フランクフルトの珈琲店「WACKER'S KAFFEE」

ドイツに行ったのならば、やはり珈琲も楽しまねばなるまいと思い、行って来たのが、この「WACKER'S KAFFEE」です。ドイツ旅行の最終日、3月27日にフランクフルト中心街を散策中、偶然見つけたのです。1914年創業との事で、歴史ある珈琲店ですね。
お客も現地の方が多いようで、いわゆる、観光客によって荒らされている雰囲気もありません。もちろん、雰囲気のみによる判断ですが。

安いのが人気なのか、味の良さが人気なのかは分かりませんが、僕の見た限り、フランクフルト中心街で一番繁盛している珈琲店でした。店員さんは問題なく英語が話せ、その点でも安心です。
僕は珈琲を注文したのですが、価格は1.4ユーロとかなり良心的な設定でした。やはりドイツ人にとって日常の飲み物なだけに、安くならねばならないという考えなのでしょう。
メニューについては、珈琲にブラジル、コロンビア、マンデリン、モカマタリなどの種類はなく、珈琲は「KAFFEE」のみでした。おそらくブレンドなのでしょうね。
珈琲とは別に、カプチーノ、エスプレッソなどのヴァリエイションはあり、お客さんも、そういったのを注文している方がほとんどでした。
ただ、気になるのが珈琲の抽出方法。日本で珈琲専門となれば、ネルドリップかペーパードリップ、またはサイフォンで時間をかけて抽出しますが、ここはマシンなのですよね……。
客の回転が速いので、ハンドドリップしている時間などないという事でしょうか。豆はさすがに注文を受けてから挽いているようでしたが、ミルはやはり電動。また、エスプレッソのタンピングも大雑把でした……。
珈琲は店内で飲む事もできるのですが、この時はお昼時でもあったため、あいにく満席。僕は常連客と思わしき人たちと混じって、外で立ち飲み。ドイツ気分を満喫しました(笑)。
さて、肝心の味ですが、正直、それほどでもなく、味に深みがありません。お店の雰囲気からは、こだわりのお店のように思えるのだけれど……。
日本の珈琲店でも、これ以上の味は味わえるなというのが本音です。もっともその場合、1.4ユーロ相当の価格とはいきませんが……。
ややがっかりしつつ珈琲を飲み、僕はショーウィンドウに飾られている珈琲豆を眺めておりました。ここは珈琲豆の販売も行っているのですね。

メキシコ・マラゴジッペ、メキシコ・オルガニッコ、エチオピア・シダモ、ミナス・ブラジル、グァテマラ、ニカラグア、コロンビア、コスタ・リカ・タラズ……などなど。日本でも見かける珈琲名がたくさんあります。お店で飲む珈琲は一種類のみですが、豆の購入ならば色々と種類は指定できるみたいです。
ストレートのみならず、「マイスター・ブレンド」、「ウィーン・ブレンド」、「モカ・スペシャル」と名付けられたオリジナル・ブレンドもいくつかあれば、エスプレッソ用の豆もいくつかあります。
価格は豆によって異なりますが、500gで5~9.8ユーロ。随分と安いですね。スペシャリティ・コーヒーは主にドイツに行ってしまうと聞いていたのですが、果たしてこれらはスペシャリティ・コーヒーなのでしょうか?日本ではこんなに安く、スペシャリティ・コーヒーは入手できません。ちなみに9.8ユーロするのはメキシコ・マラゴジッペ。
なぜこんなに安いのでしょう?売れる見込みがあるから薄利多売方針なのでしょうか?客の回転が日本とは別次元なのは確かです。
日本より優先取引をしているため、仕入れ値が安くなっているのかもしれません。
それとも単に、スペシャリティ・コーヒーじゃないから安いだけなのかもしれません。
ただ、これらとは別に、やけに立派なケースに納められた豆が3点ありました。これらは価格もひときわ高いです。ひょっとして、この三つだけが、このお店におけるスペシャリティ・コーヒーなのかな?価格も、いずれも日本より若干高めです。

まず一つは、高級品として知られるハワイ・コナ。100gあたり5ユーロ。
もう一つもやはり高級品、ガラパゴス・サンクリストバル。価格も同様に100gあたり5ユーロ。
そしてもう一つが……なんとブルー・マウンテン!
ブルー・マウンテンは90%が日本に輸出されると聞いていたので、まさかドイツで見かけるとは思ってなく、僕はかなり驚きました。価格も日本同様に最高級、100gあたり10ユーロ!やはりブルー・マウンテンはブルー・マウンテンという事でしょうか。珍重しているのは日本のみなのでしょうけど、ドイツでも高価なのは間違いなさそうです。
ブルー・マウンテンの90%が日本行き、という話が事実ならば、このドイツにあるブルー・マウンテンは残り10%の代物。そして、良質の珈琲はドイツが優先的に持って行くと言う。となれば、このブルー・マウンテンも最良質のブルー・マウンテンなのでしょうか?そう考えると、まがりなりにも珈琲好きとして、わきおこる興味を押さえきれない……。
僕はこのブルー・マウンテンの購入を決意。珈琲を飲み終えると、店舗に再入店しました。

お店で飲む珈琲だけでなく、珈琲豆を買うお客さんもしっかり列ができております。でも、お客さんを捌くのも早いので、そんな待たず済みました。お客さんも心得たもので、豆を買ったらさっさと外に出ております。英語が極めて不得意な僕が、一番面倒な客でした(笑)。

店内では、豆はガラスケースに納められており、日本の珈琲専門店同様、量り売りして下さるようです。

ただ、僕がブルー・マウンテンを買いたい旨を伝えると、店員さんはカウンター前にあるアルミパックを指し示してきました……。うーん、どうやら前述したハワイ・コナ、ガラパゴス・サンクリストバル、そしてブルー・マウンテンの3種に限っては、100gパックによる販売になるみたいです。一体いつごろ焙煎したのか、気になるところ。日が経ちすぎたりしていないだろうな……疑問を抱きつつの購入となりました。
ちなみにこのお店では紅茶も売られておりました。今度行く機会には、紅茶も買って行きたいですね!
購入したブルー・マウンテンは、帰国時には手荷物として持ち帰りました。なので、輸送環境もさほど悪くなかったはずです……。
そして帰国後、早速淹れて飲んでみました!豆はブルー・マウンテンだけあってか煎りは浅め。欠点豆はなく、ハンドピックはしっかり行われているようです。蒸らしにお湯を注いでみると、浅煎りにしては十分膨らみます。さすがに古い豆を販売しているわけではないようで、購入時の心配は杞憂に終わりました。

ではでは、お楽しみ。お味の方は?
ふむ。美味しい事は美味しい。ほんのりとした酸味で後口も柔らか。飲みやすい。でも……、期待していたほどじゃない。もっと感動があると思っていただけに、少々残念です。これより美味しいブルー・マウンテンを飲んだ事があるのかと言われれば………ありますねー……。
ひょっとしたら、ブルー・マウンテンは日本がお得意様なだけに、ブルー・マウンテンに限っては最良質品は日本に回るのかもしれません。せっかくだから、ブルー・マウンテンだけでなく、他の種類も買っておくべきだったなーと、ちょっと後悔しております。
結果としては、僕はドイツでは、期待していたほどの珈琲には巡り会えなかったです。まあ、僕の味覚が鈍感すぎて、味が分かってない可能性もあるのですが。
今度またドイツに行く機会があれば、もっとたくさんの珈琲店を回って、バシバシ味をチェックしなくてはいけませんね。
ちなみに僕は普段、LCFグループのお店で珈琲豆を購入しております。やっぱりどうこう言っても、ここの豆はレヴェル高いなーと感じます。LCFグループで、ブルー・マウンテンは取り扱っていないですけどね。
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