7月11日に発行した電子書籍、
「ヨーロッパ靴服風来行」ですが、何しろ初めての試みだっただけに、何度か壁に当たりました。
インターネット上では、
「Kindleでの電子書籍発行は簡単!」と言う記事を何度か見かけており、
「僕でもやれるのかなあ?」
とか思ったり、
「ウェブサイト作成ができるんだから、電子書籍作成もできるんじゃね?と言うか、電子書籍の方が簡単なんじゃね?」
とか思っていたのですが、これがいざ実際にやってみると、
難しい!まず感じたのが、個人レヴェルでの電子書籍作成は、まだまだ黎明期なんだなと言う事です。12年前、僕が初めてウェブサイトを作成したのを思い出しました。
現在はウェブサイトを作成するとなると、ある程度、「正しい」と言える指標がありますが、12年前はウェブサイトの分野はまだ発展途上で、作成するにしても、多くの選択肢の中から、どれが「正しい」のか、自分で考え、自分で判断しなくてはならなかったんですね。とは言え、この「正しい」も月日とともに変わっていくから難しいのですが……。
そして、現在の電子書籍は、その12年前のウェブサイト界以上に成熟してなく、どれが「正しい」方法か、かなり悩まされました。
あと戸惑ったのが、当たり前と言えば当たり前なのですが、ウェブサイトと比べて、電子書籍は作成ツールに乏しく、サーヴィスも少ないんですね。これは電子書籍において、統一規格と呼べる物が、まだ確定してないのも要因かな?と思ったりもしました。
でも、電子書籍は基本的に有料で読んで頂く物なのに、環境が良くなく、基本的に無料で閲覧できるウェブサイトの方が色々とやりやすいのは、何だか残念に思えたりもして。
なお、貧乏で知られる僕は、フリーソフトの
「Sigil」を使って、電子書籍を作成しました。
そんな状態での作成でしたから、開始して二日間ほどは、トライアル&エラー&勉強の繰り返し。だんだん軽い頭痛になってきて、フラフラになったりもしました。
おそらく、ただ文章をベタ打ちするだけなら、電子書籍作成も簡単だと思うんですよ。でも、体裁やエラーが起きないようにとか、色々考えながら作ると、本当に大変!これは、僕に知識や技術がないせいもあるのですが。
とは言え、頭の悪い僕ですら、三日目には電子書籍作成方法が、最低限レヴェルではあるものの、分かってきたので、簡単と言えば、簡単なのかも?しれません。もっとも、これは僕にウェブサイトの作成知識がちょっぴりあったから、と言うのもあると思います。
最低限レヴェルとは言え、ある程度、要領が掴めて来ると、あとは文書作成がメイン作業となってくるのですが、作業に没頭して徹夜も珍しくなくなり、PCの操作しすぎで人差し指が痛くなってきて、中指でキーボードを打ったり、手首もちょっぴり痛くなったりもしました。
やがて、深夜の散歩が案外気分転換になると分かると、深夜、無意味に徘徊する怪しい人になったりもしました。
僕は特に用事がないと、10時間ぐらい寝てしまう日もあるのですが(←怠け者寝すぎ)、電子書籍を作成していた時期は、寝ても4-5時間、長くても6時間ぐらいで自然に目が覚めてしまい、しかも眠くないんですね。もちろん、目覚まし時計もかけていません。そこまで気持ちが高ぶっている自分にびっくりしました。
PCと向かい合って誰とも会わない日が続き、しんどい時期ではありましたけど、集中できているのは良い具合だなと思いました。
4月頃から少しづつ作成を始めて、本格的に作業に入ったのは5月15日。発行日の目標は6月15日。完成したら、散髪をしよう、爪を切ろう、家の掃除をしよう、靴磨きをしようと思いつつ、なかなか終わらずで、ようやく完成したのが7月11日。
一応、不具合がないように考えながら作りましたが、それでも我ながら、未熟な点だらけです。特にレイアウトは、自分の力不足で納得できておりません……。もっと僕に、スタイルシートの技術があれば、レイアウトもかなり工夫でき、見栄え良く仕上がるのだろうなと思います。
12年前、僕はウェブサイト作成の際、旧式ブラウザにも対応できるよう、スタイルシートを避けた作成方法を行ったのですが、そのせいで、スタイルシートの知識がおろそかになってしまいました。それが今回の電子書籍作成において、足を引っ張ったんですね……。
現在では、ウェブサイト作成においてスタイルシートの使用は当たり前。発展途上分野の難しさを感じますです。
あと、電子書籍で使用した画像が9年前の物で、最近のデジタルカメラほど高画質ではなく、さらに自分のケチな性格もあって、小さめサイズで撮影してしまっているのも残念です。当時としては十分なサイズ、画質ではあったのですが、今となってはそうもいきません……。
思えば9年前の時点では、「いつか電子書籍にしよう」と言う考えはまったくありませんでした。と言うか、個人で電子出版ができる時代が来るとは、まったく思いもしませんでした。
それが現在ではこのように、多少作成にハードルはあるものの、何とか個人でも電子出版はできます。
そしておそらく、3年後、5年後、10年後には、そのハードルはどんどん低くなっていき、個人がもっと手軽に、気楽に、電子書籍が作れるようになっているんでしょう……。
かつてウェブサイトがそうであったように……。
ウェブサイトが作れない人でも、Blogと言う形式で、簡単に情報発信できるようになったように……。
それしても、僕が電子書籍の存在を知ったのは14年前で、その時は、
「1年後には商品化予定」と聞いてたのに、14年経っても、それほど普及してないとは思わなかったなあ……。