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原宿・表参道靴服巡り

CATEGORY靴・服飾
もう一ヶ月以上も前、3月3日の夜の事。原宿や表参道のショップをいくつか巡って来まして、そこで思った事をつらづら書きます。

【ラルフ・ローレン表参道店】
2年ほど前にリニューアル・オープンしたこのお店ですが、ようやく、初めて行きました~。

もう買わなくなって大分経つこのブランドですが、やはり改めて見ると、カッコ良いなあと思う服がいくつもあります。今回も見ただけで、購入しないで終わりましたが、僕にとってラルフ・ローレンとポール・スミスは、多分、一生意識し続けるブランドだろうなあと思います…………いかにも日本人気質ですが(笑)。

ラルフ・ローレンは中高校生の頃に大分買ったせいで、今でも着ているのが結構あります。一番のお気に入りは、中学三年生の冬に買ったデニムシャツ。

ラルフ・ローレンのデニムシャツ

画像越しでは伝わらないのが悲しいですが、発色、質感が美しいのです。一枚で着ても良し、Tシャツの上に羽織って、シャツジャケットとして着ても良しです。

でも、ここの服ってパターンが大きめなので、僕にはキッズサイズじゃないと合わないんでよすね(笑)。


【ポール・スチュアート表参道店】
グレンソンのマスターピースの取り扱いが気になって見に行ったのですが、セミブローグの黒と茶だけが置いてありました。以前は数モデルあったはずなのですが……。
スタッフの方に聞くと、どうもこれからは、靴はクロケット&ジョーンズ製に移行していくそうです。また、グレンソン製だけでなく、チーニー製のもなくなっておりました。

しかし驚いたのが、なんとこのグレンソンのマスターピースが、76,650円になっている事です!これ、99年頃は8万円しましたし、今、伊勢丹新宿で買ったら9万円しますものね。何でも、ポール・スチュアートでも一時は9万円だったそうなのですが、値下げしたそうです。
前述のとおり、グレンソン製はセミブローグしかないものの、グレンソンのセミブローグは男らしくてカッコ良いです。英国製で、このクォリティ、この価格はお買い得かと思います。

グレンソンはマスターピースもニュー・フットマスターも、同価格帯の英国靴と比べて、インソールとアウトソールの質が良いです。そして何より、成形に手間をかけていますね。おそらく、ハンドで仮止めしてから吊り込んでいますし、その吊り込みにも時間をかけています。
この価格帯の英国靴だと、吊り込みはどこもマシンですが(英国既製靴ならどの価格帯でもそうか)、グレンソンの場合、同じマシンでも針金を用いてじっくり行っているようです。コバ処理は甘いんですけど、これは他の英国靴も同様ですから、目をつぶるべきでしょう。

なお、ポール・スチュアートにあるクロケット&ジョーンズ製は、レギュラー・ラインをヒドゥン・チャネルソールにして、インソールも通常より良い物を使用しているようですが、ハンドグレード・ラインと同じというわけではなさそうです。ちなみに、価格は79,800円。

クロケット&ジョーンズは、大きく分けてハンドグレード・ラインとレギュラー・ラインの2つがありますが、素材の質を落としたハンドグレード・ラインとか、一部工程を増やしたレギュラー・ラインとか、その実、出来上がりは様々です。ショップ側の発注によって変わるんでしょうね。そこは見極めが必要です。


【ブルックス・ブラザーズ青山本店】
オールデン製のコードヴァン・シューズが今でも8万円台と、
これまたお買い得でした。ブルックス・ブラザーズの場合、ラコタさんを通さずに仕入れられるのか、以前からオールデンが安めですよね。
有名なコードヴァンのアンラインド・ローファーも健在でしたが、つま先の裏に張られているあて布が、僕が所有している98年物と比べて広くなっておりました。理由は分かりません……。
ブルックス・ブラザーズ別注の大塚製靴もありました。価格は5万円台だったと思います。やはりしっかりした作りですし、見た目も端整かつ真面目な表情がカッコ良いです。
6万円台で、ピールネームの英国靴もありましたが、こちらより大塚製靴の方が良く見えました。

