山下大輔 Weblog Version

… 山下大輔 web versionのサイト更新報告 山下大輔の日記 …
2016年07月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2016年09月

Duret and Guilson in Paris(パリのデュレとギルソンヌ)

デュレ・パリの工房

【Duret(デュレ)】
住所:29, rue Duret, 75116 Paris
価格:ビスポーク・ベルト、カーフで390ユーロ~。ビスポーク財布、カーフで500~800ユーロほど、クロコダイルで1,500~2,500ユーロほど。

ベルトや財布は一カ月で完成。もっとも、価格や納期は素材や作り込みによって大分変動があるので、参考程度にお願い致します。既製品はなく、ビスポークのみの革小物と鞄メイカーです。英語可。


ミカエル・ベナホシュさん

69年生まれ、創業者で職人のMickaël Benarroch(ミカエル・ベナホシュ)さん。元々はスイスの国境近いフランスの工房で働いていたそうですが、「ハイクォリティにこだわった、クラシックな手法で作りたい」と言う思いから、独立開業されたそうです。


デュレ・パリの職人さん

僕が伺った際、工房(上記住所とは違う場所)ではミカエルさんを含む、4名の職人さんが作業をされていました。以前には、日本人職人さんも働いていたそうです。

「フレンドリーな環境で作るのは、とても大事だ」

ミカエルさんがお話されるとおり、工房の職人さんたちは和気あいあいとお仕事をされていました。そして、上画像はベルトループの作成中です。

「スティッチにミシンは使わない。それが自分のオリジンだ」

工房にミシンはなく、縫製は全て手縫いと、ミカエルさんの強いこだわりが伺えますね。スティッチが手縫いだと柔らかく仕上げやすくなるので、ベルトの柔軟性に好結果をもたらすのではと思いました。そして、縫い糸は馴染みが良いからと言う理由で、シルク糸かワックスを擦り込んだ麻糸を使用。「化繊糸だと強すぎる」との事でした。ライニング素材もカーフなどの天然素材のみを使用です。


デュレ・パリの職人さん


デュレ・パリの職人さん

縫製作業だけでなく、革を縫い合わせる前の下ごしらえや、仕上げもやはり手作業で丁寧に行われます。


Walter Steiger and Dimitri Gomez in Paris(パリのウォルター・ステイガーとディミトリ・ゴメス)

ステイガー・ボティエの工房

【Walter Steiger(ウォルター・ステイガー)】
住所:33, Avenue Matignon, 75008 Paris
価格:ビスポーク・シューズ、メンズは4,300ユーロ~。レディースは2,200ユーロ~。パターン・オーダーは既製靴価格に30‐50%増。

仮縫い時はトライアルシューズを作成。メンズはハンドソーン・ウェルテッド製法で3ヶ月で完成。レディースはセメント製法が基本仕様で1ヶ月で完成。ウォルター・ステイガーは世界各国で取り扱いがありますが、パリ本店ではビスポーク・シューズとハンドメイドのパターン・オーダーを受け付けています。英語可。


アレクシー・グイヨさん

以前のウォルター・ステイガーは既製とパターン・オーダーのみでしたが、09年よりビスポーク・シューズ部門がスタートし、それに伴い、ビスポーク・シューズ責任者に就任したAlexis Guyot(アレクシー・グイヨ)さん。フランスの職人養成機関であるコンパニオン・デュ・ドヴォワール出身で、アントニー・デロス氏から5・6年ほど靴作りを学び、さらにマサロにて1年、レディースの靴作りを学んだ経歴をお持ちです。ちなみに、お父様も靴職人だったそうです。
ステイガーのビスポーク・シューズのラストは全てこのアレクシーさんが作っており、ラストメイクの際、斧で荒断ちするところから始めるのは、オーベルシーの塩田さんや、ロンドンのクラシックなビスポーク・シュー・メイカーさんと同様ですね。そして、底付け関連の工程もアレクシーさんは行っております。


