もう発売されて大分経ちましたが、「最高級靴読本4」が発売されましたね。
今回も楽しめたのですが、中でも日本人靴職人さんについての特集、面白かったですね!職人さんの回答それぞれに、方向性、精神性が見えて、興味深かったです。
小笠原シューズの根岸貴之さん、2年前、浅草にある靴の部材屋さんにて、「小笠原シューズに、若いながらも社長の右腕にまでなっている、根岸って職人がいる」と聞いた事がありまして、ずっと気になっていたのですが、こうやって詳細が分かると嬉しくなっちゃいます(笑)。
そしてかなり前に、大川バセット由紀子さんのBlogにて、イギリス・ビスポーク・クローザーのナンバーワンとして紹介されていたジミー・コバルチックさんも登場されておりました。
「3」のエリック・クックさんもそうでしたが、以前から噂でしか聞いた事がなかった職人さんが、こうやって記事になって紹介されると、謎が解明された気分になって、僕としてはついつい読み込んでしまいます(笑)。
自慢のレア靴選手権も、好奇心が刺激されて、まじまじと眺めてしまいました。これを読んでいると、高級靴のバリエイション豊かさに改めて驚きます。特にキャメル革、どんな風合い、履き心地なのか、気になりますね~。
アンダー5万円日本製靴特集も楽しめました。やはり、日本製高級靴は真面目に作られているなあ~と再認識です。できればこれに加えて、大塚製靴も見たかったですね(笑)。
写真のみの判断ですが、掲載されている中でも特に、ミヤギコウギョウさんが上質に思えました。クォリティだけでなく、フォルムとデザインも普遍的で、カッコ良いですよね。願わくば勝手ながら、このコストパフォーマンスの良さを今後も維持して頂きたいところです……。10年ほど前に登場した、日本製高級靴の先鋒ブランド、今では有名になりすぎて、規模も大きくなり、クォリティ迷走の気配が見られますからね……それでも同価格帯のインポート物よりは良く出来ていると思いますが。
しかし気になったのが、このアンダー5万円日本製靴特集に対して、その後に続く某英国靴特集に矛盾が感じられた事です。
アンダー5万円の日本製靴特集では、接着剤が少ないから良い、出し縫いと掬い縫いが重なってないから良い、ヒールの積み上げやウェルトが本革製だから良いと書いておりまして、僕ももっともだと思います。しかし、それにことごとく反しているのが、特集組まれている某英国靴です。
それなのにその某英国靴が、「価格に対する品質に絶対的な~」はないだろう。もっとも、上級ラインでしたらウェルトに本革使っているのもあるけどさ。
この広告記事、他にも疑問点がたくさんあるのですが、きりがないのでこのくらいで……。これと同様に、ベストバイ特集も疑問だらけで、何を理由に「ベスト」としているんでしょうね?
ジェイムス・テイラー&サンの紹介も気になりました。このお店は英国ビスポーク・シュー・メイカーながら、ドイツに寄ったハウススタイルで、オーソペディック、コンフォートを前面に打ち出しているんですよね。実際、ビルケンシュトックを扱っていたりしますし、ビスポーク・シューズのサンプル↓も、
拙サイト内で紹介しているとおり、一見ドイツ靴です。


でも、この雑誌ではナロウノーズ(←何だか違和感ある言葉)のトウラインがハウススタイルのように書かれております。これではスタイリッシュな靴がメインと、読者の方は勘違いされてしまうんじゃないでしょうか。スマートなモデルもあるにはありますが↓、少ないですし、他のビスポーク・シュー・メイカーでしたら、もっとスマートなのはたくさんあります。

誌上ではスタイリッシュなモンクストラップが掲載されておりますが、あれはむしろ例外的なスタイルです。
マニア向け雑誌だからと言って、記事の執筆者がマニアとは限りませんし、スポンサー都合もあったりしてで、やはりおかしい点は目に付きますね。
我ながら僕も、もう少し気楽に読めば良いのにと思います。人が作っている以上、何でもミスはありますものね。