高級靴10年目


今年で10年目を迎えました……僕にとって初めての高級靴、ブルックス・ブラザーズネームのオールデン製ローファーです。
このローファーはよく知られているとおり、コードヴァンのアンラインド仕立てと、ブルックス・ブラザーズのみに許された独占仕様。ライニングがない分、柔らかい履き心地が魅力です。
当然、手入れはしっかり行っておりましたので、10年目ではあるものの、ご覧のとおり、全然元気です。今後も、当分は活躍してくれるでしょう。
ソールも見てみましょう。

黒のコイン・ローファーと言う合わせやすいスタイルだけあって、結構履いてきましたが、今のところ、つま先を修理したのみです。00年にユニオン・ワークスさんにお願いしました。もっとも、そろそろ踵も交換した方が良さそうですね。オールソールは、まだまだ当分先でしょう。やはり靴をたくさん持っていると、なかなか減りませんね……。
僕の場合、成人男性にしては体重が軽いので、あまりソールが減らないのも、そのせいかもしれません。

ただ、さすがにインソールにあるロゴは、消えかかる一歩手前ですね(笑)。
このローファー以前に所有していた革靴は、Dr.マーチン(ロークとのダブルネーム)やセダークレストなど、2万円以下の品ばかりで、PPFMのベルテッド・ショート・ブーツが、唯一の2万円超えの靴でした。確か28,000円だったと思います。
憧れの、このオールデンのコードヴァンローファーを買ったのは、忘れもしない98年12月29日。今でも、あの日の事はよーく覚えております。とりあえず、購入に至るまでの経緯はこちらをご覧下さい……。
購入先は、ブルックス・ブラザーズ二子玉川店。なぜ、わざわざ遠い二子玉川まで行ったのかと言えば、購入以前にその二子玉川店でこのローファーを見ておりまして、スタッフさんの接客が親切で心地良く、その行為に報いたい気持ちがあったためです。
さて、いざ買ったのは良いものの、あいにく、サイズに合うシュー・トゥリーが売り切れ。しかし、青山本店にならありますと、スタッフさんから聞く僕。
「せっかく、ブルックス・ブラザーズネームの靴を買ったのだから、シュー・トゥリーもブルックス・ブラザーズネームがいいよなー」
そう思った僕は、すぐにブルックス・ブラザーズ青山本店まで行き、ブルックス・ブラザーズネームのシュー・トゥリーを買いました。ちなみにロチェスター製。
これでようやく、靴一式が揃いました。そうなると、次に必要なのはケア用品です。僕はユナイテッド・アローズ原宿本店へ向かいました。
「せっかくオールデンを買ったのだから、靴ブラシや靴クリームも、オールデンネームがいい!」
そう思ったからです。UAのスタッフさんの説明を聞きながら、商品を選ぶ僕。そして買ったのは、オールデンの純正靴クリーム、黒とニュートラルの2色。そして、ソールのケア用に、チェルシーのレザー・フード。このレザー・フードも、もう今では販売されていないんですよね……。
「ソールのケアには、ミンクオイルじゃないんですか?」と問う僕には、「ミンクオイルはオイルド・レザー用です」というお答えでした。
そして靴ブラシは、オールデンネームの馬毛ブラシとなりました。
スタッフさんが、「ウチの(オールデン純正ブラシ)は高いから……」とつぶやいておりました。でも、いいのです。僕としてはやはり、オールデン一式で揃えたかったのです。
さらに、スタッフさんはこうも言っておりました。
「これまで色んな国で、何度も靴を磨いてもらいましたけど、靴磨きは人それぞれ、やり方がぜーんぜん違います。なので、あまり手順にこだわらず、色々試しながら、自分なりの方法を考え出すのが一番ですよ。靴磨きに正解はありません」
良いアドヴァイスが得られて、有意義な買い物ができたのを実感しました。そして、喜び勇んで、帰路についたものです……。
いや~、この買い物パターン、我ながら初々しさ全開です(笑)。当時、僕は21歳。若かったです。
もう少し言えば、その後、浦和に帰って来た僕は、地元の眼鏡屋さん、「和真」にて、現在も使用しているポロ・クラブのメガネも買ったのです。アニエス・ベーのメガネと迷ったのですが、さすがにその日は出費が激しかったので(笑)、安いポロ・クラブで妥協したのです。
また、この時に買った靴クリームも、未だなくならずに残っております。靴クリームって、なかなか減らないですよね。
あと、この靴を買った時、こう思ったのも覚えております。
「7万円(当時、税抜で)かあ………。我ながら、高い買い物をしたなあ……。もうこんなに高い靴、買うのは当分先だろうなあ………そうだなあー、あと4・5年後かなー……………」
しかし、それからわずか半年後に、エドワード・グリーンを買っていた僕なのですが……。
そして、それからさらに4・5年後、革靴関係のサイトを開設するほど、高級靴にハマっていようなど、思いも寄らなかったですね。本当、高級靴経験の浅いガキが、我ながら大それた事をしたものです。やっぱり若かったんですね………若いと言うより、僕が身の程知らずの馬鹿なだけか。
98年当時、高級靴関係のウェブサイトと言えば、Noriさんの「靴のページ」があるだけ。とは言え、まだ掲示板は開設されておらず、現在のような高級靴ブームの兆しも見られなかったです。
本当、この10年で、高級靴を取り巻く環境は大きく変わったように思います。ブームの影には、Noriさんの掲示板が大きく影響しているように思うのですが、どうでしょうか?
オールデンに話を戻すと、この靴、実は初心者にありがちなサイズィングミスをやっておりまして、僕にはサイズが大きいのです。なので、現在は中敷を敷いて履いております。ちなみに、サイズ7Eです。
また、この当時の僕は、オールデンの作りが荒いのを分かってなく(笑)、購入後、いくつかの釣り込み皺を発見し、交換を考えたりもしました(笑)。結局、やらなかったんですけどね。
シュー・トゥリーのスプリングもえらく強くて、「こんなに強いテンションをかけてしまっては、靴が傷んでしまう!」と、購入してからしばらくは、シュー・トゥリーを何度も伸縮させて、スプリングを弱めようとしていました(笑)。今では、大分弱まりましたが……。
さらに、コードヴァンのケア方法がカーフと異なる事も知らず、購入時と比べたら、艶も少々消えてしまいました。
う~ん、本当に何から何まで初々しさ全開!!!(笑)高級靴デヴューの嬉しさ、喜び、そして失敗と、たくさんの思い出が詰まった一足です。
気付けばもう10年目となりましたが、まだまだ頑張ってもらいます。できれば、一生付き合いたい品ですね。これからもどうぞよろしく!
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