ステイガー・ボティエの職人さん

自社工房ではアレクシーさんを含む4名の職人さんが、ビスポーク・シューズとハンドメイドのパターン・オーダーシューズの製作を行っております。工房は本店の2階にあり、ガラス越しに外からも見えるようになっております。


ステイガー・ボティエの職人さん


ステイガー・ボティエの職人さん

女性職人さんも2名働いております。


ステイガー・ボティエの平川裕子さん

そして、パリ本店では日本人スタッフの平川裕子(Hiroko Hirakawa)さんが勤務しておられ、通訳とご案内をして下さいました。平川さんは06‐09年までステイガーのロンドン店に勤務し、10年から、このパリ店に勤務しておられます。

Aubercy in Paris(パリのオーベルシー)

オーベルシーのビスポークサンプル

【Aubercy(オーベルシー)】
住所:34 Rue Vivienne, 75002 Paris
価格:ビスポーク・シューズ(グラン・ムジュール)、シュー・トゥリー込で4,900ユーロ~。MTO(ムジュール)、1,450ユーロ~。既製靴、985ユーロほど。

ビスポーク・シューズは半年で完成。MTOは8-10週間で完成。メンズシューズのみならず、レディースシューズ、鞄、ベルト、革小物なども取り扱っております。英語可。

そして、オーベルシーのクォリティに相応しい技術で行う修理店と、パティーヌの店舗もあります。

修理店の住所は9 Rue de Luynes, 75007 Paris。
パティーヌの店舗は34 Rue Vivienne, 75002 Paris。


グザビエ・オーベルシーさんと塩田康博さん

70年生まれで三代目当主のXavier Aubercy(グザヴィエ・オーベルシー)さんと、77年生まれでビスポーク・シューズ担当の塩田康博(Yasuhiro Shiota)さん。

オーベルシーは04年~08年までもビスポーク・シューズのサーヴィスを行っておりましたが、以降は消滅状態。しかし、塩田さんの就任によってビスポークも復活となりました。

塩田さんは関西学院大学を卒業後、英国のレスターにある靴学校に1年通い、製靴を勉強。そして、ご自身のコレクションを発表できる展示会を探していたところ、英国よりもパリが良いと知って渡仏。05年~08年はフランスの名門、マサロで勤務し、マサロはレディースのオートクチュール製作も多うメイカーのため、シャネルがコレクションで発表する靴作りにも参加されたそうです。08年~13年はピエール・コルテで勤務し、デザインとパターン作りをメイン業務としつつ、ラストメイクも学んだそうです。マサロとピエール・コルテは同じパリのビスポーク・シュー・メイカーとは言え、スタイルや方向性は大分異なるので、その二つで働いたのは塩田さんの大きな強みですね。そして、13年12月より、オーベルシーのビスポークシューズ担当に就任しました。

パリにおいて、日本人靴職人がビスポーク・シューズ部門の責任者となるのは、おそらく初。パリは言うまでもなく芸術とファッションの都であり、ビスポークの分野でも、ロンドンと並ぶ中心地。当然、競争も激しいです。しかも塩田さんはマサロ時代に、日本人(アジア人)である事を理由に、ご自身は店頭に出ないように言われていたそうです。そう言った厳しい条件下で、ここまで上り詰めたのは凄い事です!


