんとは、これまで、ロンドンと日本で何度もお会いしておりますが(10回ぐらいかな?)、いつも感心するのは、松田さんは必ずビスポーク・シューズを履いている事です。

松田さんがビスポーク・シューズを履いてないのを見た事がありません。この日も松田さんは、黒のダイヤモンド・キャップトウのビスポーク・シューズを履いておりました。

僕も僕なりに、相当な数の靴職人さんとお会いしてきましたが、必ずビスポーク・シューズを履いているのは松田さんだけです。(そりゃ、履いてない日もあるのでしょうけど)

この事実だけでも、松田さんのプロ意識の高さが伺えようものです。

もちろん、ビスポーク・シューズを履いていれば良いと言うわけではありませんが、それでもやはり、ビスポーク・シューズの履き心地が当たり前となっている方と、そうでない方では、完成する靴にも自ずと違いが出てくるのではないでしょうか。

この、いつもビスポーク・シューズを履く松田さんを見るたびに、頼もしい職人さんがいるなあと、感じる次第であります。
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COMMENTS

6Comments

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ひよこ

こだわりですね~☆
靴にはめっきり疎いひよこです(^^;)
ここで勉強しました!

  • 2009/10/03 (Sat) 16:40
  • REPLY

山下大輔

>ひよこさん
とりあえずこだわってはいるのですが、僕はまだまだ分からない事ばかりだよ~。僕も勉強勉強です(笑)。

まだまだセイゴ

こんにちは。
いつも楽しみに読ませてもらってます。
関東に住んでいたら、F&S是非オーダーしたかったです。
山下様はあまりビスポークされていないのに、結果が良くていいですね。

私のほうは、失敗が多くて萎えています。日本で頼むとどうも履けない「盆栽靴」が多いようですね。

マスコミや評論家から絶賛されていた年端も行かない職人にパトロン気取りで数足オーダーしましたが、全然ダメでした。せめてグリーンレベルの履き心地を希望してましたが無理なようです。

今また別のところにオーダー中です。まだ仮縫いはしていませんが、最初の採寸ではFittingに関してはかなり熱心です。予定に関しても先の職人と違ってかなり正確です。チラッと別の人のオーダーが目に入りましたが十数足目のようでした。(値段もある程度しますので、安いからたくさん頼んでいるのではないと思います。)

これからも、是非このサイトを続けてくださいね。


山下大輔

>まだまだセイゴさん
サイトをご覧下さいまして、どうもありがとうございます!
僕がビスポークに成功しているのは幸運なのでしょうか、今のところは、満足しておりますです。
ただ、10年ほど前は失敗もしたりでして……(笑)。今では、それも社会勉強になったかなと割り切っております。

ビスポーク・シューズでエドワード・グリーンレヴェルの履き心地に達しないのは、納得し難いですよね。価格も全然違いますし。

独立して間もなく、相当数の客を満足させた経験がないのに、評判の靴職人として、"売り出される"ケースは確かに目に付きますね……。
高級靴がブームになったせいでしょうか、ビスポーク・シューズ職人=金になると、投資の対象になっているのかも?しれません。

現在は別の職人さんに御注文との事、ご満足できる靴だと良いですよね!リピーターの多さは、指標の一つになりますし、また今後も存続する可能性も高く、期待できそうですよね。

サイトはこれからも続けていくつもりなので、またよろしければ、ご覧になってやって下さい。

Esquire

ポスト・カード

山下様

ご無沙汰しております。

葉書の人物は、もしやフレッド・アステアでは?
ネクタイをベルトがわりに腰に巻いたのは、アステアが最初だと聞いております。
彼は、偉大なダンサーであると同時に稀代のドレッサーでもあったようです。

では、お邪魔しました。

山下大輔

>Esquireさん
ご無沙汰しております!
仰いますとおりの、フレッド・アステアです~。ベルトにネクタイ、アステアに詳しい方なら、ピンと来ちゃいますよね(笑)。
このユニークなセンス、さすがにベスト・ドレッサーと思わされます。