浦和の「ラーメン王」が移転
いきなり凄い店名だと思われるだろう、「ラーメン王」。
大胆不敵すぎるっつーの。運営するオヤジの無邪気なネーミングセンス、恐るべしであーる。
浦和のラーメン屋と言うと、一番有名なのはおそらく「娘々(ニャンニャン)」。続くのが、「かめ福」、「たかの」、「むさし坊」あたりであろうか。
ラーメンガイドブックにバンバン掲載されるこれらとは違い、「ラーメン王」は地味すぎてそんなに有名ではないが、僕の好きなラーメン屋の一つなのだ。
何しろ魅力的なのは、早い、安い、美味い、汚い、メニュー多いの”昭和のラーメン屋”王道五拍子をキッチリ備えている事だ。
スープ割は以前は行っていなかったのだが、ここ近年のつけ麺ブームの影響からか、最近になってスープ割も行うようになった。
浦和でつけ麺の有名店と言えば、大勝軒の流れを汲む「さいたま屋」になるのだろうけど、僕としては、この「ラーメン王」のつけ麺の方が断然好き(「ことぶきや」の中華もりや、「たかの」もイケる)。
調理するオヤジたちの手際は荒っぽく、注文してから出て来るのも異様に早い。「おいおい、そんなんで大丈夫なのかよ」と不安に駆られてしまうが、いざ食べてみると、これが文句なく美味いのである。
客の不安なんて黙らせるパワーが、そこに秘められている。
ただ、美味いとは言っても、最近のラーメン専門店に見られるような、インパクトの強いものでは決してない。味自体はクラシック。奇をてらったメニューもない。いわゆる、呑んだ後に食べたくなるタイプのラーメンだ(おそらく、化学調味料の類は使用しているでしょう)。
そして値段だが、安い。ラーメン450円、一番高い味噌チャーシューメンでも720円だ。
お得なのが「麺定食メニュー」で、たった160円をプラスするだけで、餃子3つに、小ライス、お新香が付いてくる。
もっとお得なのが「スペシャルセット」で、これらは、チャーハン、マーボー丼、中華丼のいずれかに、小ラーメン、豆腐、お新香が付いてくると言うもの。それでいて値段は、なんと700円。
単品価格が、チャーハン550円、マーボー丼570円、中華丼600円、3個餃子160円、半ライス100円だから、セットメニューのお得感が分かろうというものだ。
さらーに、営業時間がむちゃ長い。午前10時半~深夜2時半までって凄すぎる。
前述したように、ここのラーメンは呑んだ後に食べたくなるので、終電帰宅の酔っ払いオヤジたちには嬉しい存在であろう。駅からも近いしね。きっと店側も、そんなオヤジたちを意識しての営業時間と思われる。ちなみに僕は、まだギリギリ20代なので、おっさんではない。
そして、基本的に年中無休。ただし、日曜日だけは20時までの営業。日曜日は酔っ払いサラリーマンが少ないからだろうか。
そう、この「ラーメン王」の店名、あながち間違ってもいないのだ。何しろ、お客が喜ぶ要素は文句なしに、しっかりと満たしている。看板にウソ偽りなし。店側の心意気が見えて、嬉しい限り。地味ながらも、その存在は偉大なのだ。
さて、その「ラーメン王」だが、浦和駅再開発の影響で移転した。とは言っても、わずか30mほど移動しただけなので、さして行きにくくなったわけではないのだが。
僕が移転に気付いたのは4月20日。もう一ヶ月以上前ですな。移転後の初入店は4月24日で、マーボーつけ麺を食べたのだっ。
そして、その移転に伴い残念な事が……お店が小奇麗になってしまったのだっ!!!!

「ラーメン王」をよく知らない方はピンと来ないかもしれないが、以前までの店舗を知ってる方なら、「あ、あれ?」と思うはずだ。
撮影は控えたが、店内はもっと小奇麗になったのだ。どのくらい小奇麗になったのかと言うと、女性だけの入店が可能なほどに小奇麗になった。移転前も、男性に連れられてのカップル客なら、たまに見かけたけどね。
僕は移転後、2回、このお店で食事をしたが、実際、女性3人組による客を見かけた。50代後半ぐらいのおばさん集団だったけど。しかしそれでも、このお店で女性だけの客なんて初めて見たぞ。
何しろ僕は移転前、このお店に女性連れで入店しようとして、その女性に思いっきり嫌がられた経験がある。「ここは美味いんだ!」とアピールしても聞き入れてもらえず、結局、「かめ福」に行ったのだ。
この移転は、おそらく成功なのだろうか。店を運営しているオヤジたちも、「やっほう!また女性の来店だ!移転でキレイなお店にして良かったなあ!うっひょっひょー」と喜んでいるに違いない。まったくオヤジたち、なかなかの策士である。
小奇麗になったのは良い事なのであろうが、一抹の寂しさを感じるのは僕だけであろうか。僕が最初に書いた、早い、安い、美味い、汚い、メニュー多いの、五拍子の一つが消えて、四拍子になってしまった。
あの小汚い、庶民的な雰囲気があってこそ「ラーメン王」であり、それが他店にはない魅力となっていたはずだ。おじさんたち憩いの場、それが「ラーメン王」。ちなみにしつこいようだが、僕はまだギリギリ20代なので、おじさんではない。
もっとも、一般的には、小汚いよりキレイの方が当然良いし、僕が「小汚い方が良かった!」なんてわめいてみたところで、そんなのワガママにすぎないであろう。
店のオヤジたちだって、女性客が増えた方が嬉しいだろうし、料理を作る際にも、酔っ払いのおっさん相手よりも、女性の方が気合いが入ろうというものだ。うん、きっとそうなのだ。
また、移転によって店内は広くなり、以前のように狭いスペースで食するような事はなくなった。その点は嬉しい。まあ、狭かったとは言え、前述のとおり、出てくるのが早いので、狭くとも待たされる事は滅多になかったけどね……。
小奇麗になって、ちょっと寂しくもあったが、それでも早い、安い、美味いはまったくもって健在!これからも通い続けるので、頑張って下さい、「ラーメン王」!
……って、これ書いてたら、また「ラーメン王」行きたくなって来たな。味噌つけ麺でも食べるか。
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