消え行く定番……ダン・リヴァー社のオックスフォード生地

5月10日、インディヴィジュアライズド・シャツを買いました。超ド定番の白のオックスフォード、長袖ボタン・ダウン・シャツと、同じく白のオックスフォード、半袖プルオーヴァー・シャツです。これで合計4着目になります。
半袖のプルオーヴァーは、裾丈詰めをお願いしたせいで、まだ手元にはありませぬ。14日の19時頃に、お直し完成の連絡がありましたので、取りに行かなくてはいけませんね。
僕が今更言うまでもありませんが、このシャツは、かつてブルックス・ブラザーズのポロカラーシャツ(これの白長袖も、もちろん所有しております)に使用されていた、ダン・リヴァー社のオックスフォード生地を使用しております。
そして、ご存知の方はご存知のとおり、昨年か一昨年ごろに、そのダン・リヴァー社は廃業。同社のオックスフォード生地を使用のシャツも、このたびが最終入荷との事。以前にお取り置きをお願いしておいて、本当に良かったです……。
僕が言うなんて、生意気極まりないぐらい。
この強靭かつ重厚なハリとコシ、カジュアルながらも上品な風合い、素晴らしいです。つくづく定番としての良さを感じさせられます。
そして昨日(16日)、このシャツを着用して出かけたのですが、やっぱりカッコ良いですね!
コーディネイトとしては、ストレートのブルー・ジーンズにリボンベルト、靴はオールデンの赤茶のミルスペックと、何の変哲もないアイヴィー・スタイルですが、これが本当に品良くまとまるのです。
カッティングと、ボタンダウンの美しいロール、そして生地の素材感、これらが引き出す魔力です。
もちろん、着心地もバッチリです……もう入手できないだけに、大切に着ていこうと思います。
本当ならガンガン着て、ガンガン洗って、荒っぽく着倒すためのシャツなのに(だから生地が頑丈なのだ)、このように大事に大事に扱わなくてはいけない事態が、本当に悔しいです!
今やプレミアになってしまったヴィンテージのリーヴァイスや、チャック・テイラーとかにも同様の事が言えますね……。
本当なら、同生地を使用したバギーのシャツも以前から欲しかったのですが、こちらは買えないままで終わってしまいました。以前から買おう買おうと思いつつ、結局、先延ばしになってしまいました……。
何が悲しいかって、「また今度買えばいいや」と、先延ばしにしても問題なかった品が、入手できなくなるのが悲しいです。
例えば、アメリカ製コンヴァース。例えば、アメリカ製リーヴァイス。例えば、イタリア製スペルガ。例えば、フランス製ラコステ。例えば、英国製クラークス……。
どれもかつては色んなお店にゴロゴロしていて、しばしばセール対象にもなっていた品。それほど当たり前の存在で、気軽に買え、人気もあった超定番。それが市場から消えて、出回るはアジア製。
5・6年ぐらい前に、インヴァーアランもアジア生産になるという噂がありましたが、現在もスコットランド製で販売されております。噂の後、何か救いの手があったのかな?
さて、英国製バーバリーはどうなる事やら。
僕みたいな若造が言うのも非常におこがましい話だけど、生産国と言うのは非常に大事。なぜ大事なのか、細かい事を言い出したらきりがないけど、簡単に言うならば、まず大抵の場合、クォリティが落ちる。でも、値段は同じ。
そして何より、生産国が変わった時点で、文化が消える。
こんな事、分かっている人は分かっているし、わざわざ僕が書くのも大変恐縮な話なんだけどさ。
でも僕の周りで、「生産国なんて、どーでもいいじゃん」と言う人が結構いて(重視している人も当然いるけど)、いささか歯がゆい思いをしておりますので、この際、書かせて頂きました。
- 関連記事
-
-
Carlo Jösch Couturier and Sebastian Hoofs in Köln(ケルンのカルロ・ヨシュ・クチュリエとセバスチャン・ホース) 2015/10/29
-
マレーシア製KIWIとシンガポール製KIWI 2014/05/09
-
Sartoria Formosa and Sartoria Gianni Volpe in Napoli(ナポリのサルトリア・フォルモーサとサルトリア・ジャンニ・ヴォルペ) 2017/02/12
-
Wien Bespoke Shirts Maker & Fabric Shop(ウィーンのビスポーク・シャツメイカーと生地商) 2015/08/12
-
Matti Hampaala and A.V.Aalto in Helsinki(ヘルシンキのマッティ・ハンパーラとA.V.アールト) 2015/12/15
-
無印良品の5thダイヤアーガイル・ソックス 2008/11/07
-