山下大輔 Weblog Version

… 山下大輔 web versionのサイト更新報告 山下大輔の日記 …
2017年09月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年11月
TOP靴・服飾 ≫ 高級靴ブーム10周年

高級靴ブーム10周年

ご存知の方はご存知のとおり、またどのくらい知られているかどうかは分かりませんが、本日は日本で高級靴がブームとなって10周年です。

10年前の今日、現在に至る日本の高級靴ブームがスタートしたのです。

10年前の今日を皮切りに、"ビスポーク・シューズ"の素晴らしさが日本に広まっていったのです。

10年前の今日がなければ、現在、ビスポーク・シューズがこれほどまで日本に認知される事は絶対になかったでしょうし、5万円台以上の靴がここまで売れる事はなかったと断言できます。

「今まで、俺はなんて無駄使いしていたんだ。Eグリーン4足分位でビスポークが1足注文できてしまうではないか。でも、履き心地、シェイプの美しさ、満足感は4倍どころではないぞ。10倍?、100倍?、いや、これは全く次元が違うぞ。それに今まではEグリーンこそ美しい靴だと思っていたのに、並べてみると随分Eグリーンはズングリしていてかっこ悪いぞ。革だってあんまりよくないな。色もよくないな。細かなディテールもあまいな。なんでこんな靴に高い金を出していたんだ。」



10年前、エドワード・グリーンやオールデンを履いている人を見るには、高級品を扱うセレクト・ショップに行くしかありませんでした。現在はごくたまにではあるものの、街中でも見かけます。

10年前にビスポーク・シューズと呼べる靴は、果たして日本にどれだけ存在していたでしょうか。大塚製靴と銀座ヨシノヤ(小笠原シューズ)がかろうじて頑張っているのが現実。ギルド・オブ・クラフツは産声を上げたばかり。

現在では日本各地にビスポーク・シュー・メイカーが存在します。10年前の今日がなければ、日本にこれほどまでビスポーク・シュー・メイカーが根付く事はなかったでしょう。

10年前の今日を境に、ビスポーク・シューズの注文数が日本でどれだけ増加したか。

どうしてこれほどまで、日本でビスポーク・シューズが復興し、高級靴の購買層が広がったか。

「ここが当たっている、ここはスカスカだ。全然合っていないじゃないか。今まで、なんでこんな靴を履き易いと思っていたのだろう?」となるでしょう。自分の足の感覚の精度が、ビスポーク未経験時では3~10ミリ単位だったのが、ビスポーク経験後は1ミリ未満の当たり・隙間がわかるようになってしまうのです。

本物を知る方のお言葉が、これほどまで影響力があるのかと、僕自身がその凄まじさをよーく知っております。

10年前の今日から、日本おける高級靴事情は、徐々に、どんどん、そして大きく変わって行ったのです。

高級靴の一つの目安である、"ハンドソーン・ウェルテッド製法"たる言葉が日本で初めて登場したのは、僕の知る限り、雑誌「Men's Ex」99年11月号の靴特集。それ以前は、ハンドソーン・ウェルテッド製法でも、同じウェルト式と言う事で、"グッドイヤー・ウェルテッド製法"といっしょにされておりました。

この特集に、かの伝説の掲示板が一役買っていた事は、知る人ぞ知る事実です……。

そして、10年前の今日がなければ、雑誌「最高級靴読本」も、「LAST」も存在しません。

ビスポークへの道へ進むべきです。Eグリーン、ラッタンジにまでたどり着き、紳士靴の世界の道のりを98%くらい達成したと思います。でも残りの2%がすごいのです。この2%の扉をあけたとたん、今までとは全く違った世界の部屋が待っているのです。蟻は2次元の世界に住むと言われる。2次元の世界に住むものは3次元の世界は想像できない。3次元の世界に住む我々人間は4次元の世界が想像できない。X,Y,Zの3本の垂直に交わる線に、さらにもう1本垂直に交わる線のある世界とは?既製靴とビスポークでは次元が違うのです。既製靴を何百、何千、何万と積み重ねてもビスポークにはならないのです。

10年前の今日、僕は大学三年生でした。その当時の僕に、このコメントがいかに眩しく、そしていかに衝撃だったか。
現在の僕はフォスター&サンを入手し、ああ、あのお言葉はまさに本当だったと、心から実感しております。

あの掲示板を通じ、僕に数々の事を教えて下さった皆様に、どうもありがとうございました。

Comment

編集
始めまして。
10年もなるんですね日本人に高級靴が浸透して。
ここ2、3年でブームに乗った自分は驚きです。

ビスポークいつかやってみたいです。
2009年04月08日(Wed) 10:29
編集
>yodamaxさん
はじめまして!10年前を境に、日本の高級靴事情はどんどん様変わりしました。それ以前は、特にビスポーク・シューズの存在がやばかったです。
日本の老舗、大塚製靴の注文靴も、10年前はカタログから姿を消しており、一部の顧客にしか案内されておりませんでした。

この10年で靴バブルなんて言葉もあったりしてで、靴業界としてはかなりエキサイティングな10年だったと思います。これからさらに10年後は、果たしてどうなっているのでしょうか……。
2009年04月09日(Thu) 04:58
編集
山下さん,

ご無沙汰しています.
せっかくなので,今日はこちらで.当時を振り返ると感慨深いですね.靴に興味を持ち始めたころ,雑誌で見ていた(インターネットは未だ普及していなかった)AldenやE.Greenなんて「こんなの高くて一生買えない!こんなの本当に履いている人いるのか!」なんて感じたものです.今はその価格がさらに高騰していて,最近手を出し始めた方は一体どうなるんだろうなんて勝手な心配をしています.

ましてやBespokeに辿り着くなんて想像もつきませんでした.そのきっかけを与えてくれたあの場に感謝です.

2009年04月09日(Thu) 20:53
編集
>いちさん
ご無沙汰しております!10年前は10万円以上の既製靴なんて、極めて珍しかったですよね。ボノーラ製ジョン・ロブと、J.M.ウェストンのド・ゴール、シルヴァノ・ラッタンジ、エドワード・グリーンのトップドロワー、そして当時は日本展開がほとんどなくなっていたゲオルグ・マテルナぐらい………。
本当に少なかったのですが、現在では全然珍しくない上に、結構売れている事実にブームの凄さを感じさせられます。

僕はあの場がなければ、ビスポーク・シューズを入手するのは10年以上遅れていたと思います。良い事をたくさん教えてくれた、あの場に感謝です!(笑)
2009年04月10日(Fri) 04:28
編集
改めて感慨深いですね。私もあの掲示板が
なければ山下さんと縁が無かったわけですので
ビスポークしてないな。
しかし今までの既製品どうしよう。。。(苦笑)

2010年02月08日(Mon) 23:58
編集
>ペパーミントさん
ビスポークを経験すると、本当、これまで所有していた既製靴を見る目が変わってしまいますよね~……。
僕もビスポーク、早めに経験して良かったです♪あの掲示板のおかげですね!
2010年02月09日(Tue) 00:20












非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL