FC2ブログ

山下大輔 Weblog Version

… 山下大輔 web versionのサイト更新報告 山下大輔の日記 …
2016年06月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2016年08月
TOP ≫ ARCHIVE ≫ 2016年07月

The former Kilgour, French & Stanbury Noel Coccia, Seiko Suzuki, and Hideo Takeshita(元キルガー,フレンチ&スタンバレーのノエル・コッチャさんと鈴木聖子さん夫妻、そして竹下英雄さん)

ノエルさん、聖子さん、僕

「キルガー(,フレンチ&スタンバレー)時代の同僚で、日本人と結婚した友人夫婦がいます。今でも年に一度、日本で会って食事しすよ」

元キルガー,フレンチ&スタンバレーの礼服担当である、竹下英雄さんが生前に話しておられました。

「今度、ご紹介しますよ」

竹下さんから有り難いお言葉も頂いてたのですが、それは果たせぬまま、竹下さんは05年3月24日に他界。しかし、今回の旅でそのご夫妻である、Noel Coccia(ノエル・コッチャ)さんと鈴木聖子(Seiko Suzuki)さんご夫妻(冒頭画像の左と中央)とお会いするのが実現!貴重なお話をたくさん伺えました!どうもありがとうございました!

僕が訪問時、ノエルさんは69歳。もちろん、スーツもコートも丸縫いができるテイラーさんで、特にヴェルヴェットの仕立てに長けており、キルガーでのヴェルヴェットの服はこのノエルさんが手がけていたそうです。生前の竹下さんも、「ヴェルヴェットの扱いは自分より上」と話していたとの事。
ノエルさんはマルタ島のご出身で、お父様はそのマルタ島唯一のメンズテイラーだったそうです。そして、ノエルさんが2歳の時に英国に渡り、レディースのテイラーに転身。クリスチャン・ディオール(の前身の会社)やノーマン・ハートネルの下でスーツを作り、そして60年に、(今も)ダブリンの大通りであるグラフトン・ストリートにて、「Noel La Romawa Fashion(ノエル・ラ・ロマワ・ファッション)」と言うレディース・クチュールのお店を開業された、大きい実績がございます。

「父はゴールデン・テイラー。私の才能は父譲りだ」

そう話すノエルさんも、テイラーとなるべくテイラー学校に通った後に、小さなテイラーで2年ほど修行。そして22歳でキルガー,フレンチ&スタンバレーに入り、10年ほどご勤務されたそうです。

奥様の鈴木聖子さんは、日本ではテレビ局にて衣装のお仕事をされており、24歳の時、レディースのテイラーとなるべくロンドンへ。ただ、本来はパリに渡るのを目指していたそうで、ロンドンは一時滞在のつもりだったとか。そしてロンドンでは、昼間は洋服店で働き、夜にキルガー,フレンチ&スタンバレーにてテイラーレス(ボタンホール作成、ボタン付などのまとめ作業)のお仕事。何でも、サヴィル・ロウ・テイラーでは職人さんが自分のお給料の中から、テイラーレスをする人を雇っていたそうです。その時に聖子さんはノエルさん、竹下さんをはじめとした、サヴィル・ロウの職人さんたちと知り合い、やがてノエルさんとご結婚されたそうです。

「サヴィル・ロウで働いていた当時の日本人職人さんたちは、お金もなくて、食事とかは安い所で済ませていたわね。お金の事は考えずに仕事をしていた感じ。竹下さんはよくカジノで遊んでいたわ。あの人は永遠に青年で、日本に帰国して、年をとった後も儲けとかは考えず、自分が満足する仕事ができればそれで良いと言った感じだった。竹下さんのスーツ作りはほとんど趣味よ。スーツと言うより、芸術を作っていたから。結婚していなかったのもあったかもしれない」

聖子さんが、思い出話をして下さいました。