こう見ると、洋服ブランド別注靴にも、なかなか侮れないなあ~と思います。


【ワールド・フットウェア・ギャラリー】
柳町さんがいなくなったのが寂しいですね。ここで扱われている靴の中で、一番の買い!は、ペルフェットだと思います。ペルフェットは他のショップでも扱われておりますが、単に見た目だけなら、僕はワールド・フットウェア・ギャラリー別注が一番カッコ良く思います。
ペルフェットにはいくつかラインがありますが、ここで扱われているのはグッドイヤー・ウェルテッド製法のライン。コバの仕上げ、エッジの処理、吊り込みの出来、素材と、どれも素晴らしいです。これで3万円台ってウソみたい……製甲をヴェトナムで行っているそうなので、その恩恵でしょうね。ペルフェット以外にも、製甲は中国などのアジアで行っている日本製高級靴、結構ありますよね。

現在の西欧高級既製靴の出来と価格を考えると、ペルフェットと大塚製靴は倍かそれ以上の値段がついてもおかしくないですね。日本製高級靴は吊り込みが上手いのか、履き口に笑いが見られないのが特徴です。もっとも、デザインや雰囲気については、ディレクションによって大分差が出てくるのも特徴に思えたりして……。


【メイデンズ・ショップ】
生地といい、縫製といい、雰囲気といい、素晴らしい出来のスウェット・パーカがありました。後に調べたところ、このブランドはフィル・メランジェと言うそうです。これ高いけど、いつか欲しいなあ……。

このお店の目玉商品と言えば、インディヴィジュアライズド・シャツですが、オックスフォード生地が以前と比べて(つまりダン・リヴァーと比べて)、薄く、柔らかくなっておりました。ダン・リヴァーの感触が好きな方は残念でしょうし、柔らかい生地がお好きな方は朗報と言えます。
ただ、後に別のショップの方に聞いたところ、以前のような(つまりダン・リヴァーのような)ハリ、コシのあるオックスフォード生地をインディヴィジュアライドズ・シャツが開発し、それが最近、ようやく完成したとの事。今年の秋冬からお披露目となるそうで、楽しみですね。

それで、実はこのショップ巡り一番の目的は、このお店にて、コルチェスター・ラバー・カンパニーの茶色ハイカットを購入する事だったのですが、スタッフの方によると、もう大きいサイズしか残ってないそうです。今後、新たな入荷予定もないとの事で、つまりは廃盤と言う事でしょうか……。

あのアメリカン・クラシック漂うデザインに上品な茶色、本当にカッコ良くて、以前から欲しかったのですが、時わずかに遅く、ひたすら残念であります……。


【ジャーナル・スタンダード】
ただ、メイデンズ・ショップの方から、「ジャーナル・スタンダードになら残っているかも?」と言われまして、すぐに行ってみました。しかし、ここでもやはり売り切れ。
ジャーナル・スタンダードのスタッフさんは、わざわざ他店舗にも連絡して、在庫状況を調べて下さいました。ありがたいですね。

このジャーナル・スタンダードでは、コルチェスター同様にアメリカン・クラシック漂うスニーカー、ボール・バンドがありました。こちらも良いんですよねえ……。

結局、コルチェスターが僕の知るお店では見つからなかったため、やむなく楽天を通じて通販しました。

しかし、届いた現品を履いてみると、小さくてサイズが合ってない。これよりワンサイズ大きいのは残ってないそうで、泣く泣く返品に。通販したショップの方には申し訳ない事をしました……ごめんなさい。

非常に惜しいのですが、後悔しつつも僕はコルチェスターの購入は諦めました。後々、ヤフー・オークションとかで出てくれればありがたいのですが……。


※4月13日追記※
4月12日、改めてポール・スチュアート表参道店に行ってみたところ、なんとクロケット&ジョーンズ製の靴が、サイズ切れのため、軒並み値下げとなっておりました。60,900円や、52,500円など、現行のクロケット&ジョーンズの価格を考えるとお買い得です。
仕様については、ハンドグレード・ラインとほぼ同じのもあれば、レギュラー・ラインと変わらないのもあり、ハンドグレード・ラインとレギュラー・ラインの中間もあったりで、色々です。中には、ハンドグレード・ラインとほぼ同じのうえ、クロケット&ジョーンズにして珍しい半カラス仕上げと、高級な仕様のもありました。
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COMMENTS