オーベルシーのビスポーク工房

地下にある一室がオーベルシーのビスポーク工房。つまり、塩田さんの作業場です。


塩田康博さんの作業

塩田さんの作業中。塩田さんの趣味はロッククライミングだそうで、そのせいでしょう、前腕から浮き出る筋肉が目を引きます。力仕事である底付け作業の際、効果を発揮するのでしょうね。

そして、塩田さんはフランス語はもちろんの事、英語も上手く、オーベルシーでの英語の接客も行っています。塩田さんは過去に1年、英国に住んでいたものの、たった1年でこんなに上手くなるのかと僕は驚いていたところ、塩田さんは学生時代に翻訳家を目指しており、その当時は本気で語学に取り組んでいたそうです。しかし、翻訳は他人の作った物を手助けすると言う意味で物足りなく感じ、やがて靴好きが長じて靴職人を目指すようになったとの事です。


塩田さんの作業台

塩田さんは靴作りの全行程をこなせる職人さんですが、オーベルシーではラストとパターンメイキングをご自身で行い、以降の工程は基本的に外部の職人さんに委託しております。しかし、ご自身で行う事もあるそうで、工房内には製甲ミシンや、底付け用の工具も置いてありました。

DEGAND and Maurice Lepère in Bruxelles(ブリュッセルのデガンとモーリス・ルペール)

デガンの店舗

【DEGAND(デガン)】
住所:Avenue Louise 415, 1050 Bruxelles
価格:ビスポーク・スーツ、仕立て代のみで4,995ユーロ。生地代込の場合は7,000ユーロ~。

仮縫い2回、5週間で完成。広い建物内で、カジュアルウェア、ビジネスウェア、MTM、ビスポークと、高級衣料品を幅広く扱っており、さらに、すぐ近くでレストランも経営しております。


デガンの高級衣料品フロア

重衣料が揃うフロアで、非常に洗練された内装は高級感があります。キトン、ブリオーニ、アットリーニ、カルーゾなどのイタリア製高級重衣料のMTMも受け付けております。


デガンのMTM担当者

MTM担当のJérôme Didier(ジェローム・ディディエ)さん。ビスポーク・スーツのサンプルはなかったのですが、作成途中のビスポーク・スーツを見させて頂いたところ、やはり芯地は自作しておりました。


デガンの店内

カジュアルウェアも広いスペースに、充実の品揃えとなっております。


デガンの靴店舗

靴専門となっている別棟。ジョン・ロブ、エドワード・グリーン、オールデン、ピエール・コルテ、エシュン、サントーニ、トッズ、コンヴァースと、スタイルも価格帯も異なる靴が、ヴァラエティに豊かに揃えられています。


Le Tailleur and Amato in Bruxelles(ブリュッセルのル・タイユールとアマート)

ル・タイユールの店舗

【Le Tailleur(ル・タイユール)】
住所:Rue de Tenbosch 88, 1050 Bruxelles
価格:グラン・ムジュールのスーツ、3,500ユーロ~。ドゥミ・ムジュール(ハーフメジャー)のスーツ、690~1,400ユーロほど。シャツはドゥミ・ムジュールのみで、165~290ユーロほど。

グラン・ムジュールのスーツはブリュッセルの自社工房製で仮縫い1回、4-8週間で完成。ドゥミ・ムジュールのスーツはイタリア製で4週間で完成。ドゥミ・ムジュールのシャツはイタリア製で3-4週間で完成。英語可。


オリヴィエ・ベルナールドさん

オーナー兼カッター兼デザイナーのOlivier Bernard(オリヴィエ・ベルナール)さん。以前はファソナブルにご勤務されていたそうです。スリムでモダンなイタリアンデザインがハウススタイルで、そのスタイルどおり、ご着用されている服も大分細身ですね。ただ、オリヴィエさんは16年7月現在は退社されて、別の方がオーナーだそうです。

ちなみに店名の「ル・タイユール」は、「テイラー」の意味です。


ル・タイユールのスーツサンプル

ドゥミ・ムジュールはスーツもシャツも、レギュラー、スリム、スーパースリムと、シルエットが異なる3タイプのゲージ服(見本服)があり、これらを着用し、サイズを調整して作ります。ちなみに上画像と、先述したオリヴィエさんがご着用されている服は、ともにスーパースリムです。

そして、グラン・ムジュールはパターンを一から起こして作り、デザインも自由です。