さしたる理由もなく、単純に面白いからという理由で、最近は「魁!!男塾」を読み返している。
細かい理屈など気にせず、勢いで展開していくストーリーは、極めてジャンプ的。そして秀逸なのが、「民明書房刊」による説得力。このあたりはさんざん語られているとおり。
面白いが、突込みどころも多い作品。何と言っても、リアルタイムでこのマンガを読んでいた人なら、誰もが初めて剣桃太郎を見た際に、
「ケ、ケンシロウ???」と突っ込みを入れたはずだ。
そのあたりはまず置いておいて、改めて思うのは絵の良さだ。連載初期は雑だったけど、回を追うごとにぐんぐんレヴェルアップしている。
格闘シーンの迫力、縦横無尽のカメラワークは言うまでもないが、とくに物体の質感表現が非常に良くできている。水、氷、宝石、硫酸(ん~、男塾~!)、岸壁、溶岩、などなど様々。描き込みも細かい。
武器やコスチュームのデザインも素晴らしい。
そして、これほど高いクォリティの絵を、週刊で量産していた事実に、また目を見張る。
絵の完成度が一番高かったのは「天挑五輪大武會」あたりだろうか。それも決勝トーナメントの頃だ。
この時期と比べると、現在の宮下あきら先生の絵は、質が落ちているのは否めない。
ただし、女性を描くのは、今も昔もヘタですね。