5Comments

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笙一郎

ラルフ

おはようございます、山下さん。weblogでははじめまして!(笑)

ラルフローレンは自分も1着だけ持ってました。高校生の時、自分の周囲では1つのステータスでした。着ていると「お、いいじゃん!」という反応が嬉しかったのを覚えています。偽物も氾濫した時代ですから、雑誌なんかで本物かどうか真剣に見比べていましたね、勉強そっちのけで(笑)

KOKONの職人である高野さんは今秋、東京に藤井鞄のお弟子さんである小松さんと靴と鞄のお店を出されるそうです。靴の関さんと鞄の藤井さんという巨匠の技術を継承していく同世代の方のお店を楽しみにしています。ぜひオープンしたら山下さんに見ていただきたいです。

巨人は打てないながらも勝ちますね。これでヒサノリが勝つとチームは盛り上がり、長期連勝もありますね。

ペパーミント

おもしろい日記ありがとうございます。わたしの服飾の勉強はいつもこちらのサイトでさせてもらってます。(笑)
グレンソン良いですよね。買って良かったなあと思ってます。ラルフローレンは昔はシャツをもってたのですが、サイズが大きすぎて(サイジングがわかってなかったです。。。。)人にあげちゃいましたが良い生地でした。【メイデンズ・ショップ】?? 全然知りませんでした。今度行ってみます。

  • 2008/04/12 (Sat) 10:07
  • REPLY

山下大輔

>笙一郎さん
Weblogでははじめましてです!(笑)
ラルフ・ローレンの偽者、多かったですよね~。ポロ・マレットとか、変なのたくさん見ました(笑)。僕の持つデニムシャツも紛い物を見かけましたが、生地の発色・質感が全然違うので、すぐに分かりました。
高野さんと小松さんのお店は知りませんでした。東京に出店との事で、ココンさんも身近になりますね~。ともに信頼できる職人さんのお弟子さんですし、僕も是非見てみたいです!ココンさんは実物を見た事ないだけに、楽しみですね。
巨人はだんだん勝ちが込んできましたね~。このまま、良い流れで進んで欲しいです!


>ペパーミントさん
そう仰って頂けると嬉しいです♪どうもありがとうございます。
グレンソン、存在は地味ですが(笑)、英国の雰囲気があり、クォリティも良好で、良い靴ですよね。ニュー・フットマスターの大塚製靴のディレクションも素晴らしいです。
ラルフ・ローレンのサイズィングミス、僕もやりました(笑)。靴も同様ですが、やはり身銭を切っての経験は貴重ですねー……。
メイデンズ・ショップはインディヴィジュアライズド・シャツの日本代理店、メイデン・カンパニーの直営ショップです。テイストとしてはアメリカ寄りでして、面白いアイテム、置いてありますよ~。

Esquire

山下様
ご無沙汰しております。

ラルフ・ローレンのデニムシャツ、私も同じもの(POLO COUNTRY?)を10年位前に買いました。もっとも、ここ数年は押入れで眠っておりますが・・・。かなり厚手の生地だったような気がします。

今度の秋は、久しぶりに袖を通してみようかな・・・

では、またお邪魔します。

山下大輔

>Esquireさん
ご無沙汰しております。おお!Esquireさんもお持ちでしたか~。仰いますとおり、ポロ・カントリーネームのラルフ・ローレンです!
僕は昔ほどの出番ではないものの、今でも着ております(笑)。
僕はホワイト・ジーンズと合わせる事が多いです。青と白のコントラストが爽やかです♪足元はコンヴァースだったり、オールデンだったり……やっぱり、アメリカモノですね。
また是非いらして下さ~い。